生命保険大学課程(TLC)は転職に有利?受験資格・6科目・求人での扱い

「生命保険大学課程を取れば、保険の営業で転職するときに有利になるのかな」 「応用課程までは合格したけれど、さらに6科目を受ける価値はあるのかな」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、生命保険大学課程(TLC)は、保険営業や代理店で働き、応用課程まで合格した人が、同業の転職で評価を上げるための資格です。求人には、TLCを資格手当の対象にする例、受験費用を会社が負担する例、「優遇」「歓迎」に書く例があります。

一方で、業界の外から先に取ることはできず、持っているだけで採用が決まる資格でもありません。協会は個人からの申込みを受け付けておらず、受験には応用課程の合格が必要です。

この記事では、生命保険協会の公式資料と実際の求人をもとに、受験できる人の条件、6科目の中身、求人での扱われ方、合格後の転職の進め方を整理します。

結論:生命保険大学課程は転職に有利?

結論は「同業の中で動くときに効く資格。業界の外から取りにいく資格ではない」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
応用課程まで合格
+
大学課程の科目に合格している(TLC取得済みを含む)
○ 資格手当・受験費用の負担・「優遇」「歓迎」に書かれる求人がある 求人で扱いを確認し、転職先で合格を引き継げるかを聞く
応用課程まで合格
+
大学課程は未受験
△ 転職のために急いで受ける試験ではないが、同業の求人で手当や歓迎の対象になる 会社の案内で、開催期間に合わせて科目を進める
保険業界の外にいる
+
転職を考えている
× 個人では受験できず、応用課程の合格も必要なので、転職前には取れない 入社後に一般課程から順に進む。応募の準備は別の方法で進める

業界の外にいる人が転職前にできる準備は、入口になる資格を知ることです。生命保険募集人については、生命保険募集人は転職に有利?求人での評価と活かせる人・活かせない人で解説しています。

生命保険大学課程とは?1分でわかる基本情報

生命保険大学課程は、一般社団法人生命保険協会が実施する、業界共通の教育課程の最終課程です。協会は、応用課程試験の合格者を対象に、ファイナンシャル・プランニング・サービスに必要な生命保険とその関連知識を、より専門的なレベルで身につけて、「真の生命保険ファイナンシャルプランナー」を育てることを目的にしています。

生命保険大学課程試験の概要

項目 内容
主催 一般社団法人生命保険協会
受験できる人 試験の申込み時に、応用課程試験に合格し、シニア・ライフ・コンサルタント(SLC)の称号を持っている人
申込み 生命保険会社の職員は、所属する会社を通じて申し込む。代理店は、代理店自身がCBT申込みシステムから申し込む。試験日の90日前から申込める。協会は個人からの申込みを受け付けていない
科目 全6科目
試験方式 パソコンで答えるCBT方式。全国約140都市の会場から、土日祝日と年末年始を除く希望の日・時間帯を選ぶ(会場により選べる日時は異なる)
試験時間 1科目80分
合格点 100点満点中60点(所属する生命保険会社によって異なる場合がある)
受験回数 1科目につき、4月1日から3月31日までの1年間に2回まで(所属する会社によって、受験時期や回数が異なる場合がある)
受験料 1科目あたり2,500円。申込み時に、デジタルブック代960円(2026年度)もあわせて支払う。合計は1科目3,460円で、6科目では20,760円。紙の冊子は希望者のみ1科目590円
合格率・受験者数 協会の公開ページでは確認できない
称号 全6科目に合格し、所属する会社の申請で協会に認定された人に「トータル・ライフ・コンサルタント〔生命保険協会認定FP〕(TLC)」が授与される

出典:業界共通教育課程|生命保険協会、CBT試験概要|生命保険協会、業界共通教育課程試験事務マニュアル(保険代理店用)|生命保険協会、受験手数料・デジタルブック代・冊子単価 一覧(令和8年5月)|生命保険協会、代理店様向けFAQ(2025年7月)|生命保険協会 (2026年10月3日確認) ※受験前に、所属する会社の案内と協会の最新の資料を確認してください。

試験の結果は、協会から生命保険会社へ開示されます。受験した本人には、試験の終了後1営業日中までに、申込み時のメールアドレスへ得点が届きます(合否結果ではありません)。

6科目は3つの時期に2科目ずつ開催される

大学課程の6科目は、開催期間が科目ごとに決まっています。

開催期間 科目
5〜6月 生命保険のしくみと個人保険商品/ファイナンシャルプランニングとコンプライアンス
9〜10月 生命保険と税・相続/資産運用知識
1〜2月 企業向け保険商品とコンサルティング/社会保障制度

出典:業界共通教育課程試験事務マニュアル(保険代理店用)|生命保険協会、TLC資格とは|TLC会 (2026年10月3日確認)

同じ開催期間の2科目は、同じ日に続けて受けることもできます。1年度のうちに3つの時期をすべて使えば、6科目をひと回りできる並びです。問題数や出題形式は、協会の公開ページでは確認できませんでした。協会は、出題基準にもとづき、テキストに書かれた範囲から出題するとしています。

受験できるのは、応用課程まで合格した保険の営業・代理店の人

大学課程は、段階を踏む教育課程の最後にあります。受験の資格は、前の課程の合格と称号で決まります。

  • 一般課程:生命保険募集人の登録に必要な試験
  • 専門課程:ライフ・コンサルタント(LC)の称号。受験の資格は、生命保険募集人の登録を済ませていること
  • 応用課程:シニア・ライフ・コンサルタント(SLC)の称号。受験の資格は、専門課程に合格してLCの称号を持っていること
  • 大学課程:トータル・ライフ・コンサルタント(TLC)。受験の資格は、応用課程に合格してSLCの称号を持っていること

協会のFAQには、「スキルアップのため、試験だけ受験することは可能か」という質問があり、「生命保険会社・代理店職員向けに開催している試験のため、個人からの申込みは受け付けておりません」と答えています。つまり、勉強してから転職先に持っていくことができる試験ではありません。

TLCの称号は、全科目に合格したあとに会社が申請する

TLCは、6科目に合格しただけでは付きません。協会の事務マニュアルには、「全科目合格後、所属生命保険会社の申請により、生命保険協会の業務委員会で認定された者」に授与すると書かれています。協会の公開ページでは、このほかの「一定の条件」の中身までは確認できませんでした。

TLCを取った人の団体として、協会内に事務局を置くTLC会があります。TLC会の案内では、入会には協会が発行する認定証のコピーが必要で、初年度の納入金と次年度以降の年会費は1万円です。入会するには、申込書を協会内のTLC会事務局へ送ります。

生命保険募集人・生命保険講座との違い

名前や略称が似ているので、公開済みの記事と混同しやすい試験です。

  • 生命保険募集人:一般課程から応用課程まで。募集人の登録に必要な一般課程が入口になる。詳しくは生命保険募集人の記事
  • 生命保険講座:全8科目で、協会の課程の説明ページには称号の記載がない。詳しくは生命保険講座の記事
  • 生命保険大学課程:この記事の試験。応用課程の合格者が対象で、全6科目。TLCの称号は、この課程だけのものです

求人で「生保大学」「生命保険大学」「生保FP」と書かれているのは、この大学課程のことです。

転職で生命保険大学課程が評価される場面

求人ボックスで「生命保険大学課程」「TLC 生命保険」「トータルライフコンサルタント」「生保大学」を検索して(2026年10月3日)、保険営業・保険事務・FPの求人を読むと、大学課程は主に3つの形で書かれていました。

資格手当の対象になる求人がある

求人 大学課程(TLC)の書かれ方 給与の記載
ガンバ保険サービス(東京都国立市)保険営業 資格手当に「トータル・ライフ・コンサルタント資格:50,000円/月」。同じ欄に、CFPが月5万円、AFPが月3万円 月給25万〜64万円。ほかにインセンティブ
オフィス第一(大阪市)保険営業 資格手当に「トータル・ライフ・コンサルタント(生保協会):1,500円」。同じ欄に、AFPが月1,500円、2級FPが月1,300円(FP資格どうしの重複支給はなし) 月給25万〜60万円。ほかにインセンティブ
ネクストJAPAN(福岡市)生損保代理店の営業事務 「資格取得支援・手当あり」の欄に、「生命保険大学課程10,000円」。ファイナンシャルプランナーは12,000円。金額が月額かどうかの記載はない 月給22万4,100円〜25万2,740円(みなし残業30時間分を含む)

出典:求人ボックスの個別求人ページ(2026年10月3日確認。最終更新日はガンバ保険サービスが2026/03/14、オフィス第一が2026/09/19、ネクストJAPANが2026/10/03) ※給与は職務・経験・勤務地で変わります。資格を持つ人の平均年収ではありません。

手当の額は、月1,500円から月5万円まで会社によって大きく違います。月1,500円でも年1万8,000円になり、6科目の受験料の合計(2万760円)に1年強で届きます。ただし、大学課程が手当の対象になるかどうかは会社が決めることなので、応募前に確認が必要です。

受験費用を会社が負担する求人がある

もう1つの書かれ方は、会社が受験の費用を出す制度です。

出典:求人ボックスの個別求人ページ(2026年10月3日確認。最終更新日はIUが2026/09/11、エイトが2026/09/21、アイビージェイが2026/10/01)

受験料の負担や報奨金が制度として書かれているのは、入社後に大学課程へ進むことが前提の会社です。応募の時点で持っている必要があるとは書かれていません。

「優遇」「歓迎」や応募の条件に書かれる求人がある

3つめは、応募する人の条件として書かれる例です。

求人 大学課程の書かれ方 必須の条件
外資系生命保険会社 代理店営業担当 任意の「優遇」条件に「生保講座、生命保険大学(生保FP)に合格している方」。年収イメージ500万〜980万円(変動報酬を含む) 金融機関での生命保険・資産形成・FPなどの業務経験、またはその営業担当者のサポート経験
オリックス 年金業務担当(営業職・事務職) 営業職の歓迎要件に「生命保険会社出身者については生保講座、生保大学修了者」。年収600万〜1,000万円 営業職は、営業推進部門での社内プロモーションの経験など
ウメソー(広島市)保険営業 優遇する資格に「トータル・ライフ・コンサルタント(TLC)」。AFP/CFP、FP2級以上、損害保険プランナーなどと並ぶ。月給20万〜60万円、初年度の年収450万〜800万円 金融業界3年以上、または営業5年以上と、顧客折衝の経験
L&A PARTNERS(東京都新宿区)ファイナンシャルプランナー 応募資格に「FP2級(TLC大学課程試験でも可)以上か同等な資格をお持ちの方」。給与は成果報酬型で、面接で説明するとされている 未経験も可。FPをお持ちでない人は入社後に取得

出典:求人ボックスの個別求人ページ(2026年10月3日確認。最終更新日は外資系生命保険会社が2026/09/28、オリックスが2026/09/30、ウメソーが2026/09/29、L&A PARTNERSが2026/09/11) ※年収は職務・経験・勤務地で変わります。保有資格ごとの平均年収ではありません。

大学課程の合格を応募の必須にした求人は、読んだ範囲では見つかりませんでした(求人全体の件数や割合を示すものではありません)。必須になっているのは、保険や金融の業務経験です。大学課程は、その経験の上に重ねる「優遇」「歓迎」の材料という位置づけでした。

生命保険大学課程が転職で有利にならないケース

(1)保険業界の外から転職する場合

業界の外にいる人は、個人では受験できません。さらに、一般課程から応用課程までの合格が先に必要です。求人に「優遇」と書かれていても、その条件を満たせるのは、すでに保険の仕事で試験を進めてきた人です。業界未経験で応募するときは、今の仕事の経験を応募先の仕事にどうつなぐかで評価されます。

(2)資格だけで保険営業の経験がない場合

紹介した求人は、どれも必須の条件を保険や金融の業務経験にしていました。大学課程は、経験の代わりにはなりません。

(3)保険の募集の仕事から離れる場合

協会の事務マニュアルには、募集人登録の業務を廃止した場合、合格資格とともに称号が消えると書かれています。業務廃止後2年以内に一般課程試験を受け直して募集人登録をすれば、大学課程の合格資格は復活しますが、TLCは新たに申請が必要です。

保険の営業から別の業界へ移るつもりなら、取得しても活かせる場がなくなるだけでなく、称号そのものが消えます。

(4)合格や認定の記録を示せない場合

協会の「合格情報照会制度」では、大学課程の受験者情報は、募集人の廃業後2年後までの間に保管し、その後は破棄されます。過去の試験結果の確認は、生命保険会社への問い合わせになります(協会のFAQ)。合格した科目名と時期、TLCの認定証は、手元に残しておきましょう。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。同じ業界の中で動くときの材料になる資格だということです。次の章で、立場別の活かし方を見ていきます。

【タイプ別】あなたの場合、生命保険大学課程は武器になる?

応用課程まで合格した保険営業は、同業の求人で手当や歓迎の対象になる

営業や代理店で応用課程まで合格している人は、大学課程に進むと、手当を出す会社、受験費用を出す会社、歓迎条件に書く会社が応募先の候補に入ります。応用課程までの合格は、FPのサービスに必要な全般的な知識を学んだ裏づけです。大学課程は、その先を専門的なレベルまで学んだことを示せます。

受験は会社の方針で進むので、転職のためだけに急ぐ必要はありません。応募したい会社が決まっているなら、求人の資格手当や歓迎条件に大学課程が書かれているかを見てから、受ける科目と時期を決めましょう。

一部の科目に合格している人は、残りを今の会社で進めるか、引き継ぎを先に確認する

6科目のうち一部だけ合格している人は、転職の前に、残りの科目をどこで受けるかを決めておくと無駄がありません。協会のFAQでは、大学課程の合格は転職先に「引き継ぐことができる場合」があるとされています。ただし、生命保険会社によって独自の規定を設けていることもあります。

内定の前後に、合格済みの科目を転職先でも合格として扱ってもらえるか、残りの科目の受験費用を出してもらえるかを確認しておきましょう。

TLCを取得済みの人は、手当の額と対象を求人ごとに確かめる

TLCを持っていれば、手当を出す会社では、年収に上乗せされる可能性があります。ただし、紹介した求人でも、月1,500円から月5万円まで金額に幅があります。大学課程を手当の対象として書いていない求人もあります。

面接では、TLCを書いたうえで、「手当の対象になりますか」「どの称号や資格と重複して支給されますか」と聞いてみましょう。紹介したオフィス第一の求人のように、FP資格どうしは重複支給にならない会社もあります。

業界の外から転職したい人は、受験ではなく入社後の進み方を考える

保険会社や代理店に入ってから、一般課程、専門課程、応用課程と進み、そのうえで大学課程に進みます。入社前にできるのは、募集人の資格の仕組みや、入社後の研修の流れを知っておくことです。

応募先を選ぶときは、入社後に各課程の受験費用を会社が負担してくれるかを求人票で確認してみてください。紹介したエイトやIUの求人のように、費用を出す制度を書いている会社もあります。

生命保険大学課程を活かせる仕事と年収の目安

求人で大学課程(TLC)が書かれていた仕事は、次のとおりです。

仕事 主な内容 大学課程の効き方 年収・給与の目安(求人記載)
保険代理店の営業 損害保険・生命保険の提案、既存顧客の更新や見直し ○ 資格手当・受験費用の負担・優遇の例がある 月給25万〜64万円(ガンバ保険サービス)、初年度の年収450万〜800万円(ウメソー)
生命保険会社の代理店営業担当 代理店への商品知識のトレーニング、販売戦略の立案 ○ 「優遇」条件に合格者が書かれている 500万〜980万円(変動報酬を含む)
企業年金の営業(金融グループ会社) 企業年金制度の導入コンサルティング ○ 生命保険会社出身者の「歓迎」条件 600万〜1,000万円
ファイナンシャルプランナー(保険・金融商品の提案) 生命保険・損害保険の見直し提案、金融商品の提案 ○ 応募資格に、FP2級と並んで大学課程の試験が書かれている 成果報酬型で、給与は面接で説明(L&A PARTNERS)
保険代理店の営業事務 更改手続き、契約の保全、営業の補助 △ 手当の対象になる例がある 月給22万4,100円〜25万2,740円(みなし残業30時間分を含む)

出典:求人ボックスの個別求人ページ(2026年10月3日確認)。年収は会社・職務・経験・勤務地・残業代の扱いで大きく変わります。

大学課程があるから年収が上がる、と書かれた求人は確認できませんでした。年収は、職務の内容と営業の成果、経験で決まっています。手当は、その上に付く加算です。

あわせて取得すると強い資格

FP技能士・AFP・CFP

顧客の家計やライフプラン全体を見る資格です。大学課程のTLCは生命保険協会が認定する称号で、国家資格のFP技能士や日本FP協会のAFP・CFPとは別の制度です。求人でもFP資格と並べて書かれることが多く、ガンバ保険サービスの求人ではCFPとAFPがTLCと同じ手当の欄に並び、L&A PARTNERSの求人では「FP2級(TLC大学課程試験でも可)以上」と書かれています。生命保険に強い提案者が、顧客の資産全体の相談に乗るときに補い合います。

損害保険トータルプランナー

損害保険を扱う代理店で、生命保険の資格と並べて書かれる資格です。オフィス第一、ネクストJAPAN、エイトの求人では、損保の資格とTLC(生命保険大学課程)が同じ手当や費用補助の欄に並んでいました。生損保の両方を扱う総合代理店に移りたい人には、補い合う組み合わせです。

証券外務員

投資信託や債券などの金融商品を提案するときに必要になる資格です。ウメソーやL&A PARTNERSの求人では、証券外務員が、TLCやFPとともに歓迎や活かせる資格に挙がっています。保険から資産運用の提案へ幅を広げたい人に向きます。

生命保険大学課程に合格するには

科目ごとに開催期間が決まっているので、年間の順番を先に決める

大学課程は、科目ごとに開催期間があり、1科目につき1年度に2回までしか受けられません。5〜6月、9〜10月、1〜2月の3つの時期に2科目ずつ受ける並びなので、最初に「どの時期に、どの2科目を受けるか」を決めましょう。受験の時期や回数は所属する会社によって違う場合があるので、会社の案内も確認してください。

受験料は1科目3,460円(受験手数料とデジタルブック代の合計)です。会社が負担する場合もあるので、誰が払うのかも先に確認します。テキストは協会がデジタルブックで提供し、受験の申込み時に代金を払います。紙の冊子は、希望する人だけが別に買います(1科目590円)。

範囲の広さと、似た制度の取り違えでつまずきやすい

6科目は、保険商品から税金・相続、資産運用、社会保障、企業向けの保険まで広がります。つまずきやすいのは次の2点です。

  • 似た制度が並ぶところで取り違える
    たとえば生命保険と税・相続では、死亡保険金に、所得税・贈与税・相続税のどれがかかるかは、保険料を払った人と、被保険者と、受取人の組み合わせで変わります。入れ替わるだけで答えが変わるので、文章を丁寧に読む必要があります
  • 80分の配分を決めておかないと、最後の問題まで届かない
    科目によっては、知識を答える問題に加えて、計算をする問題も解く必要があります。1問に時間をかけすぎない配分を、先に決めておきます

協会の公開ページでは、問題数と出題形式は確認できませんでした。協会の「CBT体験版」で、パソコンでの操作方法を事前に確認しておくと、当日あわてません。

直前期は○×で論点を絞り、本番の80分で解き切れるかを確かめる

試験前の1〜2か月は、新しい知識を増やすより、迷う論点を絞って、80分で解き切れるかを確かめます。

  • テキストを読み終えたら、○×で正誤を素早く判断できるかを確認し、迷う論点だけを残す
  • 80分を計って、通しで解き、時間配分を決める
  • 間違えた問題は、正解かどうかだけでなく、「なぜそうなるか」を説明できるまで戻る

直前ノートでは、9〜10月に開催される生命保険と税・相続と資産運用知識の2科目について、○×300問(各1,980円)と、各回49問・80分の実戦模試3回分(各2,980円)を、noteのページで出しています。4冊をまとめたマガジンは7,800円です。どのページにも、問題のサンプルが2問載っています。

生命保険と税・相続の○×300問は、所得税の基礎から、個人契約・法人契約の生命保険の税務、贈与税、民法上の相続、相続税までを8章に分けています。大学課程の6科目のうち、教材があるのはこの2科目だけで、ほかの4科目の教材は、まだありません。

\目的に合う教材を選べる/

生命保険大学課程を活かして転職を成功させる進め方

ここからは、保険営業や代理店で働いていて、大学課程の合格科目やTLCがある人向けの進め方です。

大学課程が書かれた求人を探す

求人検索では、「生命保険大学課程」だけでなく、「生保大学」「生命保険大学」「TLC」「トータル・ライフ・コンサルタント」「生保FP」でも探してみましょう。同じ資格でも、求人票での書き方が違います。「保険営業」「保険代理店」「ファイナンシャルプランナー」「企業年金」など、保険の経験が使える職種名でも探すと、資格名が書かれていない求人にも出会えます。

職務経歴書で、合格した科目やTLCと仕事をつなげる

「生命保険大学課程 合格」と書くだけでは、何ができる人なのかが伝わりません。合格した科目名と、その知識を使った場面を並べて書きましょう。

  • 生命保険と税・相続に合格し、死亡保険金の課税関係を踏まえて、相続対策の保険を提案した
  • 資産運用知識に合格し、顧客の資産全体を見て、保険と投資の配分を相談した

「全6科目に合格している」ことと「TLCの認定を受けている」ことは、別のことです。TLCは会社の申請と協会の認定が必要なので、認定証がある人は認定の時期を、まだの人は合格した科目と時期を、記録で確認して書き分けます。

転職先に、合格の引き継ぎと称号の扱いを確認する

協会のFAQには、「専門課程、応用課程、大学課程、生保講座資格については、引き継ぐことができる場合がございます。ただし、生命保険会社によって規定を設けている場合もありますので、詳細につきましては新たに所属する生命保険会社へお問い合わせください」と書かれています。

内定前後の面談で、合格済みの科目を転職先でも合格として扱ってもらえるか、TLCの称号や手当の扱いはどうなるかを確認しておくと、入社後に同じ科目を受け直すことを避けられます。協会の代理店用マニュアルでは、認定証が必要な場合は、所属する生命保険会社に提供できるかを相談するよう案内しています。

ここまでの確認を、仕事をしながら1人で進めるのは大変です。保険業界の求人を比べながら、資格の扱いまで確認できる転職エージェントに、相談してみるのも1つの方法です。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

希望の条件を相談できる

職種、勤務地、年収、残業の少なさなど、希望の条件を伝えると、条件に合う求人を一緒に整理してもらえます。「営業は続けたいが、手当や評価の制度がある会社に移りたい」「営業から内勤の仕事へ移りたい」のように、今の経験から行ける職種も相談できます。

希望に合う求人を紹介してもらえる

希望を伝えれば、条件に合う求人を選んで紹介してもらえます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあり、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えます。

入社前に職場の実情を確認できる

大学課程が資格手当の対象になるか、受験費用を会社が負担してくれるか、合格済みの科目を引き継げるか。求人票には書かれにくいことを、応募前に確認してもらえます。

書類や面接の対策をしてもらえる

合格した科目やTLCを、職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接でこれまでの営業の経験と結びつけてどう話すかを、保険・金融の業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。

面接の日程調整を任せられる

面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでもスムーズに転職活動ができます。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 大学課程の科目に合格したのに、今の会社では評価も手当も変わらない
  • 同じ保険の仕事で、受験費用の補助や手当がある会社に移りたい
  • 合格した科目やTLCを、転職先で引き継げるのかを確認したい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と合格した科目なら、どんな求人があるのか質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

\今よりいい職場へ/

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
保険プロエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(保険業界) 保険代理店と生命保険会社の求人を扱い、代理店営業、アクチュアリー、生涯設計デザイナーなどの職種を探せる。面接対策と日程調整に対応 保険の経験を活かして、会社や職種を変えたい人
マイナビ転職 金融エージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(金融) 金融業界の専任アドバイザーが対応。非公開求人を紹介してもらえる。保険以外の金融の求人も探せる 保険の経験を、金融の別の仕事にも広げたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 求人数が多く、業界をまたいで比べられる。書類添削や面接対策に対応 業界を絞りきれず、保険以外の選択肢も見たい人

迷ったら、保険・金融に強い特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験と合格した科目が評価される場所がより正確にわかります。

よくある質問

生命保険大学課程は、一般の人でも受験できますか?

受験できません。協会のFAQは、試験は生命保険会社・代理店の職員向けに開催しており、個人からの申込みは受け付けていないと答えています。受験の条件も、申込み時に応用課程に合格してSLCの称号を持っていることです。保険会社や代理店に入って、一般課程から順に進んだ人が受ける試験です。

6科目に合格すれば、TLCになれますか?

6科目に合格したあと、所属する生命保険会社が申請し、協会の業務委員会で認定された人にTLCが授与されます。協会の公開ページでは、認定の「一定の条件」の中身までは確認できませんでした。TLCの認定の進め方は、所属する会社に確認してください。

受験料はいくらですか?

2026年度は、1科目あたり受験手数料2,500円とデジタルブック代960円で、合計3,460円です。6科目では20,760円になります。会社が負担する場合もあるので、所属先の案内を確認してください。

合格点は何点ですか?合格率は?

協会の事務マニュアルでは、100点満点中60点です。所属する会社によって異なる場合があります。合格率や受験者数は、協会の公開ページでは確認できませんでした。

直前の仕上げには、何を使えばよいですか?

試験の直前は、○×で迷う論点を絞り、80分で解き切れるかを確かめるのが効果的です。生命保険と税・相続、資産運用知識の2科目なら、直前ノートもご活用ください。(学習に使う教材を選ぶ)

転職したら、合格した科目は引き継げますか?

協会のFAQでは、「引き継ぐことができる場合がございます」とされています。ただし、生命保険会社が独自の規定を設けていることもあるので、新しい所属先に確認してください。

まとめ:あなたの次の一手

生命保険大学課程(TLC)は、保険の営業や代理店で応用課程まで合格した人が、同業の転職で評価を上げる資格です。求人には、資格手当、受験費用の負担、「優遇」「歓迎」の条件に書かれる例があります。一方で、個人では受験できず、業界の外から先に取ることはできません。必須にしている求人も、読んだ範囲では見つかりませんでした。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。