土地家屋調査士は転職に有利?午前の部の免除と、補助者として勤める道・開業する道

「土地家屋調査士を取れば、転職や独立で本当に有利になるのかな」
「測量士補を持っているけれど、午前の部の試験が免除されるって本当?」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、土地家屋調査士は、不動産の表示登記に必要な土地・建物の調査や測量を、資格者だけが仕事として行える資格です。測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士のいずれかを持っていれば午前の部が免除されるため、午後の部と口述試験に集中できます。

一方で、最終合格率は約1割と低く、合格したあとの働き方は、事務所に勤めるか開業するかで大きく変わります。 求人は「登録」や「実務経験」を条件にするものが多く、開業した人の収入を示す公的な統計は、確認できた範囲では公表されていません。

この記事では、法務省・日本土地家屋調査士会連合会(日調連)・国土地理院の公表資料と実際の求人をもとに、午前の部の免除、補助者として事務所に勤める道、開業の道を分けて解説します。

結論:土地家屋調査士は転職に有利?

結論は「事務所や法人の仕事では有利。開業は、合格後の経験と営業で収入が決まる」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職・独立での有利さ 次の一手
補助者や測量・登記の実務経験あり
+
合格・登録済み
◎ 資格者を条件にした事務所・法人・企業の求人に応募できる。開業も選べる 勤務先で経験を積むか、開業の準備に入るかを決める
測量士補・測量士・建築士の資格あり
+
未受験
○ 午前の部が免除され、午後の部と口述に絞って受験できる 免除に必要な書類をそろえ、午後の部の対策を始める
資格も実務経験もなし △ 資格を取る前でも、補助者として入れる求人がある 補助者として働きながら、測量士補、土地家屋調査士の順に挑戦する

土地家屋調査士の受験に資格の制限はなく、誰でも受けられます。実務経験がなくても受験できるぶん、合格後の働き方を先に見ておく価値のある資格です。

土地家屋調査士とは?1分でわかる基本情報

土地家屋調査士は、土地や建物の登記のうち、**所在・地目・面積・構造など、不動産の物理的な状況を記録する「表示に関する登記」**を専門にする国家資格者です。日調連は、主な業務を次のように示しています。

  • 不動産の表示に関する登記に必要な、土地や家屋の調査と測量
  • 表示登記の申請手続きの代理と、審査請求の手続きの代理
  • 筆界(土地の一筆ごとの境界)特定の手続きの代理
  • 以上の事務についての相談

土地の分筆登記や、建物を新築したときの表題登記が代表的な仕事です。土地家屋調査士法は、調査士会に入会している調査士か調査士法人でない人が、これらの事務を業として行うことを禁じています。弁護士と司法書士には、一部の事務を行える例外が定められています。

調査士になる資格は、試験に合格した人のほか、法務局で不動産の表示に関する登記の事務に通算10年以上従事し、法務大臣が必要な知識・技能を認めた人にもあります。資格を得たあとは、日調連の名簿に登録し、事務所を設ける地の調査士会に入会して、はじめて調査士として働けます。

令和8年度試験の概要

項目 内容
実施 法務省(土地家屋調査士法第6条に基づく国家試験)
受験資格 制限なし(誰でも受験できる)
受験手数料 8,300円(収入印紙で納付)
受験申請 令和8年7月27日〜8月7日
筆記試験 令和8年10月18日(日)。午前の部は9時30分〜11時30分、午後の部は13時〜15時30分
筆記の合格発表 令和9年1月6日(水)午後4時
口述試験 令和9年1月21日(木)
最終合格発表 令和9年2月15日(月)午後4時
試験地(筆記) 東京・大阪・名古屋・広島・福岡・那覇・仙台・札幌・高松
合格率 令和7年度は受験者4,824人に対し最終合格489人、約10.1%
登録 合格後、日調連の名簿に登録。登録手数料は25,000円
会員数 15,335人(令和7年10月1日現在の調査士会の会員数)

出典:令和8年度土地家屋調査士試験受験案内書|法務省、令和7年度土地家屋調査士試験の最終結果について|法務省、土地家屋調査士を目指す方へ|日調連、会報「土地家屋調査士」2026年3月号|日調連 (2026年10月3日確認) ※令和9年度の日程は、法務省の発表を確認してください。日調連は、筆記試験を例年10月第3週の日曜日、願書の配布・受付を7月下旬〜8月中旬と案内しています。

筆記試験は午前の部と午後の部。どれかの基準点に届かないと不合格

受験案内書では、筆記試験の内容は次のように定められています。

部 試験内容 方式と配点
午前の部 土地家屋の調査・測量に関する知識と技能(測量、作図) 多肢択一式10問・60点、記述式1問・40点
午後の部 民法、登記の申請手続・審査請求、筆界、そのほか調査士の業務に必要な知識(土地家屋調査士法など) 多肢択一式20問・50点、記述式2問・50点

令和7年度の筆記の合格点は、午前の部を受けた人は午前が100点中70点以上かつ午後が100点中76点以上、午前の部を免除された人は午後が100点中76点以上でした。さらに、午後の部の多肢択一式は50点中37.5点、記述式は50点中32.5点に届かないと、合計点が高くてもそれだけで不合格です。択一式で満点の75%、記述式で65%が最低ラインにあたります。

午前の部は、測量士・測量士補・建築士の資格で免除される

法務省の受験案内書は、次の人は、申請により午前の部の試験が免除されると定めています。

免除になる人 受験申請書に添付する書面(原本と写し1通)
測量士・測量士補 登録済通知書、登録証書、試験合格証書、資格が認定される学校の卒業証明書及び成績通知書など
一級建築士・二級建築士(となる資格を有する人) 免許証明書、試験合格通知書及び資格を有する者であることの証明書など
午前の部に合格した人と同等以上の知識・技能があるとして、法務大臣が認定した人 認定通知書

建築士には注意点があります。令和2年3月1日の改正建築士法の施行後に建築士試験に合格した人は、合格証明書だけでは足りず、一級建築士は日本建築士会連合会、二級建築士は各都道府県または建築士会が発行する「資格を有する者であることの証明書」が必要です。免許証明書を出す場合は、免許証明書だけで差し支えありません。

つまり、測量士補の試験に合格するだけで、午前の部は免除の対象になります。測量士補は国土地理院の試験で、令和8年は5月17日に実施され、受験者12,269人、合格者5,447人、合格率44.4%でした。試験は択一式28問で、700点満点中450点以上で合格です。令和8年の日程では、測量士補の合格発表が6月25日、土地家屋調査士の受験申請が7月27日からでした。5月に測量士補に合格すれば、同じ年の10月の試験で免除を使える流れです。

免除が実際にどれだけ使われているか、法務省の令和7年度の資料で見てみます。午前の部の択一式の得点別員数表の合計は195人で、午後の部の受験者4,824人の約4%です。受験者の少なくとも約96%は、午前の部を免除されて午後の部だけを受けています。 午前の部を受けた人の総合得点別員数表(択一式と記述式の基準点を満たした56人の表)で、午前の合格ラインの70点以上は23人でした。午前の部を受けて通る人は限られ、測量士補などで免除を取る人が大半です。

午前の部を受ける道もあります。午前の部で認定の基準点(100点中70点以上、択一30点・記述32点以上)に届いた人は「認定者」になり、次年度以降の午前の部が免除されます。また、筆記試験に合格した人は、申請により次回の筆記試験が免除されます。口述試験で落ちても、翌年は筆記から受け直さずに済みます。

出典:令和8年度土地家屋調査士試験受験案内書|法務省(原本の§1・§6・§7・§5を確認)、令和7年度土地家屋調査士試験筆記試験の合格点等について|法務省、令和7年度筆記試験(多肢択一式問題)得点別員数表|法務省、令和8年測量士補試験の合格者を発表|国土地理院、令和8年測量士・測量士補試験について(受験案内)|国土地理院 (2026年10月3日確認)

令和7年度の合格率は約10.1%、合格者の平均年齢は39.2歳

年度 受験者数 最終合格者数 合格率 午後の部の合格点
令和5年度 4,429人 428人 約9.7% 72点
令和6年度 4,589人 505人 約11.0% 78点
令和7年度 4,824人 489人 約10.1% 76点

合格率は、法務省の最終結果にある最終合格者数を受験者数で割った計算値です。受験者数は法務省の発表の数字をそのまま使っており、数え方の表記は令和5・6年度と令和7年度で少し異なります。合格点は午後の部で、年度によって変わります。令和7年度の合格者は、男性が87.9%、女性が12.1%で、平均年齢は39.2歳(最低20歳、最高65歳)でした。若い世代だけが受ける試験ではありません。

出典:令和7年度・令和6年度・令和5年度の土地家屋調査士試験の最終結果について|法務省 (2026年10月3日確認)

転職で土地家屋調査士が評価される理由

資格者を条件にした求人は、事務所にも住宅会社にもある

リクルートエージェントで「土地家屋調査士」を条件にした求人を調べると、次のような記載があります(2026年10月3日確認)。

  • 土地家屋調査士法人(大阪)の調査士職:必須は「土地家屋調査士の資格」。月給41万〜54万円(固定残業代4万円〜〔月20時間分〕を含む)、想定年収500万〜700万円。測量機器の操作、隣地所有者との立会い、CADでの図面作成補助、登記申請書類の作成補助が仕事で、司法書士法人が併設されている
  • 土地家屋調査士法人(滋賀):必須は「土地家屋調査士としての実務経験」。月給23万4,300円〜(固定残業代44,300円〜を含む)、想定年収300万円〜。給与は「業務経験、資格有無により決定」とある
  • 住宅会社(三重)の社内の調査士:必須は「土地家屋調査士の登録及びその実務経験」。月給40万〜70万円、想定年収600万〜1,000万円。自社の新築物件の表示登記の申請と、そのための調査・測量が仕事で、調査士法人の立ち上げも任される

求人によって、資格だけを求めるもの、実務経験を求めるもの、登録まで求めるものに分かれます。資格を取ったうえで、登録を済ませ、現場の経験があるほど応募先が広がる資格だと読めます。

出典:土地家屋調査士法人(大阪)の調査士職、土地家屋調査士法人(滋賀)、住宅会社(三重)(求人票の記載。条件は応募先ごとに異なります)

補助者の求人は未経験から入れ、資格を手当の対象にする事務所がある

資格を取る前に事務所で働き始める人もいます。補助者は、調査士のもとで測量の補助や図面の作成、登記の書類作成を手伝う立場です。求人には、次のような記載があります(2026年10月3日確認)。

  • 土地家屋調査士事務所(埼玉県川口市):未経験から応募可。月給25万〜40万円、想定年収400万〜600万円で、年収例は1年目400万円、3年目480万円、5年目600万円。資格手当は土地家屋調査士が月3万円、測量士が月1万円、測量士補が月5千円。入社後は先輩と現場に同行して流れを覚える
  • 調査士事務所(福岡県田川市):未経験歓迎。月給18万〜20万円、想定年収250万〜280万円。測量士補の資格手当は月3万円で、将来の資格取得を応援すると書いている
  • 土地家屋調査士法人(大阪)の補助職:必須は「土地家屋調査士補助もしくは測量士補のご経験」。月給30万〜50万円、想定年収400万〜600万円。隣地所有者との立会いは、調査士の資格がある人の担当と書かれている

同じ測量士補でも、手当は月5千円の事務所と月3万円の事務所があり、地域によって月給も大きく違います。午前の部の免除のために取る測量士補は、補助者の求人でも応募条件や手当に出てくる資格ですが、手当の額は事務所ごとに確認が必要です。

出典:土地家屋調査士事務所(埼玉県川口市)、調査士事務所(福岡県田川市)、土地家屋調査士法人(大阪)の補助職(求人票の記載。条件は応募先ごとに異なります)

事務所が人を探しているという声が、日調連の会報にもある

日調連の会報(2026年3月号)には、会員数が15,335人(令和7年10月1日現在)と載っています。同じ号の事務所運営の解説は、2016年に約1.7万人いた資格者が約1.5万人まで減ったと書き、事務所が採用で苦労していると述べています。補助者から受験の道に進む人を増やしたいという日調連の方針も載っています。人手を求める事務所が少なくないことは、勤める道を選ぶうえで追い風になりそうです。

土地家屋調査士が転職で有利にならないケース

ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利になりにくいケースも整理します。

(1)合格しても、登録を済ませていない場合

土地家屋調査士として働くには、日調連の名簿への登録と、調査士会への入会が必要です。求人には「登録」を必須にするものがあります。合格したら、応募の前に登録の手続きを進めておきましょう。

(2)実務経験が必須の求人に、経験なしで資格者として応募する場合

「実務経験がある方」を必須にする求人では、資格だけでは書類を通りにくくなります。経験がないなら、補助者として入る求人を探し、現場の経験を積んだうえで資格者の求人に移る順番が現実的です。

(3)開業を前提にして勤め先を選ぶ場合

日調連の会報には、独立を希望する資格者の応募を断る事務所も少なくないという指摘があります。同じ記事は、経験者や資格者を採りたい事務所に、「幹部候補」「独立応援」といった言葉を求人に入れる工夫を勧めています。独立を考えているなら、応募の段階で、独立の相談ができるかを確認しましょう。

(4)試験の準備時間を確保できない場合

最終合格率は約1割で、午後の部の択一式は満点の75%が基準点です。令和7年度の午後の部で、択一式の基準点37.5点に届いたのは、受験者4,824人のうち2,212人(45.9%)でした。働きながら受験するなら、資格取得の支援や休みの調整に理解のある補助者の求人を選ぶと、準備を進めやすくなります。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。登録と実務経験が加わるほど、選べる働き方が増える資格です。次の章で、働き方ごとに見ていきます。

【進み方別】事務所に勤める道と開業する道、どちらが合う?

測量・建築の資格を持つ人は、午前の部の免除を使って午後の部に絞れる

測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士を持っている人は、免除の書類を受験申請書に添えて出せば、午前の部の勉強を省けます。浮いた時間を午後の部と口述に使えるのが、この道の強みです。まだ測量士補を持っていない人は、測量士補の試験を先に受ける順番を考えましょう。令和8年の測量士補試験は、申込が1月5日から22日でした。

補助者として事務所に勤めながら合格を目指す道

実務経験がなくても入れる補助者の求人があり、働きながら試験の勉強ができます。アガルートキャリアの土地家屋調査士の求人ページには、資格取得・学習支援のある補助者の求人があり、事務所で経験を積みながら合格する人もいると書かれています。

この道の利点は、現地で境界を確認し、測量して、図面と申請書をつくる一連の流れを、試験の前から見られることです。午後の部の記述式は、土地と建物の申請書や図面を書かせる問題です。実務の流れを知っていると、問題の場面を思い描きやすくなります。補助者の期間の収入は、前の章の求人例のとおり、事務所と地域で差が大きいため、月給と手当を比べて選びましょう。

合格後に、調査士法人や事務所で調査士として働く道

合格して登録を済ませると、資格者を条件にした求人に応募できます。求人例のとおり、事務所の調査士職は想定年収が300万円台から700万円まで、住宅会社の社内調査士は600万円以上の記載もありました。経験年数や担当できる業務で幅が出るため、「どんな案件を何件担当したか」を言えるように、補助者の期間から記録を残すと応募で強みになります。

勤める道は、案件の獲得や事務所の運営は所長に任せ、測量と申請の仕事に集中できます。登録の費用や調査士会の会費を事務所が負担してくれるかは、入社前に確認しましょう。

開業して自分の名前で受ける道

開業する場合は、合格後に日調連へ登録し(手数料25,000円)、事務所を設ける地の調査士会に入会します。入会の手続きは、登録の申請と同時に行います。調査士会ごとの入会金と会費は、登録する調査士会に確認してください。

報酬は事務所ごとに決められます。日調連は2003年に報酬規定が廃止されたあと、3年に一度、会員の報酬を調べています。2025年度のアンケートによる全国平均(税抜)の例は、次のとおりです。

業務の例 全国平均の報酬
土地の分筆登記(結合トラバース測量、境界標の設置を伴う) 482,028円
新築した木造2階建て居宅の建物表題登記 91,740円
建物の滅失登記 52,132円

これは日調連が条件を決めて尋ねた1件あたりの報酬で、交通費や登記の収入印紙代などの実費は別です。月に何件受けられるか、事務所や機器の費用がいくらかかるかで手元に残る額は変わります。開業した調査士の収入を示す公的な統計は、確認できた範囲では見つかりませんでした。開業は、勤める道と違って、案件を取る営業も収入を左右する働き方です。求人には、大手ハウスメーカーの敷地測量を担当すると書く法人もあり、住宅会社や不動産会社が取引先になります。開業すると、こうした取引先を自分で開拓することになります。

受験の段階で、勤める道か開業かを決める必要はありません。勤める道で経験を積んでから、選び直すこともできます。

出典:土地家屋調査士報酬ガイド(令和7年度版)|日調連、土地家屋調査士法|e-Gov法令検索(第4条・第8条・第9条・第52条・第68条)、会報「土地家屋調査士」2026年3月号|日調連、土地家屋調査士を目指す方へ|日調連、土地家屋調査士の求人一覧|アガルートキャリア (2026年10月3日確認)

土地家屋調査士を活かせる仕事と年収の目安

働き方 主な内容 資格の効き方 年収の目安(求人記載)
補助者(調査士事務所・法人) 測量機器の操作、データ整理、CADでの図面作成、書類作成の補助、法務局・役所での資料取得 ○ 測量士補・調査士は手当や応募条件に出ることがある 想定年収250万〜600万円(地域・事務所で差が大きい)
調査士法人・事務所の調査士 現地調査、測量、隣地所有者との立会い、登記申請 ◎ 資格が必須の求人がある 想定年収300万〜700万円(実務経験・勤務地で差がある)
住宅会社の社内の調査士 自社の新築物件の表示登記、調査・測量 ◎ 登録と実務経験が必須 想定年収600万〜1,000万円
開業 依頼者から直接受ける、登記申請・調査・測量 ◎ 登録して名乗る 求人はない。1件あたりの報酬の目安は日調連の報酬ガイドで確認

出典:上の求人の記載(リクルートエージェント・エンゲージ。2026年10月3日確認)、日調連の報酬ガイド。年収は会社・地域・経験・残業代の扱いで大きく変わります。固定残業代を含む月給の記載が多く、資格保有者の平均年収を示すものではありません。

あわせて取得すると強い資格

測量士補・測量士

午前の部の免除に使える、もっとも直接つながる資格です。国土地理院は、測量士補を、測量士が作った計画に従って測量を行う技術者と説明しています。補助者の求人でも、測量士補を応募条件や手当の対象にしている事務所があります。

二級建築士・一級建築士

建築士も午前の部の免除に使えます。建物の表題登記では、建物の構造や床面積を図面にして申請するため、建築の知識は、建物を扱う問題や実務で助けになりやすい資格です。

司法書士・行政書士

土地家屋調査士が表示登記を担当し、司法書士が権利の登記(所有権移転・抵当権など)を担当する分担があります。求人にも、司法書士法人を併設する法人や、司法書士・行政書士など複数の士業が在籍するグループがあります。権利と表示の両方の相談を受けたい人は、組み合わせを考えてみてください。

土地家屋調査士に合格するには

免除を前提に、午後の部の択一と記述式に時間を使う

午前の部が免除される人は、午後の部の13時から15時30分の2時間30分に、択一式20問と記述式2問(土地・建物)を解きます。次の2点でつまずきやすい試験です。

  • 択一式の基準点が高い
    令和7年度は50点中37.5点、20問のうち15問分の正解が最低ラインでした。民法、不動産登記法、土地家屋調査士法、筆界に関する知識を、浅く広くでなく、正確に覚える必要があります
  • 記述式は、図面と申請書を時間内に書き切る
    土地と建物から各1問が出ます。受験案内書では、電卓・三角定規・製図用コンパス・分度器の使用が認められ、記述式の答案は黒インクの万年筆かボールペンで書き、図面は細字(F)以下のペン、またはボール径0.5mm以下のボールペンで書く決まりです。鉛筆で書くと採点されません

法務省は、試験問題、択一式の正解と基準点、記述式の出題の趣旨と得点別員数表を公開しています。過去問題で出題の傾向をつかみ、独学で進める人も多い試験です。

筆記に合格したら、口述試験に備える

口述試験は、筆記試験に合格した人だけが受けます。受験案内書によると、範囲は、登記の申請手続・審査請求に関する知識と、土地家屋調査士の業務に必要な知識・能力です。日調連は、1人15分程度の面接方式と案内しています。筆記の合格発表から口述試験までは、令和8年度は15日です。筆記の合格発表のあとに準備を始めると間に合いにくいため、筆記の勉強が一段落した時点で、声に出して答える練習を足しておきましょう。

学習の目的に合わせて教材を使い分ける

直前ノートには、同じ土地家屋調査士試験の教材が4本あります。知識の確認、記述式の練習、時間を計った通し練習、口述の練習と用途が分かれているので、いま足りないところに合わせて選べます。午前の部の実戦模試はないため、午前の部は免除を取る前提で進めましょう。

\目的に合う教材を選べる/

目的に合う教材(noteのページ)

直前ノートの土地家屋調査士の教材は、noteのページで無料サンプルを2問ずつ見られます。対象となる年度は、noteのページで確認してください。

  • ○×300問:民法、不動産登記法、土地の表示に関する登記、建物・区分建物の表示に関する登記、筆界・筆界特定、調査・測量・図面、土地家屋調査士法の7章300問。知識の抜けを確認する用途
  • 午後の部 実戦模試3回分:択一式20問と記述式2問を1回分とした本番形式の3回分(22問×3回・全66問)。午後の部の150分の時間配分を確かめる用途
  • 午後の部 記述式30問:土地と建物の記述式の問題集。土地3章・建物3章で、基本問題から総合記述まで段階的に解く。図面と申請書を書き切る用途
  • 口述予想50問:主質問50問と追い質問を、声に出して答える形式。筆記合格後に、口述の答え方を練習する用途

土地家屋調査士を活かして転職を成功させる進め方

資格や経験に合う求人を探す

求人検索では、「土地家屋調査士」だけでなく、「土地家屋調査士補助者」「測量士補」「表題登記」「境界立会い」などの言葉でも探してみましょう。資格者を必須にする求人と、補助者から始められる求人は、「土地家屋調査士」「土地家屋調査士補助」のように求人名で分けられていることがあります。

応募書類で、資格と現場の経験をつなげる

「土地家屋調査士 取得」と書くだけでは伝わりません。「分筆登記・建物表題登記を年間何件担当し、現地の測量から申請書類の作成まで担った」「測量士補の資格があり、CADで地積測量図を作成した」など、何をどれだけ担当したかを書きましょう。資格者の求人には、実務経験を必須にするものがあるため、補助者の経験は具体的に書いておきましょう。

転職エージェントを味方につける

求人票には、立会いにどれだけ出るか、残業は固定残業代でいくらか、受験や登録の費用を事務所が持ってくれるか、独立の相談ができるかといった条件が、書かれていないことがよくあります。事務所ごとに条件の差が大きい分野だからこそ、聞いてもらう価値があります。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や手当の条件を相談できる

「固定残業代を除くと基本給はいくらか」「測量士補や調査士の資格手当は付くか」と、自分から切り出しにくい条件を、エージェントが企業との間に入って確認してくれます。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「資格取得を支援してくれる補助者の求人がいい」「調査士として立会いを担当したい」と希望を伝えると、条件に合う求人を紹介してもらえます。サイトに載せていない非公開求人を保有しているエージェントもあります。

入社前に職場の実情を確認できる

担当する案件の件数、現場に出る日数、残業の実態、試験前に休みを調整してもらえるか、独立の相談を受け入れる事務所かどうか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

補助者の経験を資格者の求人でどう見せるか、測量士補や建築士の経験をどう書くかを、アドバイスしてもらえます。

面接の日程調整を任せられる

応募先との連絡や日程の調整を代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながら、受験の勉強と転職活動を並行しやすくなります。

なお、リクルートエージェントは公式サイトで、求職者から相談料やサービス料を受け取らず、入社が決まったときに企業から成功報酬を受け取る仕組みだと説明しています。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 補助者として働いているが、資格を取ったあとの待遇が見えない
  • 今の事務所では、資格を取っても手当や役割が変わらない
  • 測量士補や建築士を持っていて、調査士の事務所に移りたい
  • 開業を考えているが、独立を応援してくれる事務所を探したい
  • 転職するかはまだ決めていないが、条件の相場を知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験なら、どの地域・事務所でいくらの求人があるのかを聞くだけでも、判断の材料になります。

土地家屋調査士の求人は、事務所や法人、住宅会社まで幅があり、補助者から資格者までの段階も分かれています。この分野に絞って紹介してもらえるエージェントなら、資格者と補助者の求人を並べて比べやすくなります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
アガルートキャリア(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(士業・法務) 土地家屋調査士の求人一覧があり、「未経験歓迎」「資格取得・学習支援あり」で探せる。非公開求人も保有 補助者から始めたい人、調査士として事務所や法人に移りたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 土地家屋調査士の求人に加え、測量・建設・不動産などの関連職種も幅広く比べられる。面接日程の調整や条件交渉も任せられる 住宅会社の社内調査士など、事務所以外の働き方も比べたい人

迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、事務所の調査士と企業の調査士、補助者と資格者の条件の違いがはっきりします。

よくある質問

測量士補を持っていれば、午前の部は免除になりますか?

なります。法務省の受験案内書は、測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士の資格を持つ人は、申請により午前の部が免除されると定めています。測量士補は、試験合格証書などを受験申請書に添付します。

午前の部の免除は、翌年以降も続きますか?

免除は、受験申請のたびに、資格を証する書類を受験申請書に添付して受けます。午前の部を受けて法務大臣の認定を受けた人は、次年度以降の午前の部が免除されます。

補助者は、資格がなくてもなれますか?

求人には、未経験から応募できるものがあります。たとえば埼玉県川口市の事務所の求人は、「未経験から応募可能」と書いています。ただし、「補助者の経験」や「測量士補」を条件にする求人もあるため、応募する求人の条件を確認してください。

合格したら、すぐ開業できますか?

試験の受験資格に実務経験はなく、日調連の案内でも、合格のあとは登録の手続きに進みます。登録は日調連の名簿に行い、事務所を設ける地の調査士会に入会します。ただし、開業は測量から申請、営業までを自分で担う働き方です。補助者や勤務調査士として一度経験してから決めることもできます。

独学で合格できますか?

法務省が過去の試験問題と択一式の正解・基準点、記述式の出題の趣旨を公開しているため、独学で進める人もいます。午後の部の択一式は基準点が高いので、時間を計った通し練習で弱点を見つけるのが近道です。直前ノートもご活用ください。

まとめ:あなたの次の一手

土地家屋調査士は、測量・登記の現場で経験を積む人にとって、事務所でも開業でも、働き方を選べる資格です。測量士補・測量士・建築士があれば、午前の部が免除され、午後の部に集中できます。一方で、合格しただけでは、登録と実務経験がなければ求人の条件を満たさないこともあります。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

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参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

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