【2026年最新版】FP1級は転職に有利?求人での評価と活かせる人・活かせない人

「FP1級まで取れば、転職で有利になるのかな」 「学科の合格率が1割台と聞くけれど、そこまで頑張る価値はあるのだろうか」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、FP1級は、銀行・証券・保険などでお客さまの資産の相談をしてきた人が、富裕層担当や相続・事業承継の仕事へ移るときに強い裏づけになる資格です。銀行のウェルスマネジメント部門や事業承継の求人では「FP1級またはCFP®」が歓迎条件に書かれ、保険代理店や住宅・不動産会社には、FP1級に4,000〜20,000円の資格手当を付ける例があります。

一方で、FP1級を必須にしている求人は見当たらず、採用条件の中心は実務経験です。また、1級は2級に合格しただけでは受けられず、FPの実務経験が必要です。

この記事では、金融財政事情研究会(金財)と日本FP協会の公表データと、実際の求人の募集条件をもとに、FP1級が転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:FP1級は転職に有利?

結論は**「金融の相談実務と組み合わせると有利。資格だけでは決め手にならない」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
銀行・証券・保険で資産の相談経験あり
+
FP1級あり
◎ 富裕層担当・相続・事業承継の求人で評価されやすい 担当した顧客層と提案の中身を職務経歴書に書く
銀行・証券・保険で資産の相談経験あり
+
2級まで
○ 1級を取れば専門性の裏づけになる 受検資格を確認し、次の学科試験に申し込む
金融の実務経験なし
+
2級まで(1級を目指している)
△ 1級の受検資格がまだない可能性が高い まず金融・保険・不動産の相談の仕事で経験を積む

FP1級の学科試験は、2級に合格していてもFP業務の実務経験が1年以上ないと受けられません。「未経験のまま1級だけ取って転職する」という道は、制度上ほとんど用意されていないと考えてください。

FP1級とは?1分でわかる基本情報

FP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能検定)は、職業能力開発促進法にもとづく国家検定です。合格すると「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」を名乗れます。資格は一度取得すれば一生有効で、更新手続はありません。

1級は学科試験と実技試験の両方に合格すると総合合格になります。学科試験は金財だけが実施し、実技試験は金財の「資産相談業務」と日本FP協会の「資産設計提案業務」のどちらかを選びます。

2026年度試験の概要

項目 学科試験 実技試験(金財) 実技試験(日本FP協会)
実施団体 金融財政事情研究会 金融財政事情研究会 日本FP協会
科目名 ― 資産相談業務 資産設計提案業務
形式 基礎編:四答択一50問(150分)
応用編:記述式・事例形式5題(150分)
口頭試問(面接2回・各約12分) 筆記・記述式2題(20問)、120分
合格基準 基礎編・応用編の合計200点満点で120点以上 200点満点で120点以上 100点満点で60点以上
受検手数料(非課税) 8,900円 28,000円 20,000円
実施回数 年3回(5月・9月・1月) 年3回(6月・9月〜10月・2月) 年1回(9月)
受検地 全国58地域 東京・名古屋・大阪・岡山・福岡 札幌・東京・大阪・那覇など14地域

出題範囲は学科・実技とも、ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野です。

これから受けられる日程

試験 試験日 受検申請期間 合格発表
学科(金財) 2027年1月24日(日) 2026年10月28日〜12月1日 2027年3月5日(予定)
実技(金財・資産相談業務) 2027年2月上旬〜中旬(受検地で異なる) 2026年11月中旬〜12月中旬 2027年3月15日(予定)
実技(日本FP協会・資産設計提案業務) 2027年9月12日(日) 2027年7月15日〜8月5日 2027年11月2日

2027年1月の学科試験は、2026年10月1日時点で施行されている法令が出題の基準です。金財の2027年2月実技は、具体的な試験日と申請期間がまだ日単位で公表されていません(2026年10月1日確認)。

出典:金融財政事情研究会 2026年度試験日程、1級学科 試験要綱、1級実技 試験要綱、法令基準日、日本FP協会 1級試験要綱、日本FP協会 試験日程 (2026年10月1日確認) ※受検前に必ず各団体の最新の試験要綱を確認してください。

受検資格:2級に合格しただけでは受けられない

学科試験を受けるには、次のいずれか1つに当てはまる必要があります。

  • 2級に合格していて、FP業務の実務経験が1年以上ある
  • FP業務の実務経験が5年以上ある
  • 金融渉外技能審査2級に合格していて、実務経験が1年以上ある

「1年以上の実務経験」は、2級の合格の前でも後でも構いません。金財は、銀行・保険会社・証券会社などの金融機関に勤める人、保険代理店の職員、顧客の資産にかかわる士業や会計事務所の職員、不動産会社で取引や相談をしている人などを、おおむね実務経験がある人の例に挙げています。申請は自己申告制で、第三者の証明はいりません。

出典:金融財政事情研究会 受検資格、実務経験について

学科を免除して実技から受けられる人がいる

実技試験は原則として学科試験の合格者が受けます。学科に合格すると一部合格となり、合格した年度の翌々年度末まで実技を受けられます。

学科を受けずに実技へ進めるのは、次のような人です。

  • 日本FP協会のCFP®認定者(認定が有効な間は期限なし)
  • CFP®資格審査試験の全6課目に合格した人(合格日の翌々年度末まで)
  • 金財の「FP養成コース」を修了し、実務経験が1年以上ある人(修了日の翌々年度末まで)

免除は自動ではありません。受検申請のときに免除申請をしないと、実技に合格しても一部合格のままで、合格証書が出ないので注意してください。なお、日本FP協会の実技は「2級合格と実務経験」だけでは受けられず、金財の学科合格などが必要です。

出典:金融財政事情研究会 試験の免除申請、日本FP協会 1級試験要綱

実技は「金財の面接」と「FP協会の筆記」で準備が違う

同じ1級の実技でも、試験の形はまったく違います。

  • 金財「資産相談業務」:面接で答える
    面接開始の約15分前に設例課題を渡され、複数の審査委員と対面で約12分の口述試験を2回受けます。顧客のニーズや問題点をつかみ、関連業法と倫理を踏まえて、解決策を相手にわかりやすく説明できるかが見られます。
  • 日本FP協会「資産設計提案業務」:紙に書いて答える
    2題20問を120分で解く筆記試験です。記述式で、択一・語群選択・空欄記入・論述の形式を含みます。

お客さまに口頭で説明するのが得意なら面接、時間をかけて計算や文章で答えるほうが得意なら筆記、と自分の得意な答え方で選ぶとよいでしょう。ただし、FP協会の実技は年1回(9月)なので、学科に合格した時期によっては金財の実技のほうが早く受けられます。

合格率:学科は1割台、実技は8割前後

試験 実施 受検者数 合格者数 合格率
学科(金財) 2025年9月 3,764人 580人 15.40%
学科(金財) 2026年1月 4,338人 543人 12.51%
学科(金財) 2026年5月 3,488人 433人 12.41%
実技(金財・資産相談業務) 2025年9月・10月 558人 485人 86.91%
実技(金財・資産相談業務) 2026年2月 715人 620人 86.71%
実技(金財・資産相談業務) 2026年6月 703人 593人 84.35%
実技(FP協会・資産設計提案業務) 2024年9月 1,333人 1,099人 82.44%
実技(FP協会・資産設計提案業務) 2025年9月 1,338人 1,012人 75.63%

2026年9月の学科(合格発表2026年10月27日予定)と、FP協会の2026年9月実技(結果発表2026年11月12日)の結果は、まだ公表されていません。最大の関門は学科試験で、受検者のおよそ8人に1人しか通っていません。

出典:金融財政事情研究会 試験結果(2025年9月学科、2026年1月学科、2026年5月学科、2025年9月・10月実技、2026年2月実技、2026年6月実技)、日本FP協会 試験結果データ

CFP®との違い

FP1級とよく比べられるのが、日本FP協会が認定するCFP®です。どちらも上級のFP資格ですが、性格が違います。

項目 FP1級(1級FP技能士) CFP®
種類 国家検定(技能士) 日本FP協会が認定する民間資格(国際資格)
受験の入口 2級合格+実務経験1年以上など AFP認定者であること
試験 学科(基礎編・応用編)+実技 6課目(各50問・四肢択一・120分)。1課目ずつ合格を積み上げられる
受験料 学科8,900円+実技20,000円または28,000円 1課目6,600円(2課目以上は1課目ごとに3,300円加算)
認定までの条件 学科・実技に合格すれば技能士 6課目合格+CFP®エントリー研修+通算3年以上の実務経験+登録
更新 なし(一生有効) 2年ごとに継続教育が必要
人数 金財の資産相談業務の合格者累計35,023人(2002年度〜、2026年7月9日現在) 約2.8万人(2026年3月現在)

CFP®認定者やCFP®試験の全課目合格者は、FP1級の学科が免除されます。そのため、CFP®を取ってから実技だけ受けてFP1級も持つという進み方もあります。今回開いた銀行や不動産会社の求人でも「CFPまたはFP1級」と並べて書かれ、資格手当も同じ額にしている例がありました。転職の場面では、ほぼ同じ水準として扱われています。

出典:日本FP協会 CFP®資格審査試験、CFP®認定者になるには、FPの資格と検定の種類、金財 技能士資格取得状況、金財 よくあるご質問

転職でFP1級が評価される理由

富裕層担当・事業承継の求人で歓迎条件に挙がる

リクルートエージェントで「fp1級 求人」と検索すると409件が表示されました(2026年10月1日時点)。上位の求人を開くと、FP1級は「必須」ではなく、「歓迎」「尚可」や資格手当の欄に書かれているものが中心でした。銀行・証券では次のような求人です。

  • 三菱UFJ銀行「ウェルスマネジメント部門 オープンポジション」:資産承継・事業承継などの経験が必須で、尚可に「CFPまたはFP1級資格を有する、もしくは同等以上の知識がある方」
  • 三菱UFJ銀行(長崎)「ウェルスマネジメント担当」:金融業界での営業経験3年以上が必須で、「CFPまたはFP1級資格未取得の場合は、取得をめざす意欲のある方」
  • 岩手銀行「事業承継コンサルタント」:相続・事業承継支援の実務経験(目安3年以上)が必須で、歓迎に「FP1級、税理士資格(科目合格含む)」
  • 南都銀行「信託業務プロフェッショナル」:信託業務の経験が必須で、歓迎に「FP1級、証券外務員1種、宅地建物取引士」

どの求人も、まず実務経験を求め、そのうえでFP1級を評価しています。FP1級は経験の代わりではなく、経験に厚みを足す資格です。

資格手当の対象にしている会社がある

保険代理店・証券・不動産の求人には、FP1級を資格手当の対象にしている例があります。

  • フォーユー(大阪・保険プランナー):FP1級 月1万円(FP2級・証券外務員は5,000円)
  • 伊藤育興産(神戸・保険の提案営業):FP1級 7,000円(FP2級5,000円、FP3級3,000円)
  • ホームトレードセンター(不動産個人営業):CFP®・FP1級 2万円(AFP・FP2級は5,000円)
  • 嵩心(東広島・住宅営業):FP1級 月額4,000円
  • 中銀証券(資産運用アドバイザー):「難関資格手当(FP1級・証券アナリスト等)」あり(金額の記載なし)

「月額」と明記しているのはフォーユーと嵩心で、ほかの2社は求人票に金額だけが書かれています。金額は会社によって大きく違い、2級との差が2,000円の会社もあれば、1万5,000円開く会社もあります。手当額だけで受けるかを決めず、応募先の規定を確認しましょう。

出典:リクルートエージェント掲載の各求人(2026年10月1日確認。URLは参考欄)

相続・事業承継・不動産・税金を横断して説明できる人だと示せる

1級の学科応用編では、1人の顧客の設例をもとに、計算した数字や語句を答案用紙に書きます。たとえば2025年9月の試験では、障害年金と傷病手当金、投資信託の運用成績の評価、退職所得を含む所得税の計算、相続した実家の土地を売るときの譲渡所得の特例、小規模宅地等の特例を使った相続税の計算が出題されました。

富裕層や中小企業のオーナーの相談は、「相続税を減らしたい」「会社を子に継がせたい」「アパートを建てるべきか」と、複数の分野が絡みます。税理士や弁護士につなぐ前に、論点を整理して全体像を描ける人であることを、FP1級は第三者に示してくれます。

FP1級が転職で有利にならないケース

ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。

(1)お金の相談と関係のない仕事に転職する場合

評価されるのは、銀行・信用金庫・証券・保険・信託・不動産・税理士事務所など、個人や会社の資産を扱う仕事です。それ以外の職種では、勉強の努力は伝わっても、採用の判断材料にはなりにくいでしょう。

(2)資格はあっても相談の実績を語れない場合

求人の必須条件は「金融業界での営業経験3年以上」「事業承継支援の実務経験」など、経験です。1級を取っていても、何人のお客さまを担当し、どんな提案をしたかを説明できなければ、経験者との差は埋まりません。

(3)税金や法律の個別相談を仕事にしたい場合

FP技能士は「技能士」という名称を使える資格で、ほかの人ができない業務ができるようになる資格ではありません。個別の税務相談は税理士、法律事件の相談は弁護士など、関連する法律で資格者に限られた業務があります。FP1級を取っても、その線は変わりません。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。相談の経験とセットで見せれば、富裕層・相続の分野で他の応募者との差になる資格だということです。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。

出典:金財 技能士資格の表記方法、日本FP協会 FP業務に関連する法令などについて

【タイプ別】あなたの場合、FP1級は武器になる?

銀行・証券・保険の個人営業をしている人は、富裕層・相続の担当へ移る裏づけになる

もっとも有利になるのがこのタイプです。預かり資産の営業や保険の提案をしてきた人が、富裕層担当(ウェルスマネジメント)や遺言信託、事業承継の部署・会社へ移るとき、FP1級は「相続や事業承継まで理解している」ことの証明になります。

評価されやすいポイントは次の通りです。

  • 相続税・贈与税の試算を交えて、資産の残し方を提案できる
  • 会社オーナーの自社株や事業承継の論点を整理し、税理士などの専門家につなげる
  • 保険・運用・不動産を1つの提案書にまとめられる

一方で、資格手当の制度がない会社や、1級を取っても配属が変わらない会社もあります。その場合は、資格と経験を評価してくれる職場に移るのも選択肢です。

富裕層担当や事業承継の仕事は、担当する顧客の資産規模や成果の評価の仕方が、求人票だけではわかりにくいものです。金融業界に詳しい転職エージェントなら、そこまで確認してから応募できます。

2級を持ち、これから実務経験を積む人は、まず受検資格を満たすところから

2級に合格していても、FP業務の実務経験が1年に満たないと1級の学科は受けられません。金融機関・保険代理店・不動産会社などで相談業務に1年以上携われば、受検資格を満たせます。

この段階では、1級の勉強を先に始めるより、2級の知識を使って実際にお客さまの相談に乗る経験を積むほうが、転職でも受検でも近道です。2級を活かした転職の進め方は、FP技能検定の記事で解説しています。

独立系FPや相談専門の仕事を目指す人は、CFP®との組み合わせも考える

保険や金融商品を売らずに相談料で働くFPや、セミナー講師・執筆の仕事では、国家検定の1級に加えて、国際資格のCFP®を名乗れることが信頼につながる場面があります。日本FP協会はCFP®認定者の検索システムを公開しており、相談先を探す人がここから依頼することもあります。

ただし、CFP®は2年ごとの更新と継続教育が必要で、登録料や年会費もかかります。

FP1級を活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 年収の目安(求人記載)
銀行のウェルスマネジメント・財産コンサルタント 富裕層・オーナーの資産承継、事業承継、運用の提案 ◎ 尚可・歓迎条件に明記 想定年収600万〜1,500万円(三菱UFJ銀行、資産承継・事業承継の経験必須)
銀行の事業承継コンサルタント 経営者と事業承継プランを作る ◎ 歓迎条件に明記 想定年収600万〜1,040万円(岩手銀行、実務経験目安3年以上)
銀行の信託業務 遺言信託・遺産整理の提案 ○ 歓迎条件に明記 想定年収450万〜1,000万円(南都銀行、信託業務経験必須)
証券会社の資産運用アドバイザー 銀行と連携した資産運用の提案 ○ 難関資格手当の対象 想定年収600万〜700万円(中銀証券、リテール営業経験と証券外務員一種が必須)
保険代理店のプランナー 個人・法人の保険・資産運用の提案 ○ 資格手当 月1万円 想定年収350万〜630万円(フォーユー、金融業界の実務経験必須)
不動産会社の個人営業 住まい探しと資金計画の提案 ○ 資格手当 2万円 想定年収400万〜800万円(ホームトレードセンター、月給に固定残業代5万円〜を含む)

出典:リクルートエージェント掲載の各求人(2026年10月1日確認)。年収は会社・地域・経験・成果給で大きく変わります。

あわせて取得すると強い資格

CFP®

FP1級と並んで上級FPの証明になる資格です。独立や相談専門の仕事を目指すなら、国際資格として名乗れる価値があります。CFP®の試験に全課目合格すると、FP1級の学科が免除されます。

宅地建物取引士

不動産の売買・有効活用の相談では、宅建士の知識がそのまま使えます。南都銀行の信託業務の求人では、FP1級と並んで宅建士が歓迎資格に挙がっていました。

証券外務員一種

銀行・証券で投資信託や株式の提案をするなら、多くの職場で必要になる資格です。中銀証券の資産運用アドバイザーの求人では必須条件になっていました。

税理士(科目合格)

相続税法や法人税法などの科目合格は、事業承継・相続の仕事で強みになります。岩手銀行の事業承継コンサルタントの求人では「税理士資格(科目合格含む)」がFP1級と並んで歓迎されていました。

FP1級に最短で合格するには

学科は応用編の計算で崩れないことが合否を分ける

学科試験は、基礎編(四答択一50問)と応用編(記述式5題)の合計で120点以上なら合格です。どちらか片方に基準点があるわけではないので、得意なほうで点を稼げます。

つまずきやすいのは次の2点です。

  • 基礎編は出題の範囲が広い
    6分野から50問が出て、2級では見なかった細かい制度や数字が問われます。全部を同じ深さで覚えようとすると時間が足りません
  • 応用編は計算の途中で1か所間違えると連鎖する
    所得税額、譲渡所得、相続税額などを答案用紙に数字で書きます。前の設問の答えを踏まえて次を解く問題もあり、1つのミスが大きな失点になります

金財は過去の学科試験問題と模範解答を公開しています。2027年1月の試験は2026年10月1日時点の法令が基準なので、税制改正で数字が変わった論点は、手元の教材と照らして確認しておきましょう。

実技は受ける団体で練習の仕方を変える

  • 金財の面接:設例を15分で読み、問題点を3つほどに絞って話す練習をします。声に出して説明し、時間を計る練習が効果的です
  • FP協会の筆記:120分で20問を解き切る練習をします。論述は、問われたことに答える順番を決めてから書きます

直前期は○×で6分野を1周し、本番形式で時間配分を確かめる

試験前の1〜2か月は、新しい知識を増やすより、6分野の論点を素早く判断できるかを確かめることに集中するのが効率的です。

  • 1文ごとに正誤を判断する○×問題で6分野を1周し、迷った論点だけを深掘りする
  • 基礎編は、本番と同じ四答択一50問を150分で通して解く
  • FP協会の実技は、2題20問を120分で通して解き、計算と論述の時間の配分を決める

直前ノートでは、FP1級向けに次の3つのnoteのページを公開しています。どれも2026年9月試験(法令基準日2026年4月1日)に合わせた2026年度版で、問題サンプルを確認できます。

  • 学科の6分野を12章で回す「○×300問」
  • 学科・基礎編の「本番形式100問(四答択一50問×2回分)」
  • 日本FP協会の実技「資産設計提案業務 本番形式20問(2題・120分の予想模試1回分)」

FP1級を活かして転職を成功させる進め方

資格が評価される求人を探す

求人検索では「FP1級」だけでなく、「ウェルスマネジメント」「プライベートバンキング」「事業承継」「遺言信託」「資産承継」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、相続や事業承継の知識を求めている求人は多くあります。

職務経歴書で資格と経験をつなげる

「1級ファイナンシャル・プランニング技能士 取得」と書くだけでは伝わりません。「相続税の試算をもとに、生前贈与と生命保険を組み合わせた資産承継の提案を年◯件行った」「会社オーナーの自社株評価の論点を整理し、税理士と連携した」など、知識を使った場面と結果を具体的に書きましょう。名刺や履歴書には「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と、等級・正式名称・技能士の順で書きます。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、FP1級を持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。

理由はシンプルで、FP1級は求人票では「歓迎」の一行で済まされることが多く、入社後の担当や手当にどこまで反映されるかは、自分で求人票を読むだけではわからないからです。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や資格手当の条件を相談できる

「年収をもう少し上げてほしい」「1級の資格手当は付きますか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントは企業との間に入り、内定後の条件の調整をしてくれます。

「FP1級を持ち、預かり資産の営業で富裕層を担当してきた」という強みを、企業が評価しやすい形で伝えてくれるので、提示される条件が変わることがあります。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「富裕層の担当になりたい」「ノルマの重い販売より相談に時間を使いたい」「地元の銀行で事業承継の仕事をしたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。

入社前に職場の実情を確認できる

担当する顧客の資産規模、成果給と固定給の割合、税理士や信託部門との連携の仕方、資格手当が本当に付くのか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

相続や事業承継の提案経験を職務経歴書にどう書くか、面接で1級の知識をどう伝えればいいかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。

面接の日程調整を任せられる

面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでも転職活動を進められます。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • FP1級を取ったのに、今の会社では担当も手当も変わらない
  • 販売のノルマより、相続や資産承継の相談に時間を使いたい
  • 銀行・証券・保険の外で、富裕層や会社オーナーを担当する仕事を知りたい
  • 地元に戻って、地方銀行や信用金庫で経験を活かしたい
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験とFP1級ならどれくらいの年収の求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
マイナビ転職 金融エージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(金融) メガバンク・地銀・証券・生保出身のアドバイザーが担当。銀行・保険の求人特集がある 銀行・証券・保険の経験を活かして同じ業界で移りたい人
コトラ(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(金融・ハイクラス) 金融・コンサル・経営層の転職に特化。業界・業務に合わせたレジュメ添削と面接対策 富裕層担当・事業承継などの専門職で年収を上げたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 公開求人約80万件・非公開求人約29万件(2026年8月30日時点) 保険代理店や不動産会社も含めて広く比べたい人

迷ったら、金融の特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。

よくある質問

FP1級は2級を持っていればすぐ受けられますか?

受けられません。学科試験は、2級合格に加えてFP業務の実務経験が1年以上必要です(実務経験5年以上なら2級がなくても受けられます)。金融機関や保険代理店、不動産会社などで相談業務に携わっていれば、実務経験に当たることが多いです。

学科と実技は同じ日に受けられますか?

受けられません。実技は学科の合格者か、CFP®認定者などの学科免除者だけが受けられます。学科に合格してから、翌々年度末までに金財かFP協会の実技を受けます。

実技は金財とFP協会のどちらを選ぶべきですか?

人に説明するのが得意なら金財の面接(年3回)、計算と文章で答えるほうが得意ならFP協会の筆記(年1回・9月)が向いています。どちらに合格しても1級ファイナンシャル・プランニング技能士で、今回開いた求人には実技の科目を区別している例はありませんでした。

FP1級とCFP®はどちらを取るべきですか?

会社員として転職に使うなら、求人では「CFPまたはFP1級」と並べて書かれる例が多く、どちらか一方で足ります。更新がないのはFP1級、独立して国際資格を名乗りたいならCFP®です。

独学で合格できますか?

金財が過去の学科試験問題と模範解答を公開しているので、独学で合格する人もいます。合否を分けやすいのは学科・応用編の計算です。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。

まとめ:あなたの次の一手

FP1級は、銀行・証券・保険で資産の相談をしてきた人が、富裕層・相続・事業承継の仕事へ進むときに、知識の深さを示せる資格です。一方で、求人の必須条件は実務経験で、1級は受検資格にも実務経験が必要です。資格だけで採用が決まるわけではありません。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。