資格×転職
PR会社法法務士は転職に有利?求人での評価と活かせる人・活かせない人
「会社法法務士を取れば、法務や総務への転職で有利になるのかな」
「受験料も勉強時間もかかるのに、求人で見かけない資格だったらどうしよう」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、会社法法務士は、総務・法務・経営企画などで株主総会や取締役会の事務に関わった経験がある人が、会社法の知識を裏づけるために取る資格です。求人が求めているのは「会社法の知識と実務経験」で、会社法法務士という名前そのものを条件にした求人は、今回の調査では確認できませんでした。
また、会社法法務士は民間団体が認定する試験で、司法書士や弁護士のような業務独占資格ではありません。資格を取っても、他人の会社の登記を代理したり、法律相談を仕事にしたりはできません。この記事では、公式の試験情報と実際の求人をもとに、どんな人に役立つのかを整理します。
結論:会社法法務士は転職に有利?
結論は「実務経験とセットなら裏づけになる、資格単体では決め手にならない」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 転職での有利さ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 総務・法務などで株主総会や取締役会の事務を経験 + 資格あり |
○ 会社法の知識を客観的に示せる | 株主総会・取締役会の運営経験と並べて職務経歴書に書く |
| 総務・法務などで株主総会や取締役会の事務を経験 + 資格なし |
○ 取得すれば経験の裏づけになる | 会社法の全体を学び直す目的で受験する |
| 未経験 + 資格あり (または取得予定) |
△ 学習意欲の証明にはなるが決め手ではない | 未経験可の総務・事務系の求人で、学んだ内容を何に使うか伝える |
受験資格は公式の試験案内に書かれていないため、経験がなくても受験できます。ただし、求人に書かれる条件は「会社法の知識」より「株主総会や取締役会を運営した経験」であることが多く、そこが資格だけでは埋まりません。詳しくは次の章以降で説明します。
会社法法務士とは?1分でわかる基本情報
会社法法務士は、一般財団法人 全日本情報学習振興協会が実施する認定試験です。協会の企業担当者向けの案内では、企業内で会社法のプロフェッショナルを養成することを目的に、法務・総務・人事・管理職を対象とした上級試験と位置づけています。国が定めた国家資格ではなく、民間団体が認定する資格です。
試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
| 資格の種類 | 協会認定の民間資格(業務独占ではない) |
| 受験資格 | 公式の試験案内に条件の記載なし |
| 出題形式 | マークシート方式、60問程度 |
| 試験時間 | 150分(出題項目のページ)。試験日の案内は10時〜12時45分 |
| 出題範囲 | 会社法の第1編〜第7編。第8編(罰則)からの出題はなし |
| 合格基準 | 70%以上の得点。問題の難易度により70%以下で合格する場合がある |
| 受験料 | 一般16,500円、学割13,200円(税込)。受験方法により追加費用あり |
| 受験方法 | 公開会場(東京・名古屋・大阪)、CBT(+1,500円)、オンラインIBT(+3,000円) |
| 日程(確認日:2026年10月2日) | 第17回:2026年10月18日(申込は締切済み)/第18回:2027年2月21日(申込は2026年10月27日〜2027年1月14日) |
| 合格率 | 公式は公表していない |
| 認定の更新 | 認定カードは2年の有効期限。更新チェックテストと更新料(3,300円・税込)で更新 |
出典:会社法法務士認定試験|全日本情報学習振興協会、出題項目、認定カード更新 (2026年10月2日確認) ※受験前に必ず協会の最新の受験案内を確認してください。
試験時間は、出題項目のページでは150分、試験日の案内では10時から12時45分と書かれています。受験票や申込ページで当日の時間割を確認してください。
出題範囲は会社法の全体に及ぶ
出題項目のページには、会社法の編・章・節ごとの条文範囲が一覧で載っています。第2編「株式会社」を中心に、設立、株式、新株予約権、機関(株主総会・取締役・取締役会・監査役など)、計算、定款の変更、解散・清算までが含まれます。持分会社、社債、組織再編(合併・会社分割・株式交換など)、外国会社、訴訟・登記などの雑則も範囲です。公式は、特に資金調達や組織再編をしっかり学んでおいてほしいとしています。
合格率は公式に公表されていない
試験トップ、合格発表のページとも、受験者数・合格者数・合格率の掲載はありません。合格発表は受験者が使うマイページで確認する仕組みです。協会の企業担当者向けページには、第1回(2018年3月)から2019年7月までの5回で、約600人が受験し約300人が合格したという記載がありますが、古い累計であり、現在の合格率を表す数字ではありません。
合格点も、難易度によって70%を下回る調整が入ることがあるとされているだけで、回ごとの合格点は公開されていません。「何点取れば確実」とは言えないため、70%を超える得点を目標に準備するのが安全です。
司法書士・弁護士とは役割が違う
会社法を使う仕事には、会社法法務士とは別の「資格がないとできない仕事」があります。
- 会社の登記の申請を他人に代わって行う:登記に関する手続の代理は、司法書士の業務として司法書士法に定められています
- 報酬を得て法律事件の代理や法律事務を業とする:弁護士または弁護士法人でない者が行うことは、弁護士法72条で禁止されています
会社法法務士は、これらの仕事を行うための資格ではありません。自分の会社の中で会社法を理解して実務を進めるための知識を示すものです。会社の外で登記や法律相談を仕事にしたいなら、司法書士や弁護士など別の国家資格が必要になります。
出典:司法書士法第3条(Wikibooks)、弁護士法第72条
ビジネス実務法務検定との違い
法律系の民間試験でよく比べられるのが、東京商工会議所のビジネス実務法務検定です。公式の試験要項で確認できた範囲で比べます。
| 項目 | 会社法法務士 | ビジネス実務法務検定(2級・3級) |
|---|---|---|
| 主催 | 全日本情報学習振興協会 | 東京商工会議所 |
| 扱う範囲 | 会社法に絞る(第1〜7編) | 公式テキスト(2026年度版)の範囲。会社法だけに絞った試験ではない |
| 形式 | マークシート60問程度、150分 | 多肢選択式、90分(IBT・CBT) |
| 合格基準 | 70%以上(難易度で調整あり) | 100点満点中70点以上 |
| 受験料 | 一般16,500円 | 2級7,700円(IBT)、3級5,500円(IBT)。CBTは別途利用料2,200円 |
| 受験資格 | 公式の試験案内に記載なし | 学歴・年齢・性別・国籍による制限なし |
出典:ビジネス実務法務検定試験 試験要項|東京商工会議所(2026年10月2日確認)
違いをひとことで言えば、会社法法務士は会社法だけを深く、ビジネス実務法務検定は法律実務を広く問う試験です。次の章で触れるとおり、求人に資格名として書かれているのは、確認できた範囲ではビジネス実務法務検定のほうでした。
転職で会社法法務士が評価される理由
求人が求めているのは「会社法の知識」と「運営した経験」
求人ボックスで「会社法法務士」と検索すると、1,866件の求人が表示されます(2026年10月2日確認)。ただし、検索結果の最初のページを開いて確認した範囲では、会社法法務士という資格名を条件に書いた求人は見つかりませんでした。
一方で、会社法の知識そのものを条件にした求人はあります。たとえば、福岡の上場リース会社の総務職(株式事務・株主総会関連)は、応募資格に「上場企業での株主総会や取締役会の運営」と「会社法に関する知識」を挙げています。IPO(株式上場)準備中の企業の法務職は、必須条件が「会社法、コーポレートガバナンス関連の法務実務経験」「株主総会や取締役会の運営、議事録作成の経験」です。
つまり、企業が見ているのは資格の有無より、会社法の手続を実際に回した経験です。会社法法務士は、その経験の土台になる知識を、第三者の試験で確認した証拠として使う資格だと言えます。
資格名で手当が出る求人は確認できなかった
会社法法務士を資格手当の対象にしている求人も、今回は確認できませんでした。受験料の16,500円(一般)は、手当で回収する前提ではなく、知識の裏づけを得る費用として考えるほうが現実的です。
一方で、協会は受験料を会社の経費で負担してもらえるケースも多いとして、申請書のサンプルを公開しています。いま会社に勤めているなら、先に社内の資格取得支援の制度を確認すると、自己負担を減らせるかもしれません。
求人に名前が出てくるのはビジネス実務法務検定のほう
法律系の資格として求人に名前が出ていたのは、ビジネス実務法務検定です。東京の建設会社の管理部門の事務職は、応募資格の「いずれかの資格を保有」の中に、ビジネス実務法務検定1級・準1級・2級を挙げています。福井の商社の法務職は、歓迎要件に「ビジネス実務法務検定2級以上」を書いています。
求人での分かりやすさだけを重視するなら、ビジネス実務法務検定のほうが転職活動では伝わりやすい場面があります。そのうえで、会社法の理解を深めたい人が、会社法法務士で中身を掘り下げる、という組み合わせが現実的です。
会社法法務士が転職で有利にならないケース
(1)資格だけで実務経験がない場合
求人の必須条件は、株主総会・取締役会の運営や、法務の実務経験であることが多くなっています。資格だけでは必須条件を満たせないため、書類選考で評価されにくくなります。
この場合は、資格の有無で悩むより、未経験を受け入れている総務・事務系の求人を探すほうが近道です。学んだ会社法の知識を、応募先の業務(株主総会の準備、議事録の確認、規程の整備など)のどこに使うかを面接で伝えてください。
(2)法務の専門職や士業を目指す場合
企業法務の求人では、法学部または法科大学院の出身、英語力、弁護士や司法書士などの国家資格を求める求人もあります。たとえば大手法律事務所の企業法務パラリーガルの求人は、会社設立や株主総会、商業登記の手続を支える仕事ですが、必須条件は「法学部もしくは法科大学院出身」「法律に関わる職務経験」「TOEIC700点または英検準1級相当以上の英語力」です。会社法法務士だけでは、この条件を満たせません。
(3)認定カードの更新をしていない場合
認定カードには2年の有効期限があります。協会の案内では、期限が切れても認定そのものが失効するわけではなく、授与された証書は履歴書に書けるとされています。ただし、有効期限の入ったロゴは更新した期間だけ使えるため、応募書類に有効期限内の資格として書きたい場合は、更新状況を確認しておきましょう。
とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。経験とセットで見せれば、会社法を体系的に学んだ人だと示せる資格です。次の章で、状況別の活かし方を見ていきます。
【タイプ別】あなたの場合、会社法法務士は武器になる?
総務・法務・経営企画の経験者は、経験を知識で裏づけられる
もっとも活きるのがこのタイプです。株主総会の招集通知や議事録を作った、取締役会の事務局を担当した、定款変更や増資の手続に関わったなどの経験がある人は、会社法法務士の学習で「なぜその手続が必要なのか」を条文から理解し直せます。
職務経歴書では、資格名を書くだけでなく、「株主総会の運営を担当し、会社法に基づく招集手続や決議要件を確認しながら進めた」のように、知識を使った場面と並べると伝わります。
今の会社で担当範囲が狭く、会社法を使う場面が少ないと感じるなら、株主総会や取締役会の運営まで任される会社へ移ることも選択肢です。希望する業務を任せてもらえる会社かどうかは、求人票だけでは分かりにくいため、管理部門や法務に強い転職エージェントに相談すると、募集の背景や担当範囲まで確認してから応募できます。
営業・現場の経験者で、管理部門へ移りたい人は「学んだ内容を何に使うか」を示す
営業や製造、販売などの現場から、総務や法務の管理部門へ移りたい人は、会社法法務士の学習で会社のしくみを学べます。取締役会や株主総会がなぜ必要で、誰がどの決定をするのかを理解していると、管理部門の仕事の見通しが立ちます。
ただし、未経験者向けの募集でも、求められるのは事務処理の正確さやコミュニケーション力が中心です。資格だけで評価が決まるわけではないため、「会社法を体系的に学んだ」ことに加えて、現場経験が管理部門の仕事にどう役立つかも合わせて伝えましょう。
起業や副業を考えている人は、転職以外の場面で価値が出る
自分で会社を設立する、役員になる予定がある、といった人にとって、会社法の理解は転職の評価以前に実務で役立ちます。会社の設立、株式の発行、役員の責任、組織再編などの基本を知っていると、司法書士や弁護士に相談する場面でも、何を聞くべきかが分かります。
この場合、資格は転職の武器というより、判断力を高める学習の道筋として使えます。
会社法法務士を活かせる仕事と年収の目安
会社法の知識を使う仕事の、実在する求人の記載条件です。会社法法務士の保有を条件にした求人ではなく、会社法の知識や関連経験を求める求人として挙げています。
| 仕事 | 主な内容 | 求人記載の条件 | 年収の目安(求人記載) |
|---|---|---|---|
| 総務(株式事務・株主総会関連) | 株式・社債の管理、株主総会の運営、取締役会の議事録作成、登記関連 | 上場企業での株主総会・取締役会の運営、会社法の知識 | 月給31万〜45万円、年収600万〜900万円(管理職候補) |
| 法務(IPO準備企業) | 株主総会・取締役会の運営、ガバナンス体制の構築、規程整備 | 会社法・コーポレートガバナンス関連の法務実務経験 | 年収600万〜800万円 |
| コーポレート担当(法務・総務・労務・人事) | 契約書のリーガルチェック、株主総会議事録などの会社法関連書類の作成 | 法務の実務経験1年以上、コーポレート領域3年以上 | 月給41.6万〜58.3万円(みなし残業含む)、想定年収500万〜700万円 |
| 企業法務パラリーガル(法律事務所) | 会社設立、合併、株主総会、商業登記の手続支援 | 法学部または法科大学院出身、法律の職務経験、英語力 | 年収503万〜600万円 |
| 法務(商社) | 契約書の検討、法的手続、社内規程の整備 | 法務の実務経験。ビジネス実務法務検定2級以上は歓迎 | 年収600万〜900万円 |
出典:求人ボックスの掲載求人(九州リースサービス、Beyont、SSCBS、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、三谷商事。いずれも2026年10月2日確認)。年収は会社・地域・経験・残業代の扱いにより異なり、資格保有者の平均年収ではありません。
どの求人も、会社法法務士の有無ではなく、実務経験が条件の中心です。逆に言えば、実務経験を積めば条件を満たせる職種が多く、会社法法務士はその入り口で知識を整理する手段として使えます。
あわせて取得すると強い資格
ビジネス実務法務検定(2級以上)
会社法だけでなく、契約や取引など、ビジネスで使う法律実務を幅広く学べる試験です。求人の資格欄に実際に名前が出ており、応募書類で伝わりやすい点が補完関係になります。会社法の深さは会社法法務士、法律実務の広さはビジネス実務法務検定で示す、という分担です。
労働法務士
会社法法務士と同じ全日本情報学習振興協会の試験で、労働法を扱います。公式の案内では、問題数は60問、150分で、受験料は同じ一般16,500円です。総務や人事の実務では、株主総会などの会社法の手続と、採用・雇用の労務管理を両方担当することが多く、管理部門で幅広く動きたい人に向いています。
司法書士
会社の登記の代理は司法書士の業務です。会社法を使う仕事を、会社の外から専門職として続けたいなら、国家資格の司法書士が選択肢になります。難易度も勉強量も会社法法務士とは別の水準になるため、転職のために急いで取る資格ではなく、キャリアの方向を決めたうえで検討する資格です。
会社法法務士に合格するための勉強法
基本書を1冊決めて、全体を通して読む
協会の参考書籍のページは、会社法の基本書を1冊購入して学習することを「必須」としています。推薦図書は、神田秀樹『会社法』(弘文堂)、田中亘『会社法』(東京大学出版会)、伊藤靖史ほか『会社法』(有斐閣)の3冊と、協会の『公式精選問題集』です。協会は、公式のサンプル問題集や過去問題集は出題傾向を示すものにすぎず、判例集や会社法が出題される他の試験の問題集も併せて使うことを勧めています。
試験範囲が広いため、最初から条文を覚えるのではなく、会社の設立から運営、資金調達、組織再編、解散・清算までの流れを一度通して読み、全体像をつかんでから問題演習に入ると、迷いにくくなります。
つまずきやすいのは、似た制度の区別と数字の要件
公式のサンプル問題を見ると、出題の形が分かります。
- 用語の意義(公開会社、大会社、取締役会設置会社など)の正誤を、アからオの5つの記述から選ぶ
- 株式会社の設立や株式の併合など、複数の記述の正誤を組み合わせて選ぶ
- 株主総会の普通決議・特別決議・特殊決議で何を決めるかを組み合わせる
- 資金調達の事例について、社債や自己株式などの語句を選ぶ
解説には条文番号が付いています。出題の中心になるのは、「何の決議で決めるか」「誰の承認が必要か」「期間は何週間前か」といった、似た制度を区別して覚える部分です。普通決議と特別決議、公開会社と非公開会社、株式の併合と分割のように、並べて整理しておくと混乱を防げます。
直前期は、○×で知識を確認し、60問を通して解く
公式は、会社法は難解な法律の一つなので、慌てずにじっくり読み込むことと、慣れることが対策になるとして、まず1〜2か月じっくり学ぶことを勧めています。試験の1か月前からは、新しい知識を増やすより、迷う論点を減らす練習に切り替えましょう。
- ○×の短い問題で、決議の要件や期間などの知識を確認する
- 迷った論点だけ、基本書の該当する章に戻って確認する
- 本番と同じ60問を、時間を決めて通しで解き、時間配分を確かめる
noteでは、会社法法務士向けに、○×300問と、60問×3回の実戦模試を用意しています。
- 【会社法法務士】出るとこだけ○×300問!(note):会社法の第1編から第7編を8章に整理した○×形式。問題サンプルあり
- 【会社法法務士】実戦模試3回分(60問×3回・全180問)(note):本番と同じ60問を3回分。問題サンプルあり
○×で知識を確認してから、実戦模試で通しの時間配分を試す順番がおすすめです。
\目的に合う教材を選べる/
会社法法務士を活かして転職を成功させる進め方
会社法の知識を使う求人を探す
求人検索では「会社法法務士」だけでなく、「株主総会」「取締役会」「株式事務」「総務」「法務」「コーポレート」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、会社法の知識を求めている求人は多くあります。
応募前に、仕事内容と応募条件で次の点を確認してください。
- 株主総会や取締役会の運営が、仕事内容に含まれているか
- 実務経験が必須か、未経験を受け入れているか
- 法務の専門職か、総務・事務を兼ねた管理部門か
職務経歴書で資格と経験をつなげる
「会社法法務士 取得」と書くだけでは伝わりません。「株主総会の招集手続と議事録作成を担当し、決議要件を条文で確認して進めた」「取締役会の事務局として、開催前の資料整理と議事録の保管を行った」など、知識を使った場面を具体的に書きましょう。
未経験の場合は、学習内容を使う場面を書きます。「会社法の機関設計や決議の仕組みを学び、貴社の総務業務で株主総会の準備や規程の整備に活かしたい」のように、応募先の業務と結びつけてください。
転職エージェントを味方につける
ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして会社法法務士は、求人票に資格名が書かれにくい資格なので、あなたの知識と経験が、求人のどの条件に当たるのかを自分で読み解く必要があります。この読み解きを、担当者に手伝ってもらえるのがエージェントの強みです。
転職エージェントを使うメリットは?
求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
希望の条件を相談できる
「総務の中でも、株主総会の運営まで任せてもらえる会社に移りたい」「年収はどのくらいを目指せるのか」。法務や管理部門の転職を扱うエージェントは、条件の相談から応じます。資格名では伝わりにくい知識の深さを、企業が評価しやすい形で伝えてもらえることもあります。
希望に合う求人を紹介してもらえる
会社法を使う仕事は、法務、総務、株式事務、経営企画、IPO準備など呼び方が幅広く、求人票だけでは探しにくいものです。希望を伝えると、条件に合う求人を選んで紹介してもらえます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえるサービスもあります。
入社前に職場の実情を確認できる
応募の前に、株主総会や取締役会の運営を実際に担当できるのか、法務の担当者は何人いるのか、弁護士や司法書士など外部の専門家との役割分担はどうなっているのか。求人票には書かれにくい点を、担当者を通して確認できます。
書類や面接の対策をしてもらえる
会社法の知識と実務経験を、職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接で株主総会の運営経験をどう説明するかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。
面接の日程調整を任せられる
面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでもスムーズに転職活動ができます。
さらに、これらはすべて無料です。法務求人.jp、MS-Japan、リクルートエージェントは、いずれも求職者が費用を負担しないと公式サイトで案内しています。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 総務や法務の仕事で会社法を使っているが、担当範囲が狭いと感じている
- 株主総会や取締役会の運営に、もっと深く関わりたい
- 今の会社で資格を取っても、仕事や評価が変わらない
- 未経験から管理部門に移りたいが、どの求人に応募できるか分からない
- 転職するかはまだ決めていないが、自分の経験でどんな求人があるか知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験なら、どんな会社のどんな仕事が選べるのかを聞くだけでも価値があります。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 法務求人.jp(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(法務) | 法務部、知財部、法律事務所などの求人を扱う。キャリア相談から書類添削、面接対策、年収交渉まで一貫して支援 | 法務の仕事に移りたい人、法律事務所も選択肢に入れたい人 |
| MS Agent(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(管理部門・士業) | 経理・財務、人事・総務、法務、経営企画など管理部門と士業の転職を扱う。公式サイトでは非公開求人が約90%と案内 | 総務や経営企画も含めて、管理部門の仕事を広く比べたい人 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 公開求人・非公開求人とも件数が多く、業界・職種を問わず幅広い求人を扱う | 業界や職種を絞りきれていない人、未経験から管理部門を探す人 |
迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験がどの職種で評価されるかが、より正確に分かります。
よくある質問
- 会社法法務士は意味ない資格ですか?
求人に資格名が条件として書かれている例は、今回の調査では確認できませんでした。ただし、総務や法務の求人は、会社法の知識や株主総会・取締役会の運営経験を求めています。その知識を体系的に学んだ証拠として、実務経験とセットで見せれば意味のある資格です。
- 会社法法務士に受験資格はありますか?
公式の試験案内には、受験資格の条件が書かれていません。学生向けの割引が用意されていることも確認できます。申し込みの際は、協会の最新の案内を確認してください。
- 合格率はどのくらいですか?
公式は合格率を公表していません。協会の企業担当者向けページに、2019年7月までの5回で約600人が受験し約300人が合格したという記載がありますが、古い累計のため、今の合格率の目安にはなりません。合格基準は70%以上の得点で、難易度により調整される場合があります。
- 会社法法務士を取れば、登記や法律相談の仕事ができますか?
できません。会社法法務士は民間の認定試験で、業務独占の資格ではありません。登記の代理は司法書士、報酬を得て法律事件を扱う仕事は弁護士が行う仕事です。会社法法務士は、社内で会社法の知識を使って実務を進める人のための試験です。
- ビジネス実務法務検定と会社法法務士は、どちらを先に取るべきですか?
会社法の実務に直結する知識を深めたいなら会社法法務士、法律実務の全体を広く学び、求人で名前が出やすい資格を持ちたいなら、ビジネス実務法務検定2級以上が選択肢です。会社法を使う総務・法務の仕事を目指しているなら、両方を組み合わせることもできます。直前の総仕上げには直前ノートもご活用ください。
- 資格の更新は必要ですか?
認定カードには2年の有効期限があり、更新するには更新チェックテスト(約10分・オンライン)の受講と更新料(3,300円・税込)が必要です。期限が過ぎても認定が失効するわけではなく、証書は履歴書に書けると協会が案内しています。詳細は協会の最新の案内で確認してください。
まとめ:あなたの次の一手
会社法法務士は、総務・法務・経営企画などで会社法に関わる実務を経験した人が、知識を体系的に学び、第三者の試験で裏づけられる資格です。一方で、民間の認定試験であり、業務独占資格ではありません。求人も資格名より実務経験を重視するため、資格単体で採用が決まるわけではありません。
あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。
参考