IoTシステム技術検定[中級・上級]は転職に有利?求人での評価と、取る価値がある人・ない人

「IoTシステム技術検定[中級]を取れば、IoTや通信の仕事への転職で有利になるのかな」 「上級まで目指す価値はあるのか。受検料も高いし、迷っている」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、IoTシステム技術検定[中級]は、IoT・通信・プラント計装などで、システムの構築や提案に関わる技術者が、全体像を理解していると示せる資格です。実際に、NTT東日本のIoT提案・構築の求人では、必須条件の選択肢に「IoTシステム技術検定中級以上」が書かれています。

一方で、資格だけで採用が決まる資格ではありません。同じ求人に、PM/PL(プロジェクトの責任者)としての経験3年以上という経験条件が別に付いています。上級は、今回確認した求人で名前が見つかったのは1件だけで、転職のためだけに目指すと費用に見合わない場合があります。

この記事では、主催団体MCPCの公式情報と、実際の求人の記載をもとに、中級を中心に、上級との違いも含めて、転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:IoTシステム技術検定[中級・上級]は転職に有利?

結論は**「経験と組み合わせると効く。中級が中心で、上級は目的がはっきりしている人向け」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 中級・上級の効き方
IoT・通信の構築、運用、プロジェクト管理の経験がある 効きやすい。 中級以上を必須条件の選択肢に置く募集がある。経験条件とセットで読まれる
製造・プラントの計装、制御の技術者 補強になる。 食品プラントの計装設計の募集で、歓迎資格に中級が並ぶ例がある
組込み・ソフトウェア開発の実務経験がある 決め手になりにくい。 開発職の求人は言語やクラウドの実務経験を見る。中級は全体像の裏づけ
IoTや通信の経験がほとんどない 中級はやや早い。 受検は誰でもできるが、対象は基礎知識がある人。先に入口の級で用語をそろえる手もある
すでに中級を持っていて、上級を考えている 目的次第。 上級は講習と論述式の試験で、費用も大きい。提案や企画の仕事に進む人向け

なお、MCPCは国や公的機関ではなく民間団体で、この検定は民間資格です。持っていないとできない仕事はなく、評価は求人側の書き方と、あなたの経験の組み合わせで決まります。

IoTシステム技術検定[中級・上級]とは?試験の概要と合格率

MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)のIoTシステム技術検定は、基礎・中級・上級の3段階です。この記事で扱う中級は「IoTエキスパート」、上級は「IoTプロフェッショナル」の認定名で、名刺などに載せる表記の例として公式に示されています。基礎の試験概要は、この記事では扱いません。

中級の試験概要

項目 内容
想定する実務レベル IoTシステム全体を俯瞰でき、顧客の要求や提案の要点を的確に把握して、システム構成の概要を描ける
受検資格 どなたでも受検可能
受検対象者 システムインテグレーションの基礎知識があり、IoTシステムを構築・活用する知識を身につけたい人。IT・ICT業界のほか、製造業、運輸交通・自動車、社会インフラ、農業、小売、医療ヘルスケア、建設・保全など、システム構築に関係する技術者
試験方式 CBT方式(コンピュータの画面で出題・解答)。会場は全都道府県から選ぶ
問題数・時間 80問(4者択一)・90分
合格基準 非公開(公式に「合格基準、解答は非公開」と記載)。合否は試験終了後に画面ですぐ表示される
合格率 68.0%(MCPC公表の合格率一覧、2024年3月19日付のPDF。対象期間の記載はなし)
受検料(税込) 一般18,150円/幹事・正・賛助会員14,850円/相互協力会員15,950円/アカデミック11,550円(学生の割引は学校窓口からの団体申込)
公式テキスト IoT技術テキスト 第4版(リックテレコム刊、335ページ、3,080円・税込、2024年9月発売)
認定の有効期限 なし(MCPCの全検定の認定資格に有効期限はないと公式に記載)

出題は次の5分野で、分野ごとに出題比率が公式ページに示されています。

出題分野 出題比率 含まれる内容
IoTシステム構成と構築技術 15〜25% IoTシステムアーキテクチャ、IoTサービスプラットフォーム
センサ/アクチュエータ技術と通信方式 25〜30% IoTデバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル
IoTデータ活用技術 25〜30% AI、ビッグデータ分析技術、活用事例
IoT情報セキュリティ対策技術 20〜25% 脅威と脆弱性、セキュリティ対策技術、標準と法制度
IoTシステムのプロトタイピング技術 5〜15% プロトタイピング活用

申し込み後のキャンセルと払い戻しはできません。日時・会場の変更は、空席がある場合に限り、受検日の3日前の23時59分までです。

上級の試験概要

上級は、選択式ではありません。講習を受けたうえで、別の日に論述式の試験を受けます。

項目 内容
想定する実務レベル 顧客の要求を理解し、課題を整理して、IoTシステムを企画・計画し、戦略的な提案ができる。IoTシステム構築のリーダーとして活動できる
受検資格 次のいずれか1つ。IoTシステム技術検定[中級]合格者/早稲田大学スマートエスイー修了者/情報処理学会の認定情報技術者(CITP)有資格者/企業内IoT[中級]認定者(認定日2024年10月以降で、認定証をメールで受け取った人)
講習 定員制。会場またはオンラインを申込時に選ぶ。内容は、IoTビジネスモデル設計、IoTセキュリティ、AI活用によるIoTアプリケーション、最新技術動向
試験方式 講習とは別日に、全都道府県のCBT会場で論述式試験。会場のパソコンにキーボードで入力する。180分、各問350文字以上1,200文字以下
出題の形式 複数の「業種/テーマ」から1つを選び、専門知識、課題解決、ビジネス構築について、複数の大問に答える。論点は、本当の顧客は誰か、顧客の課題、技術的な訴求点、ビジネス上の創出価値
受検料(税込) 中級合格者・企業内IoT[中級]認定者55,770円/早稲田大学スマートエスイー修了者35,750円/CITP有資格者35,750円/再受検28,050円
公式テキスト なし
合格基準・合格率 検定ページに「合格率、合格基準、解答は非公開」と記載
合格すると ITコーディネータ専門スキル特別認定試験(ITコーディネータ試験の一部を免除した試験)を受けられる

合格率については注意が必要です。MCPCの合格率一覧(2024年3月19日付、2023年付の旧版も同じ数字)には上級48.9%と載っていますが、上級の検定ページには現在「合格率は非公開」と書かれています。一覧の数字は最新のものとは限らないため、この記事では「中級より低い数字が出ていた」という参考にとどめます。

日程(2026年度)

検定 開催回 試験期間・試験日 申込期間
中級 第20回 2026年4月17日〜8月17日 2026年4月10日〜8月10日(受付終了)
中級 第21回 2026年10月16日〜2027年2月8日 2026年10月9日〜2027年2月1日
上級 第15回 講習2026年7月31日、試験2026年8月1日 2026年6月5日〜7月13日(受付終了)
上級 第16回 講習2027年1月29日、試験2027年1月30日 2026年12月4日〜2027年1月18日

出典はMCPCの年間スケジュールと、中級・上級の検定ページです。確認日は2026年10月3日です。年間スケジュールの上級第16回の欄には1月29日だけが載っているため、講習日と試験日は上級の検定ページの記載に従いました。

中級は、期間内なら受検日を自分で選べます。不合格だった場合も、申込期間中に限り同じ開催回の中で再受検でき、受検日の翌日から申し込めます(3日後以降の日程を選択)。受検料は受けるたびにかかります。上級は、同じ開催回での再申込はできません。

求人での評価:中級以上が条件に入る求人はあるが、少数

2026年10月3日に求人ボックスで、「IoTシステム技術検定」「MCPC」「IoTエキスパート」「IoT-PC」など10の語で検索し、表示された求人のうち約125件のページを開いて、資格名の記載を確かめました。件数は検索条件と時点によるごく一部で、市場全体の割合を表すものではありません。その中で、中級以上の名前が書かれていたのは、NTT東日本の2つの募集と、味の素エンジニアリングの1つの募集でした。上級まで挙げていたのは、NTT東日本の1つだけです。

必須条件の選択肢に入る:NTT東日本のIoT提案・構築

NTT東日本のIoT提案・構築の求人は、IoTと同社が得意とするネットワークをセットにして、これまでDXに手を出せなかった顧客へ提案・構築を行う仕事です。全国の営業部隊と連携し、顧客対応、設計、使う製品の選定、PoC(試作による実証)のシステム構築までを担います。

応募資格(必須)は2点です。

  • PM/PLの立場で、ビジネスユーザー向けのシステム開発・導入、またはサービス開発案件の経験が3年以上
  • 「AWSプラクティショナーレベル以上(GCP等他のプラットフォームの資格でも可)、IoT-PC以上、IoTシステム技術検定中級以上」のいずれかを持つこと

読み取れるのは2つです。中級は「クラウドの資格の代わりに選べる条件」として並んでいること、そして、資格の条件を満たしても経験条件は別に必要なことです。歓迎条件のセンサーネットワークの構築・運用経験(センサーとゲートウェイの間の通信確認、データ表示)は、中級の出題分野(センサ、通信方式、データ活用)と重なります。ほぼ同じ文面で社名が伏せられた別の掲載には、年収イメージ590万〜1,040万円と書かれています。

歓迎資格に上級・中級が並ぶ:NTT東日本のIoTエンジニア

NTT東日本のIoTエンジニア(サービス基盤の開発)の求人は、DXを進めるサービス基盤の開発と、その上のソリューション開発を担う仕事です。必須は、AWSやAzureなどのパブリッククラウドを使ったサービスの構築・導入経験2年以上と、大規模システムの開発経験2年以上です。

資格は歓迎条件の欄にあり、「IoTシステム技術検定上級(IoTプロフェッショナル)、IoTシステム技術検定中級(IoTエキスパート)」と書かれています。同じ欄に、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、Javaプログラミング能力認定試験、Python3エンジニア認定データ分析試験も並んでいます。年収は590万〜1,040万円です。今回の調査で上級の名前が見つかったのは、この1件です。

計装・プラントの募集で歓迎に並ぶ:味の素エンジニアリング

味の素エンジニアリングの計装担当エンジニア(本社・東京)は、同社の採用ページの募集です。食品・医薬工場などの計装設備について、顧客との仕様の打ち合わせから設計、機器の調達、工事の管理、試運転調整、引き渡しまでを担当します(職務内容は求人ボックスの同社の掲載による)。

必須は、業務改善提案(省人化・省力化・自動化)、計装制御の設計、施工管理、機器の選定・積算・調達のうち、いずれかの経験です。歓迎資格には、ロボットSI検定2級以上、1級計装士、1級電気通信工事施工管理技士、1級電気施工管理技士と並んで「IoTシステム技術検定[基礎]/[中級]」があり、いずれか1つでも持っていれば歓迎、複数あればなお良いと書かれています。年収は採用ページには載っておらず、求人ボックスの掲載では660万〜900万円です。

資格を問わない求人のほうが多い

組込みの開発職には、資格に触れない求人が目立ちました。たとえばシーディア(京都の組込み開発エンジニア)は、必須がCやC++などの実務経験で、「資格をお持ちでなくても問題ございません」と明記しています。月給は30万〜44万円です。

資格手当は確認できなかった

今回確認した求人や採用ページには、IoTシステム技術検定を資格手当の対象にしているものはありませんでした。味の素エンジニアリングの求人ボックスの掲載には、会社が定めた資格の初回の受験料・講習費用を会社が負担する制度と、資格取得の報奨金制度(難易度により最大10万円)が書かれていますが、IoTシステム技術検定が対象かは確認できませんでした。現職で取る場合は、人事や就業規則で、手当や補助の有無を確認してから受けましょう。

有利になりにくいケース

組込み・IoTの開発エンジニアとして応募する場合

開発職の必須条件は、プログラミング言語やクラウドの実務経験です。NTT東日本のサービス基盤開発の求人でも、必須は構築・開発の経験年数で、資格は歓迎の欄に回っています。制御や通信を自分で動かした経験を前に出し、資格は「全体像を理解している」という補強に使いましょう。

上級を転職のためだけに目指す場合

上級の受検料は、中級合格者で55,770円です。講習に出る日と、論述式の試験を受ける日があり、再受検では28,050円がかかります。一方、求人で上級の名前が見つかったのは1件で、それも中級と並ぶ歓迎資格でした。転職の書類で差をつけたいだけなら、中級で足りる募集が多いのが実情です。上級に進む価値が出るのは、顧客の課題を聞いてIoTの提案を組み立てる仕事をしていて、論述で書ける自分の案件がある人です。

資格だけで未経験から技術職を狙う場合

中級は誰でも受検できますが、公式の受検対象は「システムインテグレーションの基礎知識がある人」です。ITや通信の実務経験がない人が資格だけを取っても、NTT東日本の求人のようなPM/PL経験を必須にする募集には届きません。未経験から入るなら、未経験を受け入れる募集に応募し、学習内容を手を動かして確かめた経験(センサーの値をクラウドに送って表示する試作など)を添える方が近道です。

経験別の活かし方

通信・ネットワークの構築や運用の経験者:IoT提案・構築の求人で、条件の選択肢を満たせる

NTT東日本の求人のように、必須条件の中に資格の選択肢を置く募集では、中級を持っていることが応募の入り口になります。クラウドの資格を持っていない通信・ネットワークの経験者でも、中級でIoTの知識を示せば条件を満たせます。ただし、経験条件(PM/PLの経験3年以上など)は別なので、職務経歴書では、担当した規模と役割を先に書きます。

プロジェクトを率いる立場の人:中級で条件を満たし、上級で提案力を示す

PM/PLとして顧客に提案する立場なら、中級は募集の条件を満たす材料に、上級は提案力を示す材料になります。上級の論述は、顧客、課題、技術の貢献、事業上の価値を書く形式で、提案書の骨子と同じ構造です。普段の提案を言葉にできる人ほど書きやすい試験です。

製造・プラント・設備の技術者:計装や制御の現場に、IoTの言葉を持ち込める

味の素エンジニアリングの募集のように、計装・制御の求人でIoTの資格が歓迎に挙がる例があります。センサ、通信方式、セキュリティを体系的に説明できると、設備の専門家とIT側の担当者の間に立てます。計装士や施工管理技士など、現場の資格とあわせて書くと伝わります。

組込み・ソフトウェア開発の経験者:中級は全体像の補強、書類では経験を先に書く

デバイスやプロトコルは既知でも、クラウド側のデータ活用やセキュリティの標準、法制度は、組込みの経験だけではカバーしにくい分野です。中級の学習は、この抜けを埋めます。履歴書では、資格より先に、作ったものと使った技術を書きましょう。

すでに中級を取得している人:職務経歴書では5分野のうち、応募先に近い分野を選んで書く

資格名と取得年だけでは、読む側に何も伝わりません。通信方式なら構築した現場、データ活用なら分析の場面というように、応募先の仕事に近い分野を選んで1〜2行添えます。上級に進むかどうかは、応募したい求人の歓迎資格に上級が挙がっているか、自分が論述で書ける案件があるかで決めましょう。

活かせる仕事と年収

資格名が出る求人と出ない求人の両方を並べます。年収・月給は求人に掲載された範囲で、資格を持つ人の平均ではありません。

仕事 求人例 資格の扱い 給与(掲載内容)
IoTの提案・構築 NTT東日本 必須の選択肢(中級以上)。PM/PL経験3年以上も必須 年収イメージ590万〜1,040万円(ほぼ同文で社名が伏せられた掲載)
IoTサービス基盤の開発 NTT東日本 歓迎(上級・中級)。クラウド構築2年以上、大規模開発2年以上が必須 年収590万〜1,040万円
食品プラントの計装設計・施工管理 味の素エンジニアリング 歓迎(基礎・中級)。計装制御の経験が必須 年収660万〜900万円(求人ボックスの掲載。採用ページには記載なし)
組込み開発 シーディア 資格なしで可。C系言語などの実務経験が必須 月給30万〜44万円

求人の最終更新日は2026年8月中旬から10月初めで、確認日は2026年10月3日です。年収に幅があるのは、職務内容と経験年数の条件が違うためです。

あわせて取得すると強い資格

AWSなどのクラウドの資格:NTT東日本の条件で、中級と並んで選べる

NTT東日本のIoT提案・構築の求人は、中級以上とAWSプラクティショナーレベル以上(他社クラウドの資格でも可)を選択肢として並べています。IoTのデータはクラウドに集めて活用するため、中級で学ぶ「データ活用」を、特定のクラウドの知識で具体化できます。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験:組込み・IoTの設計を主導する人向け

NTT東日本のサービス基盤開発の求人で、歓迎資格に並んでいた情報処理推進機構(IPA)の高度試験です。IPAは、IoTを含む組込みシステムについて、要求仕様の策定から設計・構築までを主導する人を対象者像としています。中級がIoTシステムの全体像を問うのに対し、こちらは組込みの設計・開発を主導する、より高度な役割を想定した試験です。組込みの開発側へ進みたい人には、中級の補完になります。

計装士・電気通信工事施工管理技士・電気施工管理技士:プラントや設備の現場に進む人向け

味の素エンジニアリングの募集で、IoTシステム技術検定と並んで歓迎資格に挙がっていた現場の資格です。設備の設計・施工の資格とIoTの知識を両方持つと、計装とデータ活用の両方を語れると示せます。

ITコーディネータ:上級の合格が、特別認定試験の受験につながる

上級に合格すると、ITコーディネータ専門スキル特別認定試験(ITコーディネータ試験の一部を免除した試験)を受けられると公式に案内されています。ITコーディネータの資格にも関心がある人は、上級の合格を、その入口として使えます。

IoTシステム技術検定[中級・上級]に合格するには

試験でつまずきやすい点

中級は、範囲が広く、似た言葉の区別と、記述の正誤を組み合わせて選ぶ問題が多いことです。 公式の中級サンプル問題(10問)は、空欄に入る語句を選ぶ形式(PLC、ゲートウェイ、オーバーヘッドなど)、a〜dの記述の正しい組み合わせを選ぶ形式(センサーデータの送信、エナジーハーベスティングなど)、不適切な記述を選ぶ形式(教師あり学習、プロトタイピング開発の留意点など)に分かれています。センサの原理、通信の仕組み、機械学習、セキュリティの考え方、開発ボード(Raspberry Piなど)まで、幅広く問われます。

80問を90分で解くので、1問に使える時間は平均で1分ほどです。合格基準が非公開のため、得意分野で稼ぐ戦略より、出題比率の大きい通信方式とデータ活用(それぞれ25〜30%)を厚めにしつつ、5分野のどれも落とさない学び方が安全です。

上級は、自分の言葉で書き切ることです。 4つの論点(顧客は誰か、課題、技術的な訴求点、創出価値)に沿って、各問350字以上を、180分の中でキーボード入力します。公式に対応テキストはなく、講習会の資料は試験中に参照できません。

中級の学習の流れ

  1. 公式テキストを通読する:「IoT技術テキスト 第4版」は、中級の出題カテゴリに準拠した公式テキストです。改訂で、テキスト生成AI・画像生成AIの解説、アジャイル開発の強化、DevOpsやCI/CDの解説が加わったと公式に書かれています。
  2. 公式サンプル問題で形式に慣れる:MCPCのサイトで中級のサンプル問題と解答が公開されています。正誤の組み合わせを選ぶ形式は、各記述を自分で判定してから選択肢を見ると、迷いが減ります。
  3. 出題比率の大きい分野から固める:通信方式とデータ活用で合わせて50〜60%です。LPWAやプロトコルの違い、機械学習の種類は、一覧表にまとめて比べます。
  4. 手を動かして確かめる:プロトタイピングは比率が小さいものの、センサーをつないで値を表示する程度の経験があると、開発ボード(Raspberry Piなど)を問う選択肢を判断しやすくなります。
  5. 本番と同じ時間で通しを解く:80問を90分で解き、時間配分を確かめます。

IoTの用語に不安がある人は、入口の級の範囲(IoTの基本用語とデータの流れ)を先に復習すると、テキストが読みやすくなります。独学が不安な場合は、MCPCのサイトに、受検対策講座を提供する外部の機関が案内されています。KDDI財団は基礎・中級の受検対策講座、日立アカデミーと東芝ビジネスエキスパートはIoTシステム技術検定の受検対策講習会を案内しています。日程は各社に直接問い合わせる形です。

上級の学習の流れ

  1. 自分の案件を4つの論点で整理しておく:顧客は誰か、どんな課題があったか、どの技術がどう貢献したか、事業としてどんな価値が生まれたかを、1案件ずつ書き出します。試験では「業種/テーマ」を選ぶので、複数の業種で書ける材料があると選択肢が広がります。
  2. 講習を受けて、自分の言葉でまとめ直す:講習の資料は試験中に見られないため、4つのテーマ(IoTビジネスモデル設計、IoTセキュリティ、AI活用によるIoTアプリケーション、最新技術動向)を、メモに頼らず説明できる形にします。
  3. キーボードで1,200字前後を書く練習をする:手書きではなく入力なので、打つ速さも時間配分に影響します。書いた答案は、技術の説明だけで終わらず、ビジネス上の価値まで書けているかを確かめます。

IoTシステム技術検定[中級・上級]を活かして転職を成功させる進め方

求人を探す

IoT関連の仕事は、職種名が一定しません。「IoT 提案」「IoT 構築」「IoT 運用」「計装」「プラント IoT」など、職種や業界の言葉でも探してみましょう。資格欄に「IoTシステム技術検定」「MCPC」と書いてある求人は、必須の選択肢なのか、歓迎なのかを読み分け、必須の欄なら同じ欄の他の選択肢(クラウドの資格など)も確認します。気になる会社は、企業の採用ページも開いて、募集要項と手当の記載を確かめます。取得済みの人は、すぐこの段階から動けます。未取得の人も、学習を始めながら並行して求人を見られます。

応募書類を作る

資格欄には正式名称を書き、「MCPC IoTシステム技術検定[中級](IoTエキスパート)」の形にします。職務経歴書には、5分野のうち応募先の仕事に近い分野を選び、使った場面を具体的に書きます。PM/PLの経験条件がある募集では、担当した規模と役割を、資格より先に置きます。上級を持つ人は、論述で整理した案件を、職務経歴書の実績欄に合わせて書き直すと、そのまま使えます。

転職エージェントに相談する

IoT・通信・プラント計装の求人は、必須と歓迎の読み方に慣れが要ります。資格の条件を満たしても、経験条件が別にあるため、「自分の経歴でどこまで届くか」は求人票だけでは判断しにくいものです。技術職の経歴を理解したコンサルタントに相談すると、応募する求人を絞り込めます。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
メイテックネクスト(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(製造業・メーカーのエンジニア) 製造業・メーカー・ITのエンジニア転職専門。求人の職種に「組み込み」「IoT」「ネットワーク」などの分類があり、組み込みソフト・IT関連専門のコンサルタントがいる。エグゼクティブ向けのコンサルタントも掲載 組込み・制御・ネットワーク・プラントの経験を、メーカー系の開発・設計職に活かしたい人
マイナビ転職ITエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(IT・Webエンジニア) IT業界専任のアドバイザーが対応。夜間・土曜の面談に対応。応募書類の添削・面接対策、日程調整、条件交渉の代行を公式に掲載 通信・運用・構築の経験を活かして、IoT関連のIT職を探す人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 公開求人約80万件、非公開求人約29万件(2026年8月30日時点の公式表示)。書類・面接対策や年収交渉、入社日の調整を支援 通信会社・メーカー・SIerなど、業界をまたいで比べたい人

転職エージェントを使うメリットは?

希望条件を整理して相談できる

年収、勤務地、役割(運用・構築・提案のどれか)の優先順位を伝えて、自分の経験で届く職種を一緒に考えてもらえます。

自分に合う求人を紹介してもらえる

サイトに載っていない非公開求人を含めて、IoT・通信・プラント計装の求人を紹介してもらえます。

現場に近い視点で、求人票の中身を聞ける

企業の担当者と連絡を取るコンサルタントに、求人票の「IoTの知識」が実際の仕事でどの程度のものかを確かめられます。

書類添削と面接対策をしてもらえる

中級や上級で学んだことを、応募先に合わせて職務経歴書や面接で話せる形にまとめてもらえます。

日程調整や条件交渉を任せられる

働きながらの転職活動でも、面接日程の調整や、年収などの条件交渉を代行してもらえます。

さらに、これらはすべて無料です。

同じ資格でも、条件の選択肢に入る募集と、資格を問わない募集があります。自分の経験でどの方向が現実的かを整理してから応募先を絞ると、書類の通過後に「想定と違った」とならずに済みます。

\今よりいい職場へ/

組込み・IoTのエンジニア転職に強いエージェントはこちら

よくある質問

中級は、基礎を取ってからでないと受けられませんか?

受けられます。中級の受検資格は「どなたでも受検可能」で、基礎の合格は条件ではありません。ただし、公式の受検対象は、システムインテグレーションの基礎知識がある人です。IoTの用語に不安があるなら、入口の級で全体像をつかんでから進むほうが負担は小さくなります。

上級は、中級に合格していないと受けられませんか?

中級合格者でなくても、早稲田大学スマートエスイー修了者、情報処理学会の認定情報技術者(CITP)有資格者、企業内IoT[中級]認定者のいずれかであれば受検できます。受検料は、スマートエスイー修了者とCITP有資格者が35,750円で、中級合格者の55,770円より低く設定されています。

上級の論述は、何字くらい書きますか?

各問350文字以上1,200文字以下で、試験会場のパソコンにキーボードで入力します。試験時間は180分です。何問出るかは、公式ページに書かれていません。

中級の合格点は何点ですか?

公式に公表されていません。中級の検定ページには「合格基準、解答は非公開」と書かれ、合否の問い合わせにも応じてもらえません。点数を前提にした対策は立てられないため、公表されている出題比率に合わせて5分野を学ぶのが安全です。

不合格だったら、すぐ再受検できますか?

中級は、申込期間中に限り、同じ開催回の中で再受検できます。申し込めるのは受検日の翌日からで、3日後以降の日程を選びます。受検料は受けるたびにかかります。上級は、同じ開催回での再申込はできず、再受検の受検料は28,050円です。

合格したら更新は必要ですか?

不要です。MCPCは、全ての検定の合格による認定資格に有効期限はないと公式に書いています。

まとめ:あなたの次の一手

IoTシステム技術検定[中級]は、IoT・通信・プラント計装の現場で、システム全体を理解していると示せる資格です。NTT東日本の求人のように、必須条件の選択肢に入る募集がある一方、経験条件は別に問われます。上級は、提案や企画を担う人が、講習と論述で自分の案件を整理する資格で、求人で名前が確認できた数は多くありません。

取るかどうかの判断は、応募したい求人の必須条件と歓迎条件を読んでからで遅くありません。資格の名前が書かれていなければ経験を優先し、書かれていれば、中級で足りるか、上級まで必要かを確かめます。

\今よりいい職場へ/

転職相談先を比較する

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。