資格×転職
PR技術士第一次試験(技術士補)は転職に有利?求人での評価・RCCMとの違い・第二次試験までの道
「技術士第一次試験に受かって技術士補になれば、転職で有利になるのかな」 「技術士は難関と聞くけれど、第一次試験だけで終わったら意味がないのでは」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、技術士第一次試験の合格は、建設コンサルタントなど設計や計画の仕事に就いている人、これから就きたい人にとって、技術士を目指す途中にいることを示せる資格です。確認した求人には、技術士補を必須の条件にする募集や、RCCMと並べて条件にする募集がありました。
一方で、この資格だけで採用が決まるわけではありません。条件に技術士補を挙げる求人でも、設計の実務経験を求めるものがあり、確認できた資格手当は月2,000〜7,000円でした。また、合格しただけでは「技術士補」と名乗れず、登録の手続きが別に必要です。
この記事では、日本技術士会の公式資料と実際の求人をもとに、技術士第一次試験の合格が転職でどう評価されるのかを解説します。
結論:技術士第一次試験(技術士補)は転職に有利?
結論は「設計・計画の経験と組み合わせると有利、資格単体では弱い」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 転職での有利さ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 設計・計画の実務経験あり + 第一次試験に合格 |
◎ 「技術士補」を条件にした求人にも応募でき、第二次試験の準備も進めやすい | 求人の資格条件と手当を比べて会社を選ぶ。技術士補の登録をするかは、応募先の書き方に合わせて決める |
| 設計・計画の実務経験あり + 第一次試験は未合格 |
○ 受験資格の制限はなく、合格すれば応募できる求人が増える | 受験する部門を決め、基礎科目と適性科目から対策を始める |
| 未経験・学生 + 合格(または勉強中) |
△ 育成を前提にした求人では意欲を示せるが、経験者向けの求人では決め手にならない | 資格取得支援のある育成枠の求人を探す |
第一次試験は、年齢・学歴・国籍・業務経歴などによる制限がなく、誰でも受けられます。ただし、技術士を名乗るための第二次試験には実務経験が必要です。詳しくは次の章で説明します。
技術士第一次試験(技術士補)とは?1分でわかる基本情報
技術士第一次試験は、技術士法に基づく国家資格「技術士」になるための、第1段階の試験です。公益社団法人日本技術士会が、文部科学大臣の指定を受けた試験機関として実施しています。合格すると「技術士補となる資格」を得ます。この資格を持つ人は、法律の言葉ではありませんが、一般に「修習技術者」と呼ばれます。
技術士には21の技術部門がありますが、総合技術監理部門は当分の間、第一次試験が行われません。そのため第一次試験は、機械、建設、上下水道、電気電子、情報工学、環境など20の技術部門ごとに実施されます。受験者が選ぶのは、専門科目で答える1つの技術部門です。
2026年度(令和8年度)試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 公益社団法人日本技術士会 |
| 受験資格 | 年齢・学歴・国籍・業務経歴等による制限なし |
| 申込期間 | 2026年6月10日〜6月24日(郵送は消印有効、WEBは6月23日17時まで) |
| 試験日 | 2026年11月22日(日) |
| 時間割 | 専門科目 10:30〜12:30、適性科目 13:30〜14:30、基礎科目 15:00〜16:00 |
| 合格発表 | 2027年2月下旬(2月24日予定) |
| 受験手数料 | 13,000円(非課税) |
| 出題形式 | 全科目がマークシートの五肢択一式(記述・製図はありません) |
| 試験地 | 17都道府県 |
| 合格基準 | 基礎科目・適性科目・専門科目のそれぞれで50%以上 |
| 合格率 | 33.8%(令和7年度・受験者17,013人) |
出典:令和8年度技術士第一次試験 実施案内|日本技術士会、令和8年度技術士第一次試験受験申込み案内(PDF)、技術士第一次試験 統計情報 (2026年10月3日確認) ※次の年度の日程と受験手数料は、確認した日の時点では日本技術士会のサイトに載っていません。受験前に必ず最新の実施案内を確認してください。
試験は3科目で、科目ごとに合否を判定する
| 科目 | 内容 | 出題と解答 | 配点 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 基礎科目 | 科学技術全般の基礎知識。設計・計画、情報・論理、解析、材料・化学・バイオ、環境・エネルギー・技術の5群 | 5群から各6問、計30問を出題。各群から3問ずつ選び、計15問を解答 | 15点(1問1点) | 1時間 |
| 適性科目 | 技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性 | 15問を出題し、全問を解答 | 15点(1問1点) | 1時間 |
| 専門科目 | 選んだ1部門の基礎知識と専門知識 | 35問を出題し、25問を選んで解答 | 50点(1問2点) | 2時間 |
基礎科目と専門科目は4年制大学の自然科学系学部の専門教育課程を修了した程度の問題です。合格基準は合計点ではなく、科目ごとの50%以上です。日本技術士会の案内では、基礎科目は8点以上、適性科目は8点以上、専門科目は26点以上にあたります。専門科目が高得点でも、基礎科目か適性科目が7点以下なら合格できません。
出典:技術士第一次試験実施大綱、令和8年度技術士試験合否決定基準(文部科学省)、技術士第一次試験の科目、上の受験申込み案内(PDF) (2026年10月3日確認)
合格率は直近5年で3割強から4割強
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 受験者に対する合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 16,977人 | 5,313人 | 31.3% |
| 令和4年度 | 17,225人 | 7,264人 | 42.2% |
| 令和5年度 | 16,631人 | 6,601人 | 39.7% |
| 令和6年度 | 16,666人 | 6,233人 | 37.4% |
| 令和7年度 | 17,013人 | 5,754人 | 33.8% |
令和7年度の技術部門別の結果は次のとおりです。受験者の半分強が建設部門で、機械・電気電子・上下水道がそれに続きます。
| 技術部門 | 受験者数 | 合格者数 | 受験者に対する合格率 |
|---|---|---|---|
| 建設 | 8,905人 | 2,950人 | 33.1% |
| 機械 | 1,723人 | 475人 | 27.6% |
| 電気電子 | 1,410人 | 467人 | 33.1% |
| 上下水道 | 1,013人 | 351人 | 34.6% |
| 全20部門の計 | 17,013人 | 5,754人 | 33.8% |
出典:技術士第一次試験 統計情報|日本技術士会(令和3〜7年度の各年度の試験結果PDF。受験者に対する合格率) (2026年10月3日確認)
受験資格がないぶん、受験者の経験や準備の度合いはさまざまです。約3人に1人が合格する試験なので、出題の傾向をつかんだ対策が必要です。
合格したあとの道は「技術士補の登録」と「第二次試験」
第一次試験に合格した人の次の道は、日本技術士会の資料では次のように整理されています。
- 第一次試験に合格すると、技術士補となる資格を持つ「修習技術者」になる(登録は不要)
- 技術士補の名称を使うには、同一技術部門の補助する技術士を定めて、日本技術士会に登録する
- 実務経験を積み、第二次試験に合格して登録すると「技術士」になる
技術士補の登録は任意で、第二次試験を受けるために登録する必要はありません。登録には登録免許税15,000円と登録手数料8,100円(非課税)がかかります。登録が済んでいない人が「技術士補」という名称を使うと、罰則の対象になります。
第二次試験の受験資格は、技術士補となる資格を持ったうえで、次のどれかに当てはまることです。
- 技術士補に登録し、技術士補として通算4年を超える期間、技術士を補助した
- 技術士補となる資格を得た日以降、科学技術に関する計画・研究・設計・分析・評価などの業務に、監督者のもとで通算4年を超えて従事した
- 同様の業務に通算7年を超えて従事した(資格を得る前の期間も数えられる)
大学院での研究経歴がある人は、2年を限度に期間を短縮できます。第二次試験は、第一次試験に合格した部門に限らず、どの部門でも受験できます。2026年度の第二次試験の受験手数料は20,500円で、令和7年度の合格率は11.4%(受験者24,135人、合格者2,752人)でした。
出典:技術士・技術士補 新規登録手続き(技術士補)、令和8年度技術士第二次試験 実施案内、修習技術者に関するQ&A、技術士制度について 令和8年度版(PDF)、技術士第二次試験 統計情報(令和7年度) (2026年10月3日確認)
転職で技術士第一次試験の合格が評価される理由
求人の見方は、リクルートエージェントの公開求人と、企業の採用ページで確認しました。確認日は2026年10月3日です。
求人の条件に「技術士補」が書かれている
次の表は、技術士補が必須または歓迎の条件になっていた求人です。
| 会社・募集 | 技術士補などの扱い | 手当・報奨金の記載 |
|---|---|---|
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 必須は技術士補。歓迎はJABEE認定プログラムの修了者。実務経験の浅い人も歓迎 | 奨励金は技術士100万円、RCCM5万円(技術士補の記載なし) |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 必須はRCCM、または技術士補(上下水道) | 技能手当は技術士補が月2,000円、RCCMが月12,000円、技術士が月35,000円 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 必須はRCCM、または技術士補(建設部門) | 資格手当あり(額の記載なし) |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 必須は道路設計または橋梁設計の実務経験と、技術士補(建設部門) | 資格手当・報奨金あり(額の記載なし) |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 歓迎に技術士補(電気電子部門)、電気工事施工管理技士、電気主任技術者など。必須は電気設備や情報通信システムの設計・工事・維持・運用などの経験 | 記載なし |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 尚可に機械設計技術者1級・2級、技術士(機械)、技術士補(未保有者でも採用可)。必須は機械設計の実務経験5年以上 | 技術資格手当、合格時の報奨金、受検費用の補助あり(額の記載なし) |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 必須は「技術士(機械)・技術士補(一次試験合格者・技術士の下で4年間の実務経験がある方)」 | 資格試験の受験費用を全額補助 |
出典:各求人ページ(リクルートエージェント) (2026年10月3日確認。求人は掲載が終わることがあります)
建設コンサルタントの設計業務が中心ですが、電気通信分野では電気電子部門の技術士補が歓迎され、プラントの機械設計でも、技術士補が条件の候補に挙がっていました。一方で、サンテックインターナショナルのように資格に加えて道路・橋梁設計の実務経験まで求める募集や、JFE設計のように機械設計の実務経験5年以上を必須にする募集もあります。資格は応募の入口を広げますが、経験の代わりにはなりません。
なお、求人票の「技術士補」が、登録を済ませた人を指すのか、第一次試験に合格した人を指すのかは、確認した求人には書かれていませんでした。応募前に確認してください。
RCCMと並ぶ条件になっている
冨洋設計と東九州コンサルタントは、「RCCM、または技術士補」を必須条件にしていました。RCCMは建設コンサルタンツ協会の資格で、受験には建設コンサルタント等業務の実務経験が、大学卒業なら7年以上必要です。対して第一次試験には、受験資格の制限がありません。
実務経験の年数がまだRCCMに届かない人でも、第一次試験に合格すれば、同じ条件の求人に応募できる可能性があります。求人側がこの違いを意識して並べているかまでは分かりませんが、条件としては同じ列に置かれています。
資格手当は月数千円。評価の中心は「技術士を目指す人」としての扱い
技術士補の資格手当の額が確認できたのは3社でした。
| 会社 | 技術士補 | RCCM | 技術士 |
|---|---|---|---|
| 冨洋設計(建設コンサルタント・求人票) | 月2,000円 | 月12,000円 | 月35,000円 |
| サンヨーコンサルタント(採用ページ) | 建設部門は月7,000円、建設部門以外は月5,000円 | 月20,000円(1部門ごとに5,000円を追加) | 月100,000円 |
| ドリコアクアサーブ(水処理設備の維持管理・求人票) | 月4,000円 | 記載なし | 月31,000円 |
出典:冨洋設計の求人、サンヨーコンサルタント キャリア採用、ドリコアクアサーブの求人 (2026年10月3日確認。サンヨーコンサルタントは、複数の資格を持つ場合に最も高い資格以外は半額支給と書いています)
技術士補の手当は、RCCMや技術士に比べて小さい額です。月2,000円なら受験料13,000円を取り戻すのに6か月余り、月7,000円なら2か月弱かかる計算ですが、手当の対象に技術士補の登録が必要かどうかは求人票からは分かりません。手当を目当てに受ける資格ではない、と考えておくのが安全です。
求人で目立ったのは、技術士へ育てる姿勢です。五星は、補助業務から基礎を学び、将来の技術士取得につなげる設計補助の募集で、技術士に合格すると奨励金100万円を支給すると書いています。冨洋設計は社内で論文の添削などの受験支援を行い、サンヨーコンサルタントは受験料や講習費などの支援制度があると案内しています。この資格は、手当よりも「育成の対象として採用してもらえる」場面で役に立つと言えます。
技術士第一次試験の合格が転職で有利にならないケース
ここまで読むと使いやすい資格に見えますが、有利にならないケースも書いておきます。
(1)設計・計画の経験がなく、資格だけで経験者向けの求人に応募する場合
サンテックインターナショナルの募集は、道路設計または橋梁設計の実務経験と技術士補の両方が必須でした。ニュージェックも、必須は電気設備や情報通信システムの経験で、技術士補は歓迎です。経験者向けの求人では、資格は経験にそえるものです。経験が浅い人は、五星のように実務経験の浅い人も対象にした育成枠を探しましょう。
(2)メーカーやプラントなど、建設コンサルタント以外へ移る場合
リクルートエージェントで「技術士補」と、機械・電気電子などの言葉を組み合わせて探すと、プラントの機械設計や機械設備の技術職で技術士補が出てくる求人もありました。ただし、JFE設計の募集では技術士補は「尚可」で、必須は機械設計の実務経験5年以上、資格がなくても採用可と書かれています。建設コンサルタント以外では、資格より、設計や開発で何を担当してきたかが評価の中心になりやすいと考えられます(これは推測です)。
(3)登録しないまま「技術士補」と名乗る場合
第一次試験に合格しても、登録を受ける前に「技術士補」という名称を使うと、罰則の対象になります。履歴書や職務経歴書には、登録するまでは「技術士第一次試験 合格(建設部門)」のように、合格したことと部門を書きます。登録の申請には、補助しようとする技術士の証明書などの書類が必要です。
とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。経験とセットで見せるか、育成枠を選べば、評価される場面がある資格です。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。
【タイプ別】あなたの場合、技術士第一次試験の合格は武器になる?
建設・上下水道の設計経験者は、第二次試験までの道筋を示せる
建設コンサルタントなどで設計や調査に携わっている人は、第一次試験の合格を、技術士へ進む計画の一部として見せられます。確認した求人でも、建設部門や上下水道の設計で、技術士補が必須または歓迎になっていました。
評価されやすいのは次の点です。
- 「RCCMまたは技術士補」が条件の求人に応募できる
- 技術士の受験支援(論文の添削など)がある会社で、第二次試験を目指す姿勢を示せる
- 設計経験が7年を超えれば、第二次試験の受験資格を満たせる見通しを具体的に話せる
建設・上下水道の技術職の求人を比べたいなら、条件の細かい確認まで相談できるエージェントがあると便利です。技術士補を評価する会社でも、手当の有無や、技術士を目指す人への支援の中身は会社ごとに違い、求人票だけでは分かりにくいからです。
機械・電気電子などの設計経験者は、技術士補が歓迎される募集を選んで使う
機械や電気電子などの設計・開発に携わってきた人は、自分の部門で第一次試験に合格しても、資格が条件になる求人は建設・上下水道ほど多くありません。確認できた中で使いやすかったのは、次の3つです。
- 電気電子部門の技術士補が歓迎に書かれていた、ニュージェックの受変電システムや監視システムの設計の募集(電気設備などの経験と組み合わせる)
- 技術士補が尚可に挙がっていた、JFE設計のプラントの機械設計の募集(機械設計の実務経験5年以上が必須で、資格がなくても採用可)
- 技術士補を必須の条件に書いていた、ニュープロドの機械のプラント設備の技術職
メーカーなどのエンジニア職へ移る場合は、資格を前面に出すより、設計や開発の担当範囲と成果を説明できるようにしておくほうが効果的です。第二次試験は第一次試験の部門に限らず受けられるので、技術士を目指す姿勢は、どの部門でも長期的な強みになります。
製造業のエンジニア向けの求人に相談したいなら、メーカーや機械・電気の求人に強いエージェントがあります。
学生・若手・未経験は、制限なく受けられる第一次試験で、技術士への入口に立てる
第一次試験は、学歴や実務経験を問わず受けられます。学生のうちや、実務経験が浅い段階で合格しておけば、育成を前提にした募集で「技術士を目指して学び続けている」ことを示せます。五星の募集は、技術士補を必須としつつ、実務経験の浅い人も歓迎し、JABEE認定プログラムの修了者を歓迎していました。サンヨーコンサルタントの採用ページにも、技術士補の資格を持つ大学院卒の人を土木設計技術者として採用した実績が載っています。
ただし、経験者向けの求人では資格だけで評価されにくいことは、前の章のとおりです。応募するときは、資格で学んだ内容を、応募先のどの設計業務に活かしたいかまで伝えましょう。
JABEE認定プログラムなど、文部科学大臣が指定した教育課程の修了者は、第一次試験に合格した人と同じく、技術士補となる資格を持つ扱いです。該当するかは、日本技術士会の「指定された教育課程の修了者について」のページで確認できます。
技術士第一次試験の合格を活かせる仕事と年収の目安
| 仕事 | 主な内容 | 資格の効き方 | 求人記載の月給・想定年収 |
|---|---|---|---|
| 道路・橋梁の設計(建設コンサルタント・東京) | 一般道路や橋梁の計画・設計 | ◎ 必須条件(実務経験も必須) | 月給26万〜36万円、想定年収500万〜700万円(サンテックインターナショナル) |
| 設計補助・調査(建設コンサルタント・香川) | 道路・橋梁・上下水道などの設計補助。技術士の先輩の指示を受けて学ぶ | ◎ 必須条件(実務経験の浅い人も歓迎) | 月給26万円以上、想定年収420万〜520万円(五星) |
| 上下水道の土木設計(福岡) | 取水施設・浄水場・管路などの設計、アセットマネジメント計画 | ◎ RCCMまたは技術士補が必須 | 月給27万〜48万2,000円(固定残業代56,000〜102,200円を含む)、想定年収450万〜820万円(冨洋設計) |
| 土木設計(宮崎) | 道路・橋梁・河川などの設計 | ◎ RCCMまたは技術士補(建設部門)が必須 | 月給22万2,000〜38万8,000円、想定年収400万〜700万円(東九州コンサルタント) |
| 電気通信分野の設計(大阪) | ダム・道路トンネルなどの受変電・監視システムの設計 | ○ 技術士補(電気電子部門)などが歓迎 | 月給28万8,000〜50万円、想定年収450万〜850万円(ニュージェック) |
| プラントの機械設計(広島・福山) | 製鉄工場の付帯設備などの機械設備の企画から詳細設計(係長〜副課長クラス募集) | △ 技術士補は尚可。機械設計の実務経験5年以上が必須 | 月給41万〜47万円(固定残業代56,360〜64,460円を含む)、想定年収738万〜846万円(JFE設計) |
出典:サンテックインターナショナル、五星、冨洋設計、東九州コンサルタント、ニュージェック、JFE設計の各求人(リクルートエージェント) (2026年10月3日確認) ※想定年収は求人票に書かれた範囲で、技術士補の資格を持つ人の平均ではありません。経験・勤務地・残業代の扱いで大きく変わります。
あわせて取得すると強い資格
技術士(第二次試験)
第一次試験の先にある資格で、役割は補い合います。第一次試験が「技術士になるのに必要な基礎的学識と、技術士補として必要な専門的学識」を確かめる試験なのに対し、第二次試験は実務経験をもとに、技術士としての応用能力や技術者倫理を確かめます。
技術士は名称独占の資格で、技術士でなければできない業務(業務独占)はありません。それでも、建設コンサルタントとして国土交通省に部門登録するときの専任技術管理者の要件になるなど、公的な制度で有資格者として認められる場面が多くあります。手当も、技術士補の月2,000〜7,000円に対して、月3万5,000〜10万円と大きな差が出ます。
RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)
建設コンサルタントの現場で、技術士補と並べて条件に書かれる資格です。2つは試験の中身も受験資格も違います。
| 項目 | 技術士第一次試験 | RCCM |
|---|---|---|
| 実施団体 | 日本技術士会(技術士法に基づく試験) | 建設コンサルタンツ協会 |
| 受験資格 | 制限なし | 学歴に応じて、建設コンサルタント等業務の実務経験が2〜14年 |
| 試験の形 | 基礎・適性・専門の全科目が五肢択一のマークシート | CBT方式。業務経験と管理技術力は記述式、知識は択一 |
| 受験料(2026年度) | 13,000円 | 17,320円 |
| 合格率(令和7年度) | 33.8% | 34.4% |
| 合格後 | 技術士補の登録は任意(名乗るには登録が必要) | 登録して名乗る |
| 求人での手当の例 | 月2,000〜7,000円 | 月12,000〜20,000円 |
出典:RCCM 2026年度版 受験の手引、令和7年度 RCCM合格発表、上の各出典 (2026年10月3日確認)
実務経験が7年以上ある建設コンサルタントの技術者は、RCCMを受けられます。実務経験がまだ短い人、または建設以外の部門で技術士を目指す人は、先に第一次試験を受ける選択肢があります。2つとも持つ人は、「RCCMまたは技術士補」の条件を満たすだけでなく、技術士を目指す途中の段階としても見てもらえます。
測量士・土木施工管理技士・電気主任技術者など
求人の資格欄では、技術士補と並んで次のような資格が条件や手当の対象に挙がっていました。サンヨーコンサルタントの資格手当は、測量士が月2万円、測量士補が月4,000円、一級土木施工管理技士が月1万円です。ニュージェックの募集では、電気工事施工管理技士、電気主任技術者、電気通信主任技術者が歓迎の資格に並んでいます。実務の分野に合わせて、設計や調査の仕事で評価される資格を加えると、応募できる求人の幅が広がります。
技術士第一次試験に合格するには
3科目それぞれで50%を取る
合格基準は科目ごとの50%以上です。苦手な科目を残したままでは合格できません。そのうえ、科目ごとに「捨てられる範囲」が決まっています。
- 基礎科目
5群から3問ずつ選んで解答するため、群をまるごと捨てることはできません。解析(力学・電磁気学など)のような計算が多い群も、3問は解く必要があります - 適性科目
15問すべてを解答します。技術士法第四章が定める、信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、公益確保の責務などの条文を正確に押さえることが、得点に直結します - 専門科目
35問のうち25問を選びます。選んだ部門の出題範囲の中で、得意な分野に絞って準備できます
基礎科目と適性科目は、どの部門で受験しても同じ問題です。日本技術士会の過去問題のページでも、基礎科目と適性科目は年度ごとに1つずつ公開されています。専門科目だけは部門ごとに別の問題です。
公式の過去問で独学で対策する
日本技術士会のサイトでは、基礎科目・適性科目の過去問題が平成23年度から公開され、択一式問題の正答も公表されています。まず直近数年分を解き、出題の形式に慣れましょう。
基礎科目には、複数の記述について正しいか誤りかを判断し、その組み合わせを選ぶ形式の問題があります(令和7年度の過去問題でも確認できます)。用語の定義が曖昧なままだと、組み合わせを選べません。過去問で間違えた問題は、正解の番号だけでなく、どの記述がなぜ誤りなのかまで説明できるように復習しましょう。
直前期は基礎・適性を○×で総点検し、専門は部門の過去問を仕上げる
試験前の1〜2か月は、新しい範囲に手を広げるより、頻出の論点を確実に取ることが効率的です。
- 基礎科目と適性科目は、定義や条文を○×で素早く判断できるか確認する
- 迷った論点だけ、過去問の解説や条文に戻って理由を確かめる
- 専門科目は、選んだ部門の過去問を解いて、得意な分野を決める
noteのページの『【技術士第一次試験】基礎・適性の出るとこだけ100問』は、基礎科目5群と適性科目の頻出論点を○×形式にした100問のPDFです。全問に解答とポイントがつき、基礎・適性は全20技術部門で共通なので、どの部門の受験者にも使えます。無料サンプル問題も載っています。専門科目は対象外なので、専門科目は部門別の過去問などで別に準備してください。
2026年度の受験申込の受付期間は6月でした。次の試験の日程は、日本技術士会のサイトに公表された時点で確認してください。公表を待たずに、基礎科目と適性科目の学習は先に始められます。
技術士第一次試験の合格を活かして転職を成功させる進め方
技術士補が評価される求人を探す
求人検索では「技術士補」だけでなく、「RCCM」「建設コンサルタント」「土木設計」「上下水道 設計」「電気通信 設計」などの言葉でも探しましょう。資格欄に技術士補と書かれていなくても、設計や調査の業務で、技術士を目指す人を育てる求人があります。見つけたら、求人票の「技術士補」が登録済みの人を指すのか、合格した人を指すのか、資格手当の対象かどうかを確認しておくと、応募後の食い違いを防げます。
職務経歴書で資格と設計の経験をつなげる
「技術士第一次試験 合格」と書くだけでは伝わりません。登録前は「技術士第一次試験 合格(建設部門)」、登録後は「技術士補 登録(建設部門)」のように、状態に合わせて書き分けます。そのうえで、「上水道の管路の設計を担当し、現地調査から図面の作成まで行った」「橋梁の補修設計で、点検結果をもとに対策工法を比較した」など、どんな設計を担当したかを書きましょう。第二次試験を目指す予定があるなら、その計画も一言添えると、育成の対象として見てもらいやすくなります。
転職エージェントを味方につける
ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、技術士補の資格を活かしたい人ほど、転職エージェントを使う価値があります。
理由はシンプルで、この資格の価値は求人票の書き方だけでは分かりにくく、手当や育成の支援の中身は会社ごとにまちまちだからです。
転職エージェントを使うメリットは?
求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
年収や資格手当の条件を相談できる
技術士補の手当は、確認できた範囲で月2,000〜7,000円と少額です。そのため、手当の額だけでなく、受験費用の補助、合格したときの奨励金、年収の見込みなどを、応募者が自分から切り出すより、エージェントを通して比べるほうが現実的です。
希望に合う求人を紹介してもらえる
「設計の仕事で技術士を目指したい」「今の経験を活かして上下水道の設計に移りたい」「電気の設計経験を活かしたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を扱うサービスもあり、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えることがあります。
入社前に職場の実情を確認できる
技術士補の手当は付くのか、技術士の先輩の指導は受けられるのか、論文の添削などの受験支援はどの程度あるのか、残業はどれくらいか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。
書類や面接の対策をしてもらえる
登録前の資格をどう書けば伝わるか、面接で設計の経験と第二次試験を目指す計画をどう話せばよいかを、アドバイスしてもらえます。
面接の日程調整を任せられる
面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでもスムーズに転職活動ができます。
さらに、これらはすべて無料です。下で紹介する3社は、公式サイトで、利用者が費用を負担しないサービスだと案内しています。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 技術士第一次試験に合格したが、今の会社では手当も評価も変わらない
- 技術士を目指したいのに、受験を支援してくれる職場ではない
- 設計の経験は積んだが、第二次試験の経験年数を数える環境にいない
- 今の年収に満足していない
- 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格ならどんな設計の仕事に就けるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 建設転職ナビ(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(建設・不動産の技術職) | 施工管理、設計、設備管理などの求人があり、専任のコンサルタントが求人の提案から書類・面接対策、年収などの交渉まで支援する | 建設コンサルタントなどの設計職や、建設の技術職へ移りたい人 |
| メイテックネクスト(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(製造業・メーカー・ITのエンジニア) | 電気・電子・半導体、機械・メカトロなどのエンジニア求人があり、専門のコンサルタントが相談、職務経歴書の書き方、面接対策を支援する | 機械・電気電子の設計経験を、メーカーなどで活かしたい人 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 公開求人が多く、建設コンサルタントの求人も幅広く比べられる。書類の添削、面接対策、企業とのやり取りの代行がある | 業界や職種をまだ絞り込めていない人 |
迷ったら、業界特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。
よくある質問
- 技術士補は意味ない資格ですか?
資格手当は月数千円で、これだけで採用が決まる資格ではありません。ただ、建設コンサルタントの設計職では、技術士補を必須や歓迎にする求人があり、RCCMと並べて条件にする会社もあります。技術士を目指す人を育てる会社では、評価される場面があります。
- 第一次試験に合格すれば、「技術士補」と名乗れますか?
名乗れません。合格すると技術士補となる資格を得ますが、日本技術士会に登録して初めて「技術士補」になります。登録前に名称を使うと罰則の対象になるため、登録するまでは「第一次試験 合格」と書いてください。登録には、同じ技術部門の補助する技術士を定める必要があり、登録免許税15,000円と登録手数料8,100円がかかります。
- 第一次試験に受からないと、第二次試験は受けられませんか?
第二次試験には、技術士補となる資格が必要です。第一次試験の合格か、文部科学大臣が指定した教育課程(JABEE認定プログラムなど)の修了のどちらかで得られます。そのうえで、監督者のもとでの4年超の経験、技術士補としての4年超の補助、または7年超の業務経験のどれかが必要です。
- どの部門で受験すればよいですか?
第一次試験では、専門科目で答える部門を1つ選びます。実務に近い部門を選ぶと、専門科目の準備が楽になります。第二次試験は、第一次試験に合格した部門に限らず、どの部門でも受けられるので、あとから別の部門に挑戦することもできます。
- 独学で合格できますか?
過去問題と正答が日本技術士会のサイトで公開されているため、独学でも合格は可能です。基礎科目と適性科目は全部門で共通なので、頻出論点に絞った対策が近道です。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。
- 技術士補の登録は更新が必要ですか?
日本技術士会の資料では、技術士・技術士補の登録は終身有効とされています。ただし、業務を廃止するときや本人が亡くなったときは、届け出が必要です。更新制のRCCMとは、この点が違います。
まとめ:あなたの次の一手
技術士第一次試験の合格は、設計・計画の仕事で、技術士を目指す途中にいる人材だと示せる資格です。一方で、資格単体で採用が決まるわけではなく、手当も大きくはありません。経験と組み合わせるか、育成枠を選ぶことで、効果が出ます。
あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。
参考