福祉住環境コーディネーターは転職に有利?級ごとの違いと求人での評価・活かせる仕事

「福祉住環境コーディネーターを取れば、福祉用具やリフォームの仕事に転職しやすくなるのかな」 「3級・2級・1級のどれを取れば、転職で意味があるのかわからない」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、福祉住環境コーディネーターは、福祉用具・介護リフォーム・住宅改修に関わる仕事の経験がある人が、2級以上を持っているときに評価されやすい資格です。確認できた自治体では、介護保険の住宅改修で必要な書類(理由書)を書ける者に「2級以上」が含まれ、求人でも歓迎条件や資格手当の対象として2級以上が書かれていました。

一方で、3級は理由書を書ける資格に含まれず、資格単体で採用が決まる資格でもありません。業務独占資格ではなく、確認できた求人でも応募の必須条件ではなく「歓迎」や「手当」の扱いでした。

この記事では、東京商工会議所が公表している試験情報、自治体の資料、実際の求人の募集条件をもとに、福祉住環境コーディネーターが転職でどう評価されるのかを級ごとに解説します。

結論:福祉住環境コーディネーターは転職に有利?

結論は「経験と組み合わせた2級以上が有利、3級や資格単体では弱い」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
福祉用具・介護リフォーム・住宅改修の経験あり
+
2級以上あり
◎ 歓迎条件や資格手当の対象になる求人があり、住宅改修の理由書も書ける 資格を評価してくれる会社を探す
福祉用具・介護リフォーム・住宅改修の経験あり
+
資格なし、または3級
○ 2級を取れば、手当や歓迎条件の対象に入る 2級を目標に準備する
未経験
+
2級以上あり
(または取得予定)
△ 学ぶ意欲と基礎知識の証明にはなるが、決め手ではない 未経験可の福祉用具・リフォーム営業の求人で、学んだ内容を伝える

転職の軸になるのは2級です。理由書を書ける資格として自治体が挙げているのも、求人に手当が書かれているのも「2級以上」で、3級は含まれていませんでした。3級は住宅メーカーや福祉用具の営業担当者など、まず基礎を身につけたい人向けの級で、2級の土台になります。1級は、求人で条件になっている例を確認できていません。詳しくは次の章以降で解説します。

福祉住環境コーディネーターとは?1分でわかる基本情報

福祉住環境コーディネーターは、東京商工会議所が実施する検定試験で認定される民間資格です。東京商工会議所は、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーと位置づけ、医療・福祉・建築の知識をもとに各専門職と連携し、クライアントに適切な住宅改修プランを提示したり、福祉用具や諸施策の情報をアドバイスしたりする役割を挙げています。

たとえば、膝が悪くなった親が自宅で暮らし続けるために、玄関の段差を直すのか、手すりを付けるのか、そもそも福祉用具で足りるのかを、本人の身体状況・お金・介護保険の制度・家の造りから考える仕事です。

3級・2級・1級の違い

級 公式が想定する人 求められる力 試験方式 受験料(税込)
3級 住宅メーカー・不動産・福祉用具・工務店などの営業担当者、自宅の新築やリフォームを検討している人 福祉と住環境の関連分野の基礎的な知識 多肢選択式・90分(IBTまたはCBT) 5,500円(CBTは別に利用料2,200円)
2級 建築士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、介護福祉士、作業療法士、理学療法士など、専門分野+αの知識を身につけたい人 介護・医療・福祉・建築・福祉用具の専門知識を実務に使え、各専門職と連携して具体的な解決策を提案できる 多肢選択式・90分(IBTまたはCBT) 7,700円(CBTは別に利用料2,200円)
1級 行政の都市整備担当者、大規模な福祉施設の企画・設計に携わる人など 新築・住宅改修の具体的なプランニングと、福祉のまちづくりへの助言・調整 前半は多肢選択式90分、後半は記述式90分(CBTの統一試験) 9,900円+CBT利用料2,200円

3級は公式テキストの内容に基づく基礎知識、2級は3級の範囲に2級の範囲を加えたもの、1級は2級・3級の範囲に1級の範囲を加えたものが出題されます。1級の後半の記述式は、課題に対する提案力など、実践力や総合的な判断力を問う試験です。

第57回(2026年度)の日程と受験条件

項目 内容
主催 東京商工会議所
資格の種類 商工会議所の検定試験に合格して認められる民間資格(業務独占ではない)
受験資格 学歴・年齢・性別・国籍の制限なし。2級からの受験、2・3級の併願も可能。1級も2級の合否に関わらず受験できる
2・3級の申込期間 2026年10月9日(金)10:00〜10月20日(火)18:00
2・3級の試験期間 2026年11月12日(木)〜12月3日(木)。期間内に開始時間を選ぶ(先着順)
1級の申込期間 2026年11月4日(水)10:00〜11月11日(水)18:00
1級の試験日 2026年12月13日(日)。日時は選べない
受験場所 2・3級は自宅や会社など(IBT)または全国のテストセンター(CBT)。1級はテストセンター(CBT)
合格基準 2級・3級は100点満点で70点以上。1級は前半・後半それぞれ100点満点で、どちらも70点以上
合格後 称号として「福祉住環境コーディネーター2級」のように名刺へ記載できる(過去の合格者にも適用)

出典:東京商工会議所検定サイト 試験要項、同 お申込み (2026年10月4日確認) ※受験前に必ず公式サイトの最新の試験要項を確認してください。

IBTは自宅や会社のパソコンとインターネット環境を使って受ける方式、CBTは全国のテストセンターに備え付けのパソコンで受ける方式です。どちらも試験期間内なら平日・休日を選べます。

合格率は2級でおよそ4人に1人

回 級 実受験者数 合格者数 合格率
第54回 2級 6,025人 1,464人 24.3%
第54回 3級 1,937人 879人 45.4%
第55回 1級 183人 36人 19.7%
第55回 2級 7,355人 1,614人 21.9%
第55回 3級 2,695人 1,040人 38.6%
第56回 2級 6,455人 1,551人 24.0%
第56回 3級 1,717人 906人 52.8%

出典:東京商工会議所検定サイト 受験者データ (2026年10月4日確認。第54回・第55回は2025年度、第56回は2026年度。合格率は実受験者数に対する合格者数の割合)

受験資格に制限がなく、専門職も受ける試験で、2級の合格率は2割前後です。範囲が医療・福祉・建築にまたがるため、しっかりした対策が必要な試験です。1級は、確認できた1回分(第55回)の受験者が183人と少なく、合格率は約2割でした。

転職で福祉住環境コーディネーターが評価される理由

介護保険の住宅改修の理由書を書ける資格として、2級以上が扱われる

介護保険で手すりの取り付けや段差の解消などの住宅改修をするときは、費用の支給を申請する際に「なぜこの改修が必要か」を書いた書類(理由書)を添付します。この理由書は、ケアプランを作るケアマネジャーが書くのが原則です。

ただし、確認できた自治体では、ケアマネジャー以外にも理由書を書ける人として福祉住環境コーディネーター2級以上の合格者を挙げていました。

  • 神戸市:作成できる者に、理学療法士・作業療法士・増改築相談員と並べて「福祉住環境コーディネーター2級以上合格者」を記載。作成者の資格を示す書類として、検定試験合格証の写しの添付が必要
  • 新宿区:理由書作成費の支給対象者に「福祉住環境コーディネーター(2級以上)」を記載
  • 長野市:担当のケアマネジャーがいない場合、理由書は理学療法士・作業療法士・福祉住環境コーディネーター(2級以上)などに依頼できると案内
  • 鹿児島市:理由書の作成者は基本的にケアマネジャーや地域包括支援センターの担当職員だが、「本市では福祉住環境コーディネーター2級以上の合格者等でも理由書の作成を認めている」と記載
  • 京都市・堺市:理由書の書式の記入要領や要領の中で、作成者として福祉住環境コーディネーター(2級以上)を扱っている

ここで押さえておきたいのが、次の3点です。

  • 3級は、どの自治体の資料にも含まれていない
  • 所属と立場に条件がある:神戸市は、介護支援専門員・理学療法士・作業療法士・福祉住環境コーディネーターなどについて、居宅介護支援事業所や建設事業者等に所属し、業として業務を行う者に限るとしています
  • 担当のケアマネジャーがいる利用者の場合は、担当ケアマネジャーの確認が必要:神戸市は、介護サービスを利用している人の理由書を別の人が作る場合、担当ケアマネジャーが改修内容を確認して署名または記名・押印する必要があるとしています

また、理由書を作ったときの作成費の扱いも自治体で違います。新宿区は理由書1件につき2,000円を支給しますが、住宅改修を施工する事業者の従業者が作成する場合は支給の対象外です。

つまり、「2級があれば理由書を書ける」と言い切れるのは、取り扱いを確認できた自治体の範囲です。国の通知そのものは今回確認できておらず、鹿児島市が「本市では」と書いているように、認めるかどうか・必要な書類・作成費の扱いは市区町村ごとに異なります。理由書を書く仕事を考えているなら、働く地域の介護保険の窓口で、2級の合格証で認められるかを確認してください。

出典:神戸市「理由書」作成について(PDF)、新宿区 理由書作成費の支給、長野市、鹿児島市(PDF)、京都市(PDF)、堺市(2026年10月4日確認)

求人では、歓迎条件や資格手当として書かれる

求人ボックスで「福祉住環境コーディネーター」と検索すると、3,000件前後の求人が表示されます(2026年10月4日時点、全国・全雇用形態。キーワードが本文に含まれる求人なので、資格を条件にした求人の件数ではありません)。

上位から福祉用具やリフォームの仕事の募集を開いて確かめたところ、資格を応募の必須条件にしている求人は見つかりませんでした。多くは「歓迎」や「手当の対象」として書かれています。

募集 福祉住環境コーディネーターの書かれ方
福祉用具専門相談員(東京都小平市・クリエイティブオフィス) 歓迎要件に「福祉住環境コーディネーター検定2級以上」。資格手当は福祉住環境コーディネーター2級以上で月3,000円(福祉用具専門相談員は2,000円、二級建築士は5,000円)
福祉用具の営業スタッフ(静岡県伊東市・うさぎ薬局) 別途手当として、福祉住環境コーディネーター(2級以上)に月10,000円
介護施設向け提案営業(新潟市・けんこうぷらん) 歓迎要件の「あれば尚可」に、福祉住環境コーディネーター2級以上
住宅のリフォームアドバイザー(神奈川県海老名市・プロテクトカインドホーム) 未経験OKとしつつ、増改築相談員・福祉住環境コーディネーター・インテリアコーディネーター・2級建築士などの有資格者は即戦力として迎えると記載

出典:クリエイティブオフィス、うさぎ薬局、けんこうぷらん、プロテクトカインドホーム(求人ボックスの個別求人ページ。2026年10月4日確認)

手当の額は、確認できた2件で月3,000円と月10,000円でした。年額にすると3.6万円と12万円で、2級の受験料7,700円(IBT)は1年目で取り戻せる計算です。ただし手当が付く会社は限られ、金額も会社で大きく違うので、応募前に確認が必要です。

医療・福祉・建築の知識を、利用者と専門職の間で使える

東京商工会議所は、福祉住環境コーディネーターを学ぶ人として、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、住宅営業などを挙げ、「ケアマネジャーや福祉用具専門相談員の受験者が増えています」と書いています。

福祉用具の営業やリフォーム提案の現場では、利用者の体の状態を聞き、家の段差や廊下の幅を確かめ、ケアマネジャーや家族と相談し、手すりを付けるのか福祉用具を使うのかを決めます。求人でも、けんこうぷらんは仕事内容に「ケアマネジャーやご家族との打ち合わせ」「手すりの設置や段差解消などの介護リフォームの提案」「介護保険制度に基づく書類作成や手続き」を挙げています。体の状態・制度・建築のどれか1つに偏らず話せることが、この資格が示せる強みです。

福祉住環境コーディネーターが転職で有利にならないケース

有利にならないケースも正直にお伝えします。

(1)3級だけで、理由書や資格手当を期待する場合

確認できた自治体の資料に、理由書を書ける資格として3級は出てきません。求人の資格手当も、確認できたものはすべて「2級以上」が対象でした。転職での評価を考えるなら、3級で止めず2級まで取ることを目標にしてください。

(2)福祉・住宅と関係のない仕事に転職する場合

評価されるのは、福祉用具の会社、介護リフォームや住宅改修に関わる工務店・リフォーム会社、介護施設向けの営業などです。事務やITなど、福祉・住宅と関係のない仕事では、評価の対象になりにくいでしょう。

(3)資格だけで経験がなく、理由書の仕事を狙う場合

理由書を書けるのは、先ほどのとおり事業所などに所属して業として行う人です。資格だけを持って個人で仕事を取れる資格ではありません。また、確認できた福祉用具の求人では、応募要件に普通自動車運転免許や福祉系の営業経験を求める例がありました。資格だけで採用が決まるわけではありません。

(4)資格手当のない会社に入る場合

資格手当は会社が決めるものです。確認できた求人でも、手当が付くものと、歓迎条件にとどまるものがありました。手当が付かない会社でも、仕事で資格の知識を使えることはありますが、手当を目的に取るのは避けたほうがよいでしょう。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。経験とセットで見せれば、他の応募者との差になる資格だということです。次の章で、経験別の活かし方を見ていきます。

【経験別】あなたの場合、福祉住環境コーディネーターは武器になる?

福祉用具専門相談員・介護職・ケアマネジャーは、住宅改修の提案力の裏づけになる

福祉用具の営業やケアマネジャーとして働いていて、手すりや段差の相談を受ける機会がある人は、2級の学習内容が仕事と直結します。2級が想定する人にも、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、介護福祉士が並んでいます。

評価されやすいポイントは次のとおりです。

  • 福祉用具だけでなく、住宅改修まで含めた提案ができる
  • 建築の用語がわかるので、工務店や施工業者とやり取りしやすい
  • 2級以上なら、資格手当や歓迎条件の対象になる求人がある

今の会社で手当も評価も変わらない場合は、資格を評価する会社に移る選択肢があります。求人票だけでは、手当の有無や住宅改修を任せてもらえる範囲までは見分けにくいものです。介護・福祉の求人に詳しい転職エージェントなら、手当や担当する業務まで確認してから応募できます。

建築・リフォームの経験者は、介護リフォームや福祉用具の分野へ広げる入口になる

住宅営業・リフォーム営業・施工管理・設計の経験者は、建築の知識がすでにあるので、足りないのは「高齢者や障がい者の体の状態と介護保険の制度」です。2級はその部分を補うので、一般のリフォームから介護リフォームへ移りたいときの説明材料になります。

求人では、介護リフォームの提案や施工、福祉用具の営業、一般のリフォームアドバイザーなど、入口が複数あります。しずき(静岡県富士市)の求人は、福祉用具専門相談員としての福祉用具の選定と、福祉住環境コーディネーターとしての住環境のリフォームの提案・施工を、同じ仕事として書いています。建築の経験を活かして移るなら、福祉用具専門相談員の資格が必要になる募集もあるので、あわせて確認してください。

理学療法士・作業療法士は、建築の知識を足す資格として使える

理学療法士と作業療法士は、神戸市の資料で、それぞれの免許で理由書を作成できる者に挙げられています。そのため、理由書を書くために2級を取る必要はありません。2級の価値は、身体機能の評価に、住宅の造りや改修の方法、福祉用具の知識を足せることにあります。東京商工会議所のサイトにも、作業療法士・理学療法士の合格者の声が載っています。

訪問でのリハビリや、住宅改修の相談に関わる仕事で、「身体の状態から、どの工事が必要か」を建築側の言葉で伝えられると、提案の説得力が上がります。

実務未経験なら、資格だけでは採用の決め手になりにくい

福祉・住宅の実務経験がない場合、資格があっても経験者と同じ評価は難しいでしょう。ただ、確認できた求人には「未経験OK」「無資格・未経験者可」と書かれたものがあり、入社後に福祉用具専門相談員の資格を取らせる会社もありました。

応募するときは、資格で学んだ知識を、応募先のどの業務に活かしたいかを具体的に伝えてください。たとえば、「高齢の家族の家を改修した経験から学び、玄関の段差や手すりの提案ができる福祉用具の営業になりたい」と、学習と志望動機をつなげると伝わります。

福祉住環境コーディネーターを活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 募集条件(求人記載)
福祉用具専門相談員(営業) 利用者宅を訪問して福祉用具を選び、納品・説明・定期点検をする。必要に応じて住宅改修を提案する ○ 歓迎条件や資格手当の対象になる求人がある 月給24.8万〜35.8万円(小平市・固定残業手当33,000〜48,000円を含む)、月給22.8万〜25.8万円(富士市・みなし残業代を含む)、月給20.35万〜33.15万円(伊東市・担当手当を含む)
介護リフォームの提案・施工 福祉住環境のリフォームを提案し、施工まで担当する ◎ 仕事内容と直結 上記の富士市の求人と同じ
介護施設向けの提案営業 ケアマネジャーや家族と打ち合わせ、福祉用具の選定と手すり・段差解消などの提案、介護保険の書類作成 ○ 2級以上は歓迎条件 月給22万〜30万円(新潟市・固定残業代なし)
住宅のリフォームアドバイザー 顧客のヒアリング、プラン提案、見積書作成、工事スケジュールの管理 ○ 有資格者は即戦力として記載 月給25万〜35万円+インセンティブ(海老名市)

出典:クリエイティブオフィス、しずき、うさぎ薬局、けんこうぷらん、プロテクトカインドホーム(求人ボックスの個別求人ページ。2026年10月4日確認) 月給は勤務地・経験・手当の含み方で大きく変わります。固定残業代や担当手当を含む求人が多いので、基本給と分けて確認してください。

1級については、福祉住環境コーディネーターの1級を条件にした求人は確認できませんでした。一方で、福岡市の建築施工管理の求人(谷川建設)には、資格取得のお祝い金として「福祉住環境コーディネーター一級:10万円」が書かれていました(一級建築士は30万円、一級建築施工管理技士は10万円)。1級を取っても、建築・福祉の職場で評価を受けるかは会社次第ですが、取得を後押しする会社はあります。

出典:谷川建設(求人ボックス)(2026年10月4日確認)

あわせて取得すると強い資格

福祉用具専門相談員

介護保険で福祉用具のレンタル・販売をするときの相談員の資格です。確認できた求人では、応募要件に挙がっていたり、入社後の取得を会社が支援したりしていました。福祉住環境コーディネーターが「住まい全体」の提案、福祉用具専門相談員が「用具の選定と使い方」の提案なので、組み合わせると提案の幅が広がります。

二級建築士・増改築相談員・インテリアコーディネーター

住宅の側から福祉の分野へ入りたい人に向く組み合わせです。クリエイティブオフィスの求人では二級建築士にも資格手当(5,000円)があり、海老名市のリフォームアドバイザーの求人でも、増改築相談員・インテリアコーディネーター・2級建築士が福祉住環境コーディネーターと並んで書かれています。増改築相談員は、神戸市の資料で理由書を作れる者に挙げられています。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

住宅改修の理由書を書くのが原則の資格で、福祉用具や介護リフォームの提案先でもあります。福祉用具・リフォーム側の人が取ると、ケアマネジャーの立場がわかります。受験の条件が別にあるので、受験を考えるときは公式の案内を確認してください。

福祉住環境コーディネーターに合格するには

転職なら、3級を飛ばして2級から受けてもよい

受験資格に制限はなく、2級からの受験も、2・3級の併願もできます。ただし、2級の試験範囲には3級の範囲が含まれます。福祉や住宅の知識がほとんどない人は、3級の公式テキストで基礎を作ってから2級へ進むと、2級の学習が楽になります。福祉用具やリフォームの仕事ですでに知識がある人は、2級から始めても構いません。

公式テキストと練習問題を軸に、制度の最新情報も確認する

東京商工会議所は、出題の基準として2・3級の公式テキスト(改訂7版)を挙げ、「公式テキストの利用がおすすめ」としています。2級・3級の試験は、公式テキストの該当範囲の知識と、それを理解したうえでの応用力を問います。

2級でつまずきやすい点は次の2つです。

  • 範囲が医療・福祉・建築にまたがる
    専門外の分野は用語から覚える必要があります。ケアマネジャーなら建築、建築士なら介護保険や身体の仕組みが、新しく覚える範囲です。
  • 法令・制度は最新の情報が前提
    公式は、1級について「法令制度につきましては最新の情報の理解を前提として出題されます」と書いています。介護保険など、制度の改正があるテーマは、テキストを読んだあとで最新の情報を確かめておくと安心です。

学習の流れは次の順がおすすめです。

  • 公式テキストで一通り読む
  • 理解度は、公式の練習問題で確かめる(2級は全37問、3級は全40問。公式テキスト(改訂7版)に準拠し、解答解説つき。1冊1,760円(税・送料込)、申込は銀行振込のみで、発送は入金確認後約1週間)
  • 間違えた箇所の公式テキストの参照箇所に戻る

2級・3級の試験は多肢選択式・90分で、70点以上で合格します。IBT方式なら、自宅や会社で受けられますが、本人確認や受験環境の確認が試験前に別にあります。

3級の範囲は2級にも含まれるので、3級の内容の復習は、2級の学習の中で済ませられます。

1級を目指すなら、記述式の対策が別に必要

1級は前半の多肢選択式に加え、後半の記述式があり、前半・後半のどちらも70点以上が必要です。試験日は全国共通で選べません。課題に対して提案を文章でまとめる練習が要るので、公式テキストに載っている実践事例を題材に、自分で提案文を書く練習をしましょう。

出典:東京商工会議所検定サイト 公式テキスト・学習サポート(2026年10月4日確認)

福祉住環境コーディネーターを活かして転職を成功させる進め方

資格が評価される求人を探す

求人検索では「福祉住環境コーディネーター」だけでなく、「福祉用具専門相談員」「住宅改修」「介護リフォーム」「福祉用具 営業」でも探してみましょう。ここまで紹介した求人のとおり、資格名が仕事名に出ていない募集の中に、歓迎条件や手当が書かれたものがあります。

職務経歴書で資格と経験をつなげる

「福祉住環境コーディネーター2級 取得」と書くだけでは伝わりません。「利用者宅を訪問して段差と手すりの位置を確かめ、ケアマネジャーと相談して住宅改修を提案した」など、知識を使った場面を具体的に書きましょう。住宅改修の経験がない人は、学習で身につけた、体の状態に合わせた住環境の考え方を、応募先の業務につなげて書いてください。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、福祉住環境コーディネーターを持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。

理由はシンプルで、この資格の価値は求人票に書かれにくく、自分1人で確かめるのは手間がかかるからです。資格手当が付くか、基本給と手当をどう分けているか、住宅改修の提案をどこまで任せてもらえるかは、求人票だけではわかりません。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や資格手当の条件を相談できる

「資格手当は付きますか」「月給に固定残業代はいくら含まれますか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。今回確認した求人でも、月給の中に固定残業手当や担当手当が含まれているものがありました。エージェントは企業との間に入り、基本給と手当の内訳や、資格の評価を確認する窓口になります。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「住宅改修の提案にもっと関わりたい」「営業の数字より、利用者への提案に時間を使いたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。各サービスは、サイトに載せていない非公開求人も扱っており、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えます。

入社前に職場の実情を確認できる

担当する地域や件数、福祉用具の営業とリフォームの提案のどちらが中心か、理由書の作成を会社の業務として扱っているか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

資格を職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接で住宅改修の提案経験をどう伝えればいいかを、アドバイザーに相談できます。

面接の日程調整を任せられる

面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでもスムーズに転職活動ができます。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 2級を取ったのに、今の会社では手当も評価も変わらない
  • 福祉用具の営業を続けるか、介護リフォームの提案に移るか迷っている
  • 建築やリフォームの経験を、福祉の分野で活かせるか知りたい
  • 求人票の月給に、固定残業代や担当手当がどれだけ含まれているのかわからない
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格なら、どんな職種・条件の求人があるのか質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
マイナビ介護職(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(介護・福祉) 介護・福祉業界に詳しい専任のキャリアアドバイザーが面談し、求人紹介から応募書類の添削、面接の日程調整までを支援。職種の一覧に福祉用具専門相談員がある 福祉用具や介護の経験者、介護職から相談員へ移りたい人
建設転職ナビ(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(建設・不動産) 建設・不動産の技術職・専門職の求人が中心で、検索条件に個人営業(住宅)やリフォームがある リフォーム・住宅営業・設計の経験者
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 求人数が多く、非公開求人もある。書類の添削や面接対策も用意されている 業界を決めきれていない人

迷ったら、業界特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。福祉用具・介護の仕事に進みたい人はマイナビ介護職、住宅やリフォームの仕事に進みたい人は建設転職ナビから選んでください。

よくある質問

2級があれば、介護保険の住宅改修の理由書を書けますか?

確認できた神戸市・新宿区・長野市・鹿児島市・京都市・堺市では、作成者として福祉住環境コーディネーター2級以上が挙げられていました。ただし、認めるかどうか、所属や立場の条件、必要な書類は市区町村ごとに異なります。理由書を書く仕事をするなら、働く地域の介護保険の窓口で確認してください。3級は含まれていませんでした。

3級だけでも転職に使えますか?

3級は福祉と住環境の基礎知識を示す級で、住宅や福祉用具の営業担当者が基礎を学ぶ位置づけです。確認できた理由書の取り扱いや資格手当の対象は2級以上でした。転職の武器にしたいなら、2級まで進むのがおすすめです。

未経験でも受験できますか?

受験できます。学歴・年齢・性別・国籍の制限はなく、3級から受ける必要もありません。2級から、または2・3級の併願、さらに1級も2級の合否に関わらず受験できます。

資格手当はいくらくらいですか?

今回確認した求人では、福祉住環境コーディネーター2級以上で月3,000円と月10,000円の例がありました。手当がない会社も、歓迎条件にとどまる会社もあるので、応募前に確認しましょう。

合格率はどれくらいですか?

公式の受験者データでは、2級は21.9〜24.3%、3級は38.6〜52.8%(第54〜56回)でした。1級は第55回が19.7%です。2級は合格率が2割前後なので、公式テキストと練習問題で対策してください。

独学で合格できますか?

公式テキストと、公式テキストに準拠した練習問題が用意されているので、独学で学習を組み立てられます。医療・福祉・建築の3分野にまたがるため、自分の専門外の分野に時間を多めに割き、介護保険などの制度は最新の情報を確認してください。

まとめ:あなたの次の一手

福祉住環境コーディネーターは、福祉用具・介護リフォーム・住宅改修の経験がある人にとって、2級以上で「福祉と建築の両方がわかる人材」だと示せる資格です。一方で、業務独占資格ではないため、資格単体や3級だけで採用が決まるわけではありません。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

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参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。