HCD基礎検定は転職に有利?求人での評価と活かせる人・活かせない人

「HCD基礎検定を取れば、UXやデザイン関連の転職で有利になるのかな」
「受験料が15,000円もかかるのに、求人で見てもらえなかったらどうしよう」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、HCD基礎検定は、UX・UIデザイナーやエンジニア、企画職など、利用者向けのサービスづくりに関わる人が「デザイナーと同じ言葉で話せる」ことを示す資格です。仕事の経験とあわせて職務経歴書に書けば、協業の力を裏づける材料になります。

一方で、資格名を応募条件にした求人は、今回の調査では見つかりませんでした。資格だけで採用が決まる種類の資格ではありません。

この記事では、主催団体の公式情報と実際の求人をもとに、HCD基礎検定が転職でどう扱われるのか、上位にあたるHCD-Net認定の専門資格とどう違うのかを解説します。

結論:HCD基礎検定は転職に有利?

結論は「UX・デザイン・開発・企画の経験と組み合わせると使える、資格単体では決め手になりにくい」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
UX・UI・Webデザイン、開発、企画などの経験あり
+
資格あり
○ デザイナーと協業できる人材だと示しやすい 職務経歴書に「学んだ手法を使った場面」を書く
UX・UI・Webデザイン、開発、企画などの経験あり
+
資格なし
○ 取得すれば独学の知識を整理して示せる 次回の試験に向けて公式の出題範囲を確認する
デザイン・開発・企画の経験なし
+
資格あり
(または取得予定)
△ 学習の意欲は伝わるが、採用の決め手ではない 資格に加えて、小さな調査や試作の実績をつくる

HCD基礎検定には受験資格がなく、デザイナーでなくても、営業や事務の人でも受験できます。誰でも受けられる分、持っているだけで差がつく資格ではありません。何を学び、仕事のどの場面で使ったかとセットで見せることが前提になります。

HCD基礎検定とは?1分でわかる基本情報

HCD基礎検定(HCD検®)は、人間中心デザイン(HCD)の基礎知識とマインドを問うオンライン試験です。HCDは、作る前に使う人の状況を調べ、試作を使ってもらって確かめ、直す。これを繰り返す進め方だと考えてください。

主催はHCD-Netではなく、HCS共創機構

試験の主催は、一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構、2022年6月設立)です。NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)は後援の立場です。

公式FAQによると、もとになった「HCD基礎知識体系」は、HCD-Netの専門資格認定センターのワーキンググループで2018年度から検討され、2020年にHCD-Netの専門家がまとめました。この知識体系にもとづく問題などを、HCS共創機構がライセンスを受けて実施しています。

つまり、HCD基礎検定は「HCD-Net認定」の資格ではありません。履歴書には「HCD基礎検定(HCD検®)合格」と書き、「HCD-Net認定」とは書かないでください。

試験の概要

項目 内容
試験名 HCD基礎検定(HCD検®)
主催/後援 一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構)/NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)
受験資格 特になし
出題形式 選択問題50問・50分(単一選択式)。PCからの一斉オンライン受験で、スマートフォン・タブレットは不可
出題範囲 理念・計画・要求定義・具現化・評価・運用・基本知識・普及連携の8領域
受験料 一般15,000円、学生8,000円(税込。事前学習システムの利用料を含む)。HCS共創機構の会員・連携団体・50人以上の団体は10%割引(一般13,500円)
2026年10月実施 試験日2026年10月31日(土)13:00〜、合格発表11月16日(月)。申込は受付終了と公式サイトに表示
次回 2027年3月6日(土)の予定。申込期間は公式で未公表(受験申込の開始とともに案内)
合格基準・合格率 公式は開示していない
有効期限 なし(合格した年は明示される)
累計受験者数 1万人超(2026年5月に発表)

出典:HCS共創機構 実施概要、HCS共創機構 よくあるご質問、PR TIMES 受験者累計1万人突破のお知らせ (2026年10月3日確認) ※公式FAQは「原則として年3回実施」と案内しています。受験前に必ず公式サイトの最新の実施概要を確認してください。

合格すると、マイページから合格認定証とロゴデータをダウンロードできます。名刺などに載せるときは、公式はロゴを原則とし、使えない場合だけ「HCD基礎検定 合格認定」「HCD検® 合格認定」の表記を認めています。

合格率は非公開。受験者の声では「基本的な問題が多い」

合格率も合格ラインも、公式は公表していません。正解も開示されないため、点数で差をつけることはできず、履歴書で示せるのは「合格した」という事実だけです。

難しさの手がかりは、公式サイトの合格者の声です。トランスコスモス株式会社の担当者は、多くのメンバーが受験した感想として「基本的な問題が多くありました」と述べています。数字は出ていないため、受験前に公式の出題範囲を一通り見て、自分に馴染みの薄い領域を確かめてください。

出典:HCS共創機構 合格者の声

上位にあたるHCD-Net認定の専門家・スペシャリストとの違い

HCD-Netには、別の認定制度「人間中心設計専門家」「人間中心設計スペシャリスト」があります。受験する人も審査の方法も、HCD基礎検定とは別物です。

項目 HCD基礎検定 HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト/専門家
運営 HCS共創機構(HCD-Netは後援) HCD-Net
想定する人 デザイナーや専門家と協業する、さまざまな職種の人 プロダクトやサービス開発でHCDを実践する専門家・実務担当者
受験の条件 なし 実務経験の目安は、スペシャリスト2年以上・専門家5年以上。実践事例3つ以上
審査の方法 オンライン試験(選択問題50問) 過去の活動を書いた申請書(審査書類)の書類審査
費用 受験料15,000円(一般・税込) 受験料12,000円(税込)。合格後に資格登録料と年会費がかかり、初年度は専門家30,000円、スペシャリスト14,000円
合格率(2025年度) 非公開 専門家29.95%、スペシャリスト43.53%
次の申込 2027年3月6日実施の分は未公表 2026年度は2026年11月2日〜11月24日17:00

出典:HCD-Net 認定制度、HCD-Net 認定者数・合格率、HCD-Net 資格取得費用のFAQ、HCS共創機構 よくあるご質問 (2026年10月3日確認。スペシャリストの合格率は、専門家の応募者からの合格者を含みません)

HCD-Netの受験条件に、HCD基礎検定の合格は入っていません。基礎検定に合格しても、専門家・スペシャリストの受験資格が得られるわけではありません。逆に、専門資格を持つ人は、公式FAQによると基礎検定の知識をすでに持っていると考えられるため、受験は必須ではありません。

公式サイトでは、専門家は実務経験を通じた能力で認定され、基礎検定は基礎知識とマインドの獲得で認定される、と書き分けられています。基礎検定は、専門資格を目指す人の最初の一歩として使える資格です。

転職でHCD基礎検定が評価される場面

2026年10月3日時点で、公開されている求人ページを複数の求人サイトで確認した範囲では、HCD基礎検定を応募条件・歓迎条件に書いた求人は見つかりませんでした。求人サイトの全件を数えた結果ではありません。それでも、この資格が転職に関わる場面は3つありました。

企業が社員の資格取得を支援している

株式会社アピリッツは、HCD基礎検定の合格者が103名(会社全体の3割)になったと、2025年12月に発表しました。同社はHCD基礎検定を資格支援手当の対象資格に定めています。手当の金額は公表されていません。

合格者の内訳は、エンジニア60名、デザイナー22名、コンサルティング10名、バックオフィス・営業など6名、管理職5名です。同社は、UX・UIデザイナーとの協業を円滑にする「共通言語」として、職種を問わず取得を勧めています。

出典:PR TIMES アピリッツ、【HCD基礎検定】の資格保持者が100名超に!(2026年10月3日確認)

上位のHCD-Net認定は、歓迎条件に書かれる求人がある

HCD基礎検定ではなく、上位にあたるHCD-Net認定の専門資格なら、求人の歓迎条件に書かれている例があります。ビズリーチに掲載されている東京都のUXデザインコンサルティング職(ヘッドハンター案件)は、年収800万〜2,000万円で、歓迎条件に「人間中心設計専門家/スペシャリスト認定(HCD-Net)」を挙げています。

ただし、必須条件は、実務経験5年以上の人にはUI/UXやサービスデザインのプロジェクトでのリーダー経験、5年未満の人にはユーザー調査やUI/UX評価、Figmaなどでの試作のスキルです。専門資格は実務の力に上乗せして評価される歓迎条件であり、資格だけで応募できる求人ではありません。

出典:ビズリーチ 求人番号8836346、同 求人番号8520037(2026年10月3日確認。最終更新日は2026年9月29日・9月30日)

資格名がなくても「HCDの知識・経験」を求める求人がある

資格名は書かれていなくても、HCDの知識や経験を歓迎・尚可の条件にしている求人があります。

  • 大阪府堺市のメーカーのUI/UXデザイナー:歓迎条件に「プロジェクト推進力、人間中心設計(HCD)に基づいた開発経験がある方」
  • 東京都中央区のWeb制作会社のUXデザイナー:尚可条件に「HCD(人間中心設計)やデザイン思考などに関する体系的な知識がある方」

資格名で評価されるというより、学んだ知識を面接で話せることが評価の入口です。

HCD基礎検定が転職で有利にならないケース

ここまで読むと使い道の多い資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。

(1)資格だけで、未経験からUX・UIデザイナーを目指す場合

UX・UIデザイナーの求人は、実務経験を求めるものが中心です。前述のメーカーの求人はUI/UXデザイン開発の実務経験3年以上を条件にし、HCD-Net認定を歓迎するコンサルティング職も、実務経験5年以上の人にはリーダー経験を求めています。

別の行動として、自分で小さな調査を実施し、その結果から試作をつくって見せる方法があります。知人5人の使い方を観察する、既存アプリの使いにくい点を整理して改善案を描く、といった内容で十分です。前述のWeb制作会社の求人は、必須条件を「UXリサーチの実務もしくは学習経験」としているため、学習の成果を形にすると応募の根拠になります。

(2)専門職の求人で、専門資格の代わりにしようとする場合

「HCD-Net認定の専門家・スペシャリストを歓迎」と書かれた求人に、HCD基礎検定の合格だけで応募しても、歓迎条件を満たしたことにはなりません。専門資格は実務経験の審査を通った証明です。

別の行動として、実務でUXの調査や設計に2年ほど関わった時点で、スペシャリストに挑戦する道があります。実践事例を3つ書く必要があるため、仕事の記録を残しておくと準備が楽になります。

(3)合格を書くだけで、使った場面を書かない場合

合格率も点数も非公開のため、職務経歴書に「HCD基礎検定 合格」とだけ書いても、読む人は学んだ中身を判断できません。誰でも受けられる試験なので、同じ一行が並ぶ応募書類の中では埋もれます。

別の行動として、学んだ手法を、実際の仕事のどの場面に使ったかを1〜2行添えましょう。次の章で、立場ごとの書き方を見ていきます。

【タイプ別】あなたの場合、HCD基礎検定は武器になる?

UI/UXデザイナー・Webデザイナーは、専門資格へ進む入口になる

デザイナーが受ける意味は、自分の仕事のやり方を言葉で説明できるようになることです。公式サイトの合格者の声には、入社3年目のデザイナーが「業務の中で面白いと思っていたポイントがより明確になりました」と述べ、将来は専門的な資格にも挑戦したいと語る例があります。実務経験が2年ほどたまり、調査から評価までの事例が3つ書けるようになったら、HCD-Net認定のスペシャリストに進むのが自然な流れです。

今の経験で狙えるUX・Web業界の求人を知りたい人は、業界に詳しい担当者に相談してみてください。

エンジニア・企画・営業は、デザイナーと話す共通言語として使える

エンジニアや企画職にとっての価値は、デザイナーやリサーチャーが何のために何をしているかを理解し、仕様の議論に加われることです。公式サイトに載っているソフトウェアエンジニアの合格者は、受験の目的を「HCD専門家と一緒に働く(共創する)ための基礎知識を得ること」と述べています。

転職では、UXを重視する開発会社や、自社サービスを持つ会社のプロダクト開発・企画職で、ユーザー調査の結果をふまえて仕様を決めた経験を語るときの裏づけになります。資格だけで職種が変わるわけではなく、今の職種のまま、UXに強い職場へ移る道を広げる使い方です。

未経験からUX職を目指す人は、「学習経験」として示す

デザインや開発の経験がない人が、UXリサーチャーやUXデザイナーを目指すとき、基礎検定は体系的に学んだ証拠として使えます。前述のWeb制作会社の求人は、UXリサーチの「学習経験」を必須条件に含めていました。

ただし、これは入口の条件を満たすための材料です。資格に加えて、自分で行った調査と試作を見せることが、採用の可否を分けます。基礎検定で全体像をつかむ→小さな調査を実施する→結果と試作をポートフォリオ(制作実績)にまとめる、の順がおすすめです。

HCD基礎検定を活かせる仕事と年収の目安

HCD基礎検定の知識が使えるのは、利用者の調査や設計、評価に関わる仕事です。今回確認できた求人を、条件とあわせて並べます。

仕事 主な内容 HCDの扱い 年収の目安(求人記載)
UXデザインコンサルタント(東京都・ヘッドハンター案件) ワークショップの企画運営、ユーザー調査、UI/UXコンセプト設計 HCD-Net認定専門家/スペシャリストが歓迎条件 800万〜2,000万円。実務経験5年以上の人にはリーダー経験を求める。裁量労働制
メーカーのUI/UXデザイナー(大阪府堺市) UI/UXデザインの開発、デザインセンターの体制づくりへの参加 HCDに基づく開発経験が歓迎条件 500万〜900万円。UI/UXデザイン開発の実務経験3年以上が条件
Web制作会社のUXデザイナー(東京都中央区) 競合分析、ユーザー調査、コンセプト設計、試作 HCDの体系的な知識が尚可条件 420万〜740万円。見込み残業35時間分を含み、超過分は別途支給。UXリサーチの実務または学習経験が必須

出典:ビズリーチ 求人番号8836346、リクルートダイレクトスカウト 株式会社クボタ UI/UXデザイナー、リクルートダイレクトスカウト 株式会社ニジボックス UXデザイナー(2026年10月3日確認) 年収は会社・勤務地・経験・残業代の扱いで大きく変わります。この年収は、HCD基礎検定の保有者の平均ではなく、求人に書かれた募集条件です。

エンジニア・企画・営業などデザイナー以外の職種で、HCD基礎検定そのものを条件にした求人は、今回は確認できませんでした。その職種では、資格による年収の上乗せを期待するより、UXを重視する職場かどうかを、求人票と面談で確かめることが先です。

あわせて取得すると強い資格

HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト・専門家

基礎検定が「知識」を問うのに対し、こちらは実務で何をしたかを審査される資格です。実務経験を積んだ人にとって、基礎検定の次に狙う資格として役割が補完されます。

UX検定(基礎)

UXインテリジェンス協会(UXIA)が実施する検定で、公式FAQによると、HCD基礎検定の問題の一部を使い、合格するとHCD基礎検定としても合格と認定されます。HCD基礎検定の範囲に加えて、ビジネスやマーケティング、テクノロジーなど、実務と隣り合う分野も含みます。UXの仕事の幅広い土台を示したい人は、どちらを受けるかを比べてみてください。

HCD基礎検定に合格するには

公式の事前学習システムを軸に、出題範囲を押さえる

受験料には、テキスト・映像教材・練習問題がそろった事前学習システムの利用料が含まれ、教材だけの申込はできません。使えるのは申込締切の翌日ごろから試験開始の3時間前までで、2026年10月実施では10月14日から10月31日10:00まででした。

申込前や、次回の日程の発表を待つ間は、公式サイトの「出題方針と出題範囲」と、HCD-Netが公開している「HCD基礎知識体系報告書」で全体像をつかめます。日程が出る前でも、学習は始められます。過去問題と正解は公開されていないため、形式には公式の模擬問題と、申込後に使える接続テスト&デモ試験で慣れましょう。

つまずきやすい点は「似た手法の取り違え」と「出題の3パターン」

出題範囲には、似た名前の手法が数多く並びます。

  • 構造化インタビューと半構造化インタビュー
  • カスタマージャーニーマップとサービスブループリント
  • 専門家による評価(ヒューリスティック評価)と、利用者による評価(ユーザビリティテスト)

もう1つのつまずきは、出題が3つのパターンに分かれる点です。公式の出題方針では、用語の意味を問うA「意味」、活動の留意点を問うB「実務のポイント」、手法が生まれた背景を問うC「背景や必要性」とされています。用語を、意味・実務での注意・背景の3つの角度から説明できるかを確かめておくと、選択肢の違いに気づけます。

直前期は迷う用語を○×で絞り、当日の環境を確認する

試験の1〜2か月前は、新しい知識を増やすより、迷う用語を絞り込むことに集中すると効率的です。

  • 事前学習システムを一巡し、似た手法の違いを自分の言葉で書き出す
  • ○×で1問ずつ正誤を判断し、迷った問題だけに印をつけて繰り返す
  • 当日はPCのブラウザで受験する。中断すると再開できないため、接続テスト&デモ試験で動作を確認しておく

○×の復習には、note(直前ノート)の「HCD基礎検定 出るとこだけ○×300問」が使えます。公式出題範囲の8領域に合わせて300問を8章に分け、解答編には全問のポイントと参照した公式資料がつき、×の問題には誤りの語句と正しい内容が並びます。無料で2問のサンプルを確認できます。知識確認用の問題集で、本番と同じ形の50問の模試は収録していません。

HCD基礎検定を活かして転職を成功させる進め方

HCDの知識が求められる求人を探す

求人検索では「HCD基礎検定」だけでなく、「人間中心設計」「ユーザー調査」「UXリサーチ」「UXデザイナー」「サービスデザイン」などの言葉でも探してみましょう。ここまで見たとおり、HCDの知識や経験という言葉で書かれた求人のほうが多く見つかります。必須条件と歓迎・尚可条件を分けて読み、実務経験の年数で応募できるかを確かめます。

職務経歴書で資格と仕事をつなげる

「HCD基礎検定(HCD検®)合格」と書くだけでは、学んだ中身が伝わりません。資格欄に合格の年月を書いたうえで、職務経歴書には使った場面を添えましょう。

  • 開発職の例:「画面の仕様を決める前に、利用者5名の操作を観察し、迷う箇所を整理して企画担当と共有した」
  • 企画・営業職の例:「顧客の利用状況をインタビューで確認し、カスタマージャーニーマップにまとめて提案に使った」

上の例は、あなたの実際の仕事に合わせて書き換えてください。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。HCD基礎検定を持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。理由は、この資格の名前は求人票にほとんど載らず、あなたの強みが書類だけでは伝わりにくいからです。求人票に「HCD」と書かれていなくても、UXを重視する職場かどうかは、担当者に聞かなければ分かりません。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や資格支援の条件を相談できる

「資格支援の制度はありますか」「UX職として入社した場合の年収はどのくらいですか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントは、給与などの条件交渉もサポートしてくれます。この資格では、手当の有無より、UX・HCDの経験をどのグレードで評価してもらえるかが年収に響きます。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「ユーザー調査に関われる仕事がしたい」「デザイナーと近い距離で働きたい」と希望を伝えるだけで、条件に合う求人を紹介してもらえます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。

入社前に職場の実情を確認できる

調査の工程にどこまで関われるのか、デザイナーと開発の人数の比率はどのくらいか、利用者の声を設計に反映する場があるか。求人票だけでは分からない職場の情報を、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

職務経歴書に資格と仕事の場面をどう書くか、ポートフォリオに何を載せるか、面接でHCDの知識をどう伝えるかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。

面接の日程調整を任せられる

面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでもスムーズに転職活動ができます。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 資格を取ったが、今の職場ではUXや利用者調査に関わる機会がない
  • デザイナーと協業する仕事に移りたいが、求人の探し方が分からない
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格なら、どのような職場とどのくらいの年収の求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
マイナビ転職クリエイターエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(Web・ゲーム・IT) Web・ゲーム・IT業界に特化し、Webデザイナー・Webディレクター・UIデザイナーなど職種別に求人を探せる。ポートフォリオの作り方の解説あり UX・UIデザイナーやWebディレクターなど、制作側の仕事に移りたい人
マイナビ転職ITエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(IT・Webエンジニア) IT業界専任のアドバイザーが、書類添削・面接対策、日程調整・条件交渉まで支援 エンジニアとして、UXを重視する開発の仕事を探したい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 非公開求人を含む幅広い求人から紹介。書類添削・面接対策・日程調整・条件交渉まで対応 企画・営業などから、職種を決めきれないまま幅広く比べたい人

迷ったら、業界特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。

よくある質問

HCD基礎検定は意味ない資格ですか?

資格名を条件にした求人は今回確認できず、持っているだけで転職が決まる資格ではありません。一方で、UX・UIデザイナーとの協業を重視する企業では、社員の取得を支援する例があります。経験と組み合わせて使えば、意味のある資格です。

主催はHCD-Netですか?

主催はHCS共創機構で、HCD-Netは後援です。試験のもとになった知識体系はHCD-Netの専門家がまとめ、HCS共創機構がライセンスを受けて実施しています。

HCD-Net認定の専門家・スペシャリストを持っていても、受ける必要はありますか?

必須ではありません。公式FAQは、専門資格を持つ人はすでに基礎知識を持っていると考えられるとしたうえで、組織にHCDの考え方を広める役割を担う人が、知識の再確認や教える準備をしたいときに受験を勧めています。

合格率や合格点はどのくらいですか?

公式は合格率も合格ラインも開示していません。正解も公開されないため、試験後に自己採点もできません。

独学で合格できますか?

受験料に公式の事前学習システムが含まれており、これを使えば学習できます。過去問題は公開されていないため、公式の出題範囲に沿って、似た手法の違いを整理することが近道です。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。

まとめ:あなたの次の一手

HCD基礎検定は、UX・デザイン・開発・企画の仕事をしている人にとって、デザイナーと共通の言葉で仕事を進められる人材だと示す資格です。一方で、誰でも受けられる試験で合格点も公表されないため、資格単体で採用が決まるわけではありません。

求人で評価されやすいのは、学んだ手法を使った場面と、実務の経験です。専門職を目指すなら、HCD-Net認定のスペシャリストが次の目標になります。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。