資格×転職
PRイベント業務管理士は転職に有利?1級・2級の違いと求人での評価、活かせる人・活かせない人
「イベント業務管理士を取れば、イベント業界への転職で有利になるのかな」
「1級と2級のどちらを目指すべきか、そもそも自分に受験資格があるのかも分からない」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、イベント業務管理士は、イベントの企画・制作・運営の実務経験がある人が、現場を管理できることを示す資格です。イベント会社、会場の装飾・施工会社、イベントを内製する企業の求人で、歓迎資格や手当・取得支援の対象として名前が出ています。
一方で、実務経験が受験の条件なので、未経験から資格だけで入る資格ではありません。求人で必須にしているものも、確認できた範囲では見つかりませんでした。資格は、経験を裏づけて評価を上乗せする材料です。
この記事では、主催団体の公式情報と実際の求人をもとに、2級と1級の違い、求人での扱われ方、勉強の進め方を解説します。
結論:イベント業務管理士は転職に有利?
結論は「イベントの実務経験と組み合わせると有利、資格単体では弱い」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 転職での有利さ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 実務2年以上 + 2級あり |
○ 歓迎資格や手当の対象として評価されやすい | 資格を評価する会社を探す |
| 実務5年以上 + 1級あり |
◎ 責任者クラスの求人で、経験の裏づけになる | 担当した案件の規模と役割まで書いて応募する |
| 実務2年以上 + 資格なし |
△〜○ 取得すれば経験の裏づけになる | 2級の試験に向けて準備する |
| 実務2年未満 (または未経験) |
× 受験資格がない | 実務を積める職場を探す |
2級は実務2年以上、1級は2級の登録者で実務5年以上が受験の条件です。「経験ゼロの人が資格だけ取って転職する」という使い方はできません。
イベント業務管理士とは?1分でわかる基本情報
イベント業務管理士は、一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)が認定する民間資格です。1級はイベントディレクターを想定した、企画・制作・運営の高度な専門スキルの認定、2級は実務経験2年以上を想定した、企画から制作までの実務知識の認定と位置づけられています。
国家資格ではありません。1994年度に通商産業大臣認定の資格として始まり、1999年度から協会の認定に変わりました。経済産業省の後援を受けていますが、協会は「個々の資格保有者の能力を経済産業省が保証するものではありません」と明記しています。資格保有者の職能団体として日本イベント業務管理士協会(JEDIS)もありますが、試験と登録を行うのはJACEです。
2026年度の試験概要(1級・2級)
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 受験資格 | イベントの実務経験2年以上(アルバイト経験も含む) | イベント業務管理士2級の登録者で、実務経験5年以上(アルバイト経験も含む)。事前の「受験資格申請」を通過した人 |
| 試験方法 | CBT方式(全国のテストセンターでパソコンを使う)。択一100問 | CBT方式。記述式(論述)全9題 |
| 試験時間 | 120分 | 120分 |
| 合格基準 | 70点以上(1問1点・100点満点) | 非公表 |
| 受験料(税込) | 一般16,500円/会員14,850円 | 一般22,000円/会員19,800円 |
| 試験期間 | 前期(7月)と後期(2026年11月1日〜30日、受付は9月2日〜11月27日) | 2027年1月15日〜1月31日(受験資格申請は11月13日〜2027年1月25日、試験申込は11月13日〜1月28日) |
| 登録料(税込) | 11,000円 | 14,300円 |
| 資格の有効期間 | 3年ごとに更新 | 3年ごとに更新 |
出典:JACE イベント業務管理士資格試験、2級試験の詳細、1級試験の詳細 (2026年10月3日確認) ※会員料金は、JACEの会員(2級は正会員・準会員・賛助会員、1級は正会員・賛助会員)の会社・団体・学校にお勤めの方が対象です。受験前に必ず協会の最新の案内を確認してください。
出題の元は、2級・1級とも「新版イベント業務管理士1級・2級共通公式テキスト」(4,620円・税込、送料は1件550円)です。2級の受験資格は2026年度から実務3年以上が2年以上に短縮されたため、古い解説記事の「3年以上」には注意してください。2級から1級まで順に取る場合、受験料と登録料の合計は63,800円(一般料金)です。
実務経験として数えられるもの・数えられないもの
協会が実務経験として認めているのは、企業・官公庁・特別の法律で設立された法人、または自営業主として、次のイベント担当の業務に就いた経験です。
- イベントの企画・制作の発注に関する業務
- イベントの企画・プロデュースに関する業務
- イベントの制作・実施運営に関する業務
歌手・俳優・司会者などの出演業務や、物品販売、湯茶接待、床養生、椅子配置、資料複写などの労務、冠婚葬祭、選挙運動、旅行・ホテルのみの手配は、イベント実務に当たらないとされています。設営・運営スタッフとして長く働いていても、床養生や椅子配置といった労務だけだと数えられない点に注意してください。同じ時期に複数のイベントを担当しても、重なった期間は足せません。アルバイトの経験は含められます。
出典:JACE 2級試験の詳細(よくあるご質問) (2026年10月3日確認)
合格率は2級が約5割〜6割台、1級は年度でばらつきがある
| 年度 | 2級の受験者数・合格率 | 1級の受験者数・合格率 |
|---|---|---|
| 2023年度 | 280人・64.3%(180人合格) | 60人・21.7%(13人合格) |
| 2024年度 | 324人・62.6%(203人合格) | 64人・57.8%(37人合格) |
| 2025年度 | 374人・49.7%(186人合格) | 57人・64.9%(37人合格) |
出典:JACE 2級試験の詳細(よくあるご質問)の「合格率」「受験者数」 (2026年10月3日確認)
1級は、2級の登録と5年以上の実務を満たし、資格申請を通った人だけが受ける試験なので、数字だけで「やさしい」とは言えません。2023年度は21.7%で、合格基準も公表されていないため、記述の答案で何を書けば評価されるかを意識した準備が必要です。
合格後は「登録」で資格が付与される
試験に合格しただけでは資格は付与されません。協会のホームページで登録手続きをしてはじめて、「イベント業務管理士1級」「イベント業務管理士2級」の資格が付与されます。名刺には呼称と8桁の登録番号を載せられます。有効期間は3年で、3年ごとの更新手続き(登録料と同額)が必要です。1級を取得した後は、2級の更新は不要になります。
転職でイベント業務管理士が評価される理由
資格名が書かれた求人でも、必須ではなく「歓迎」や手当・取得支援が中心
求人ボックスで「イベント業務管理士」を含む言葉で検索し、上位に出た求人を開いて本文に資格名があるかを確認しました。資格名が書かれていた求人は6件(同じ職務の重複掲載を除く)で、会社は装飾・施工会社、演出・空間づくりの会社、商業施設の催事を企画する会社、食品メーカーのイベント部門でした。この6件は、記事を書くために開いて確認できた範囲で、市場全体の件数ではありません。
書かれ方は、5件が「歓迎資格」または「資格取得支援・取得後の資格手当」、1件が「有資格者の給与区分」でした。必須条件にしていた求人は、6件のうち1件もありません。採用の条件ではなく、経験のある人を後押しする材料という位置づけです。
たとえば、イベントのディスプレイの施工管理の求人では、必須は「内装やイベントの施工管理経験」で、歓迎に「各種施工管理技士」「イベント業務管理士」が並んでいます。資格より先に、現場の経験が見られています。
出典:株式会社エクス・アドメディアの求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)
級は書き分けず、責任者クラスは経験年数が条件になっている
6件はいずれも、「1級」「2級」を区別せず「イベント業務管理士」とだけ書いていました。2級でも「持っている」と書けますが、1級が優遇されるとは断定できません。
責任者クラスの求人では、経験年数そのものが条件です。食品メーカーのイベント部門でプロジェクトリーダーを募集する求人は、必須が「イベントの企画・運営経験5年以上」で、歓迎に「イベント業務管理士」「PMP」「防火・防災管理者資格」が並び、想定年収は600万〜804万円です(管理監督者のため残業手当なし)。1級の受験資格と同じ5年以上の経験を求めるポジションです。
出典:株式会社大泉工場の求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)
有資格者の給与区分を分ける会社もあるが、手当の金額は書かれていない
大阪のイベント会社の求人では、イベントプランナーの給与が、未経験者は月給25万〜50万円、有資格者(イベント業務管理士と一定の業務経験、建築系の業務管理士、設計系の資格をお持ちの方)は月給35万〜50万円と書かれています。下限が10万円高く設定されていますが、有資格者には「一定の業務経験」も条件で、建築系・設計系の資格も含まれます。
出典:株式会社レブ・クリエイトの求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認。掲載終了予定日は2026年10月22日)
一方、「第3種冷凍機械責任者、第2種電気工事士、イベント業務管理士等の資格取得支援制度あり。取得後資格手当支給」と書く求人(イベントの設備施工・遊具メンテナンス)でも、手当の金額は書かれていません。確認した6件のどれにも、金額は載っていませんでした。手当の有無と金額は、応募前に会社へ確認する項目です。
出典:株式会社ワックの求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)
当日の進行・安全・リスク管理を学んだ証明になる
試験の範囲が現場の管理そのものだからです。2級・1級とも、公式テキストの4つの章から出題されます。
- 第1章:イベント概論(イベントとマーケティング、イベントの4大管理など)
- 第2章:イベントの企画と演出(企画書づくりとプレゼンテーション、告知・集客など)
- 第3章:イベントの制作と運営(制作推進、会場の設営・施工、運営など)
- 第4章:イベントマネジメント(プロジェクトマネジメント、リスクマネジメント、コンプライアンスと関連法規)
求人の仕事内容にも、「当日の進行・品質・リスクマネジメント」「来場者数の集計・効果測定」「施工計画・施工管理」が並びます。経験に頼りがちな現場の管理を、体系的に学んだ人だと示せるのが、この資格の使いどころです。
出典:JACE 2級試験の詳細(試験内容)、株式会社一旗の求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)
イベント業務管理士が転職で有利にならないケース
ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。
(1)実務経験が足りず、受験資格がない場合
2級は実務2年以上が条件なので、未経験の人は受験できません。先に、イベントの企画・制作・運営に関わる仕事で実務を積む必要があります。商業施設の催事の企画営業の求人には、「未経験入社率100%」「前職は飲食や工場や病院」と書いているものがあり、資格がなくても入口は開かれています。そこから実務に入り、2年後に2級を受けるのが現実的な順番です。
出典:有限会社コスモ企画の求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)
(2)資格より、制作の経験や担当した案件が見られる職種に応募する場合
プロジェクションマッピングなどの演出ディレクターの求人では、歓迎に「イベント業務管理士・総合旅行業務取扱管理者・PRプランナー等の資格」とあるものの、並ぶ歓迎条件の中心は「イベント・展示会の制作・運営経験」「クライアント折衝の経験」「補助金・助成金申請の経験」です。この場合は、資格を書くだけでなく、担当した案件の規模と、自分が何を決めたかを職務経歴書で示す必要があります。
出典:株式会社一旗の求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)
(3)登録・更新をしていない場合
合格しても登録しなければ資格は付与されず、有効期間は3年で切れます。履歴書に書く前に、登録番号と有効期限を確認しておきましょう。
(4)施工・設備に近い仕事で、現場の資格が並んで評価される場合
設備施工の求人では、イベント業務管理士が、第3種冷凍機械責任者や第2種電気工事士と並ぶ取得支援の対象の1つでした。ディスプレイの施工管理の求人でも、歓迎資格に「各種施工管理技士」が並んでいます。施工寄りの仕事を狙うなら、施工管理技士など現場で使う資格もあわせて検討してください。
とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。経験とセットで見せれば、ほかの応募者との差になる資格だということです。次の章で、経験別の活かし方を見ていきます。
【経験別】あなたの場合、イベント業務管理士は武器になる?
イベント会社・広告代理店などで企画・制作に就いている人は、2級が実務の裏づけになる
イベント会社の制作・運営担当や、広告代理店でイベントを手がける担当者は、実務2年以上を満たしていることが多く、すぐに2級を目指せます。協会によると、受験者には広告代理店の人、イベントの企画会社の人、企業でイベントを担当する人のほか、行政・団体・主催者の人も多いそうです。
企画書づくりから制作・運営、リスク管理まで一通りの管理を学んだと示せ、会社によっては取得支援や資格手当の対象になります。今の会社で資格が評価されない、手当も付かない場合は、資格を評価する会社に移る選択肢もあります。それは求人票だけでは見分けにくいため、イベント会社や広告会社の求人を多く持つ転職エージェントに、資格手当の有無や、入社後に任される役割まで確認してから応募するのが確実です。
設営・運営スタッフ(アルバイト・派遣)から正社員を目指す人は、実務年数の数え方を先に確認する
現場に入っている人は、実務に数えられる業務と数えられない業務がある点が最初の壁です。担当した役割を書き出して、企画・制作の発注、企画・プロデュース、制作・実施運営のどれに当たるかを整理しましょう。進行管理や協力会社との調整、当日の人員配置を任されたことがあるなら、実施運営として数えられる可能性があります。迷う場合は、申込前に協会へ問い合わせてください。
2級を登録済みで実務5年以上の人は、1級で責任者クラスの書類の説得力を高められる
2級の登録者で実務が5年以上になった人は、1級を受験できます。責任者・リーダー候補の求人には、「イベントの企画・運営経験5年以上」を応募条件にして、歓迎資格にイベント業務管理士を挙げている例があります。1級の取得を機に、担当した案件の規模・予算・来場者数と、自分が決めた役割を整理し、責任者クラスの求人を探してみましょう。ただし、求人は1級・2級を分けて書かないことが多く、「1級だけが優遇される」と考えるのは早計です。
企業のイベント担当として制作会社に発注する人は、発注業務も実務に数えられる
企業のイベント担当部門で、イベントの制作を制作会社へ発注する業務をしている人も、実務に数えられます。販促・宣伝部門がイベントを担当している場合は、協会の定義に当たるかを申込前に確認してください。企画書の見方や、リスク管理の知識は、発注側として制作会社と対等に話すときにも役立ちます。食品メーカーのイベント部門のように、自社でイベントを企画・運営する求人では、歓迎資格に挙がっていました。
実務未経験の人は、資格より先に実務に入る
実務経験がない人は、イベント業務管理士を受験できません。同じ協会が、実務経験を問わない「イベント検定」(イベント検定・スポーツイベント検定・ユニバーサルイベント検定の3種類)を実施しているので、基礎から学びたい人はそちらから始める方法もあります。そのうえで、応募する求人が未経験を対象にしているかを確認し、イベントのどの業務に携わりたいのかを面接で具体的に伝えましょう。
イベント業務管理士を活かせる仕事と年収の目安
| 仕事 | 主な内容 | 資格の効き方 | 年収・給与の目安(求人記載) |
|---|---|---|---|
| イベントプランナー | 装飾・空間・台本の企画提案、納品物のディレクション | ○ 有資格者の給与区分がある会社もある | 未経験者の月給25万〜50万円、有資格者の月給35万〜50万円(賞与年2回) |
| イベント・演出のディレクター | 演出、体験導線、進行、クライアント折衝 | ○ 歓迎資格の1つ | 月給25.28万円〜、想定年収404万円〜(年収モデルは約516万円・時間外月28時間の場合) |
| 商業施設の催事の企画営業 | 催事の企画・提案・運営、1人で3〜4店舗を担当 | ○ 歓迎に資格保持 | 月給18万〜30万円、年収例は1年目310万円・3年目370万円・5年目(リーダー)450万円 |
| ディスプレイの施工管理 | 計画立案、進行・品質・安全管理、顧客対応 | ○ 歓迎資格の1つ(必須は施工管理経験) | 月給34万〜40.0273万円(みなし残業45時間分を含む) |
| イベント設備の施工・管理 | スケートリンクや遊具空間の施工、設備管理 | ○ 取得支援・取得後の資格手当 | チーフ・マネージャーのモデル給与で月給25.5万〜42.3万円、想定年収380万〜580万円 |
| 企業内のイベント責任者 | 年間計画、企画、運営フローの標準化、効果測定 | ○ 歓迎資格の1つ(必須は5年以上の経験) | 年収600万〜804万円(管理監督者のため残業手当なし) |
出典:各求人(求人ボックス)。レブ・クリエイト、一旗、コスモ企画、エクス・アドメディア、ワック、大泉工場 (2026年10月3日確認。年収・給与は会社・地域・経験・残業の扱いで大きく変わります。資格を持つ人の平均年収ではありません)
参考までに、ハイクラス向けのJAC Recruitmentは、自社の2023年1月〜2025年9月の実績で、イベントプランナーの想定平均年収を約712.9万円(メンバークラス約658.9万円、管理職約875.0万円)としています。同社が紹介した求人の実績にもとづく数字で、資格保有者の年収ではありません。同社のページは、イベントプランナーへの転職で有利になる資格の1つに、イベント業務管理士を挙げています。
出典:JAC Recruitment イベントプランナーの転職 (2026年10月3日確認)
あわせて取得すると強い資格
PMP(プロジェクトマネジメント)
複数のイベントを同時に進め、社内外と調整する力は、求人でも重視されています。JAC Recruitmentのページでは、イベント業務管理士とあわせて有利な資格に挙がり、食品メーカーのイベント部門の求人でも歓迎資格に並んでいました。イベント業務管理士が「イベントの現場の管理」を示す資格なら、PMPは「プロジェクト全体の進め方」を示す資格で、役割が補い合います。
防火管理者・防災管理者
大型のイベントでは、来場者の安全や避難の管理が欠かせません。食品メーカーのイベント部門の求人では、歓迎資格に防火・防災管理者の資格が並んでいました。イベント業務管理士のリスクマネジメントの学びと重なる内容を、法律上の資格として示せます。
施工管理技士
装飾・ディスプレイ・設営の施工管理の求人では、歓迎資格に「各種施工管理技士」が書かれていました。施工寄りの職種に進みたい人は、現場で使う国家資格をあわせて取ると、応募できる求人が広がります。
イベント業務管理士に最短で合格するには
公式テキストを軸に、2級と1級で対策を分ける
出題の元は、2級・1級とも公式テキストの1冊です。協会は、過去の試験問題を公表していません。そのため、テキストを読み込んだうえで、問題演習の手段を自分で用意する必要があります。協会はオンデマンドの試験対策セミナー(一般27,500円・会員24,750円、2級と1級で別開催)も実施しています。まず、4つの章を通して読むところから始めましょう。
2級対策:100問・120分の択一を、○×で素早く判断できるまで仕上げる
2級は100問を120分で解く択一式で、70点以上が合格です。4章にわたる幅広い範囲から出題されるので、全部を同じ深さで勉強すると時間が足りなくなります。
- 公式テキストを1周して、章ごとの全体像をつかむ
- ○×で素早く判断できるかを確認し、迷う論点だけをテキストに戻って確認する
- 法令やリスク管理のように、知らないと答えられない項目を重点的に仕上げる
復習では、正解したかだけでなく、なぜそうなるかを説明できるかまで確認しましょう。
noteのページ「【イベント業務管理士】2級の出るとこだけ○×300問!2026年度版」は、2級の○×300問です。イベント概論、イベントマーケティングと4大管理、企画・企画書、プレゼンテーションと演出、告知・広報・集客、制作推進、会場設営・施工・運営、プロジェクト・リスクマネジメント、コンプライアンス・法規の9章に分かれ、問題サンプルも付いています。協会が過去問を公表していないなかで、知識を○×で素早く確認する用途に向きます。
1級対策:200〜250字と400〜450字の記述を、120分で書く練習をする
1級は記述式で、全9題を120分で解きます。1問目から4問目は、それぞれ3題から2題を選んで200〜250字程度、5問目は一般問題の3題から1題を選んで400〜450字程度で書きます。答案の合計は2,000字を超える分量なので、知識だけでなく、時間内に書き切る練習が必要です。
- 1問ごとに「結論→理由→具体例」の順で、字数に収める
- 3題から、書ける題を素早く見分ける
- 一般問題(5問目)は、自分の実務経験を使って答えられるように準備する
合格基準は公表されていないため、論点を落とさず、指定の字数で答える練習を積み上げましょう。
noteのページ「【イベント業務管理士】1級 記述式 実戦模試3回分(15題×3回・全45題)!2026年度版」は、1回15題から9題を選んで120分で書く、本番と同じ形式の模試です。答案例(字数つき)と論点のポイントが付き、無料サンプルもあります。本番の時間配分と字数の感覚を確かめる用途に向きます。
イベント業務管理士を活かして転職を成功させる進め方
資格が評価される求人を探す
求人検索では「イベント業務管理士」だけでなく、「イベントプランナー」「イベントディレクター」「展示会 運営」「空間演出」「施工管理 イベント」「催事 企画」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、イベントの企画・進行・安全管理を求めている求人は多くあります。JACEのサイトには、経験者向けに、JACE会員社のキャリア採用情報を載せた「ジョブチャレンジ情報掲示板」もあります。
職務経歴書で資格と経験をつなげる
「イベント業務管理士2級 取得」と書くだけでは伝わりません。担当した案件と自分の役割を、数字を入れて具体的に書きましょう。
(記入例)来場者約3,000人の展示会で、会場設営の工程表を作成し、協力会社8社の進行を調整。当日の安全管理の責任者として、動線の見直しと人員配置を行い、開場の遅れなく運営した。
リスクマネジメントやプロジェクトマネジメントの知識を、どの場面で使ったのかを書くと、資格が経験の裏づけになります。登録番号と級も、書き忘れないようにしましょう。
転職エージェントを味方につける
ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして、イベント業務管理士を持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。
理由はシンプルで、この資格の価値は求人票に書かれにくく、自分1人で伝えても条件に反映されにくいからです。確認した求人でも、資格手当の金額は書かれていませんでした。
転職エージェントを使うメリットは?
求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
年収や資格手当の条件を相談できる
「資格手当はいくら付きますか」「みなし残業は何時間分ですか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントは企業との間に入り、条件を確認してくれます。「大規模イベントの進行管理を担当し、イベント業務管理士を持っている」という強みを、企業が評価しやすい形で伝えてもらえます。
希望に合う求人を紹介してもらえる
「企画の仕事に関わりたい」「現場より管理側に回りたい」「年収は今より上げたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。
入社前に職場の実情を確認できる
イベントの仕事は、土日祝や深夜の勤務、出張が入ることがあります。実際の求人にも、土日祝や深夜を含む準備と本番の勤務、国内・海外出張が条件として書かれていました。繁忙期の残業時間や休日の取りやすさ、資格手当が本当に付くかを、応募前に確認できます。
書類や面接の対策をしてもらえる
担当した案件の規模や役割を職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接で進行管理やリスク対応の経験をどう伝えればいいかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。
面接の日程調整を任せられる
面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、現場の繁忙期でも、今の仕事を続けながら転職活動を進められます。
さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 資格を取ったのに、今の会社では手当も評価も変わらない
- 現場の実務ばかりで、企画や管理の仕事に移りたい
- 繁忙期の残業や休日出勤が続いて、働き方を変えたい
- 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格ならどんな求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| マスメディアン(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(広告・クリエイティブ・マーケティング) | 広告会社、SP・イベント会社、制作会社などの求人を、マーケティング・クリエイティブ職に特化して紹介 | イベント会社や広告会社で、企画・プランナー・ディレクターの仕事を探す人 |
| JAC Recruitment |
特化型(ハイクラス) | ハイクラス転職に特化し、業界・領域ごとの専門コンサルタントが支援 | 1級や、管理職・責任者クラスへのステップアップを考える経験者 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 求人数が多く、業界・職種をまたいで幅広く比較できる | 企業内のイベント部門や、業界外も含めて選びたい人 |
迷ったら、業界特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。
よくある質問
- イベント業務管理士は意味ない資格ですか?
業界外への転職では評価されにくいですが、イベント会社、装飾・施工会社、企業のイベント部門では、歓迎資格や手当・取得支援の対象として名前が出ています。経験とセットで見せることで意味のある資格です。必須にしている求人は、確認できた範囲ではありませんでした。
- 国家資格ですか?
民間資格で、JACEが認定しています。求人や解説サイトで「国家資格」「公的資格」と書かれていることがありますが、協会は民間資格と案内しています。
- 未経験でも受験できますか?
受験できません。2級はイベントの実務経験2年以上(アルバイト含む)、1級は2級の登録者で実務経験5年以上が条件です。実務経験を問わない検定としては、JACEの「イベント検定」があります。
- 2級を飛ばして1級を受けられますか?
受けられません。1級は、2級に合格して登録している人のうち、実務経験5年以上で、事前の「受験資格申請」を通過した人が対象です。
- 過去問は手に入りますか?
協会は過去の試験問題を公表していません。出題の元は公式テキスト1冊なので、テキストを軸に学び、問題演習は別の手段で補います。2級の○×300問や1級の記述式の実戦模試など、直前ノートもご活用ください。
まとめ:あなたの次の一手
イベント業務管理士は、イベントの企画・制作・運営の実務経験がある人にとって、現場の管理を体系的に学んだ人材だと示せる資格です。一方で、実務経験が受験の条件で、求人でも必須にされている例が見当たらないため、資格単体で採用が決まるわけではありません。
あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。
参考