スポーツイベント検定は転職に役立つ?試験の中身・合格率と、仕事での活かし方

「スポーツイベント検定を取れば、スポーツ関係の転職で有利になるのかな」
「受験料も勉強の時間もかかるのに、求人で見てもらえなかったらどうしよう」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、スポーツイベント検定は、スポーツ大会や施設イベントの運営・企画に関わる人が、運営の仕組み・マーケティング・リスク管理を体系的に学んだと示せる検定です。ただし、資格名を条件にした求人は確認できず、資格だけで採用が決まる資格ではありません。

一方で、受験資格がなく、公式テキスト1冊から出題されるため、受けるハードルは高くありません。それでも合格率は2020年度以降40〜64%で、同じ団体の3つの検定のなかでは6年続けて最も低く、「申し込めば受かる」試験でもありません。

この記事では、主催団体の公式情報と、実際のスポーツイベント・スポーツ施設運営の求人をもとに、試験の中身、求人での扱われ方、勉強の進め方、仕事や転職での使い方を解説します。

結論:スポーツイベント検定は転職に有利?

結論は「資格名だけでは転職で有利にならない。スポーツイベントや施設運営の経験・志望と組み合わせて、運営の知識を説明する材料として使う資格」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
スポーツイベント・施設運営の経験あり
+
資格あり
○ 現場の経験を、運営の知識で裏づけて説明できる 職務経歴書に、知識を使った場面と結果を書く
スポーツイベント・施設運営の経験あり
+
資格なし
△ 評価は経験で決まる。知識の整理としては役に立つ 運営の全体像を学び直したいなら受験を検討する
スポーツイベントの仕事は未経験
+
資格あり(または取得予定)
△ 決め手ではないが、未経験可の求人では志望理由の裏づけになる 未経験可の求人に、学んだ内容を添えて応募する

この検定は、競技の指導や選手を支える技術を認める資格ではありません。スポーツイベントを企画・運営する側の考え方を、公式テキストの範囲で確かめる試験です。

スポーツイベント検定とは?1分でわかる基本情報

スポーツイベント検定は、一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)が実施する民間の検定です。JACEは、博覧会・展示会・フェスティバル・会議・スポーツなどのイベントと、イベント産業の振興を目的にした団体で、人材育成の事業として「イベント業務管理士」と3つの検定の資格認定を行っています。

公式ページは、この検定の目的を「スポーツイベントを通じた自己実現や社会貢献ができる人材育成」と説明しています。経済産業省の後援事業ですが、JACEの検定ガイドには「個々の資格保有者の能力を経済産業省が保証するものではありません」とあり、国家資格ではありません。

2026年度の試験概要

項目 内容
主催 一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
資格の種類 協会の民間検定(業務独占ではない。経済産業省後援事業)
受験資格 なし(どなたでも受験できる)
試験方式 CBT方式(全国のテストセンターでパソコンを使って受験)
出題形式 択一式(選択式)50問、60分
合格基準 70点以上(1問2点×50問のため、35問以上の正解)
試験期間 前期:2026年7月1日〜31日(終了)/後期:2026年11月1日〜30日(期間内なら好きな日時を予約できる)
申込 後期は11月27日(23:59)まで。CBTSの試験サイトで会場と日時を予約する
受験料 一般11,000円(税込)/JACE会員7,700円(税込)
公式テキスト 『スポーツイベントの企画・運営に携わる人のための教科書』(2021年4月発行)3,300円(税込)。会員2,970円。別途送料
試験対策セミナー オンデマンド配信。一般7,700円/会員6,930円(税込)。後期の配信は11月30日まで
合否 受験終了後、会場で合否通知書を受け取る(即日)。合格証は翌日以降にマイページから出力
合格率 2025年度:46%(受験者302人・合格者141人)
次年度の日程 2027年度の日程は、確認日時点で公式ページに記載がない

出典:スポーツイベント検定|JACE イベント検定ポータルサイト、よくある質問、検定ガイド、CBT-Solutions 試験案内 (2026年10月3日確認) ※受験前に必ず公式サイトの最新の案内を確認してください。

JACEの会員料金は、協会の正会員・賛助会員になっている会社・団体・学校に勤めている人(グループ会社は除く)と、会員の大学・専門学校に通う学生が対象です。対象でない人が会員料金で申し込むと、あとから差額を請求されます。

受験は、自宅のオンラインではなくテストセンターで行う

この試験は、自宅のパソコンで受けるオンライン試験ではありません。JACEは「CBT方式とは全国のテストセンターでパソコンを使った受験方式」と説明していて、試験は株式会社CBT-Solutions(CBTS)が運営するテストセンターで受けます。

申込の流れは、CBTSの試験サイトでユーザー登録し(JACE主催の試験を初めて受けるときだけ)、「一般社団法人 日本イベント産業振興協会」の試験から一般用か会員用を選び、会場と日時を決めて支払う、という順番です。受験票は郵送されません。

当日に押さえておくことは次のとおりです。

  • 本人確認証を持っていく。予約時刻の30〜15分前に受付を済ませ、予約時刻を過ぎると入室できない
  • スマートフォンや腕時計などの持ち物は、すべてロッカーに預ける。メモ用紙とペンは貸し出される
  • 受験日・会場の変更とキャンセルは、受験日の3日前までマイページからできる。2日前からは一切できない
  • 同じ試験期間内なら再受験できる。再受験の予約は申込日から3日目以降で、有料

出題範囲は、公式テキストの4章15節

JACEは、出題は主に公式テキストから行われると案内しています。テキストの章立ては次のとおりです。

章 節
第1章 スポーツイベントを学ぶにあたって スポーツイベントとは/スポーツイベントの歴史/日本のスポーツ政策/イベントの基礎知識(広告から見たイベント産業)
第2章 スポーツイベントのマネジメント スポーツイベントの基礎構造/プロジェクトマネジメント/リスクマネジメント
第3章 スポーツイベントのマーケティング マーケティング/メディアビジネス/地域活性化
第4章 スポーツイベントの発展性・可能性 ツーリズム/障がい者スポーツ・ユニバーサルスポーツ/スポーツボランティア/テクノロジー/都市経営・サステナビリティ・SDGs

章ごとの出題数や配点は、公式に公表されていません。

合格率は4割台が中心。3つの検定のなかでは最も低い

JACEは、3つの検定の合格率を年度ごとに公表しています。スポーツイベント検定の推移は次のとおりです。

年度 受験者数 合格者数 合格率(JACE公表) 同じ年度の他の2検定
2018年度 115人 100人 87% イベント検定77%/ユニバーサル86%
2019年度 123人 100人 81% イベント検定72%/ユニバーサル95%
2020年度 244人 115人 47% イベント検定78%/ユニバーサル95%
2021年度 216人 111人 51% イベント検定83%/ユニバーサル88%
2022年度 253人 108人 42% イベント検定83%/ユニバーサル89%
2023年度 221人 142人 64% イベント検定67%/ユニバーサル84%
2024年度 317人 129人 40% イベント検定62%/ユニバーサル85%
2025年度 302人 141人 46% イベント検定65%/ユニバーサル91%

出典:よくある質問|JACE イベント検定ポータルサイト(2026年10月3日確認)

2018・2019年度は8割台でしたが、受験者が200人を超えた2020年度以降は40〜64%で、毎年、3つの検定のなかで最も低い合格率です。受験者数は2018年度の115人から、2025年度には302人に増えています。

受験資格がなく、50問中35問を取れば合格できる試験ですが、受験者の半数以上が不合格になる年が続いています。テキストを流し読みしただけで受けると、落ちる可能性が高い試験だと考えておきましょう。

求人でスポーツイベント検定はどう扱われているか

資格名を条件にした求人は確認できなかった

2026年10月3日に、求人検索サイトの求人ボックスで「スポーツイベント検定」と検索しました。表示件数は1万件を超えましたが、これは「スポーツ」「イベント」「検定」を別々に拾った結果です。1ページ目の12件を開いて本文を確かめたところ、「スポーツイベント検定」と書いた求人は1件もありませんでした。

続けて、「スポーツイベント 企画運営」「スポーツ大会 運営 マラソン」「スポーツ 指定管理 施設運営」などの仕事内容の言葉でも検索しました。6通りの検索で出た上位の求人31件の本文を開いて調べましたが、「スポーツイベント検定」「イベント検定」「イベント業務管理士」のどれも書かれていませんでした。

この結果だけで市場全体は言い切れませんが、資格名を指定して応募先を探す使い方は、期待しにくい検定です。

スポーツイベントや施設運営の求人は、未経験から応募できるものがある

資格名が書かれていなくても、仕事そのものは求人に出ています。今回開いた3件では、応募条件はこう書かれていました。

会社・職種 応募条件・資格の書かれ方
株式会社エール・クリエート「プロスポーツイベントの企画運営」(千葉市) 未経験OK・学歴不問。普通自動車免許(AT限定可)があれば尚可。資格取得支援・手当あり(対象の資格名の記載なし)
株式会社長野日報社「マラソン大会運営事務局」(長野県諏訪市) 未経験者歓迎・学歴不問。普通免許が必要。基本的なPCスキル(Excel・Word)
株式会社ランナーズウェルネス「スポーツイベントの企画・運営業務」(神奈川県藤沢市) 求人ページに応募条件の記載なし。資格名の記載もなし

出典:求人ボックスの各求人ページ(エール・クリエート、長野日報社、ランナーズウェルネス。2026年10月3日確認)

スポーツイベントの運営会社には、未経験から入って現場で仕事を覚える前提で採用している例があるということです。この検定は、そうした採用で「必要な資格」ではなく、「業界の基本を学んできた」と示す材料になります。

経験者向けの求人は、実務経験を条件にしている

大手のイベント会社では、スポーツも担当領域の一つとして扱われます。JACEのジョブチャレンジ情報掲示板(JACE会員社のキャリア採用)に載っている株式会社JTBコミュニケーションデザインの「ミーティング&イベントプロデューサー」は、担当するイベントに「一般企業、製薬業界、展示会、スポーツなど」を挙げています。ただし必須条件は「イベント業界における実務経験」で、資格名の記載はありません(東京本社・年収400万〜800万円程度、見込み残業手当を含む)。

出典:JACEジョブチャレンジ情報掲示板、JTBコミュニケーションデザインの採用ページ(2026年10月3日確認)

主催団体は「転職のアピールポイントになる」と説明している

JACEの検定ガイドには、イベントの基礎を身につけることが「就活やキャリアアップ、転職へのアピールポイントになる」とあります。FAQでも、検定の知識は「実際の業務や発注の際に役に立つ」と案内しています。

これは主催団体の説明です。求人の側が資格名を条件にしているかどうかは別の話で、前の項で見たとおり、確認できたかぎりでは条件になっていません。

スポーツイベント検定が転職で有利にならないケース

(1)資格だけで応募する場合

経験者向けの求人は、実務経験が必須です。資格があっても、実務経験の代わりにはなりません。未経験可の求人に応募するときも、資格を書くだけでは足りません。「どんなスポーツイベントの、どの仕事をしたいか」を自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

(2)競技の指導や選手のサポートの仕事を目指す場合

この検定は、イベントを企画・運営する側の検定です。コーチやトレーナーなど、競技の指導や選手を支える仕事では、別の資格や指導経験が見られます。スポーツに関わる仕事であれば何にでも通じる資格ではありません。

(3)資格名を決め手に求人を探す場合

資格名で探しても、求人はほとんど見つかりません。「スポーツイベント」「大会運営」「スポーツ施設運営」といった仕事内容の言葉で探し、そのうえで歓迎資格の欄を読む使い方が現実的です。

(4)資格名だけを職務経歴書に書く場合

この検定の受験者は、年に数百人規模です。JACEによると、学校がJACEの賛助会員になれば、授業の一環として検定を実施することもできます。実際に、専門学校のスポーツビジネスコースには、この検定の合格を授業の目標にした科目(2024年度のシラバス)があります。「スポーツイベント検定 合格」と書くだけでは、他の応募者と差がつくとは限りません。学んだ内容と、使った場面を一緒に書く必要があります。

これは「取っても意味がない」という話ではありません。運営の知識を体系的に学び、現場の経験や志望と結びつけて話せる人にとっては、役に立つ資格です。次の章で、立場別の活かし方を見ていきます。

【立場別】あなたの場合、スポーツイベント検定は役に立つ?

スポーツイベント・施設運営の経験者は、現場の判断を知識で説明できる

もっとも活かしやすいのがこのタイプです。スポーツ大会の運営では、当日の進行や安全管理、トラブル対応、報告書の作成まで、数多くの判断があります(エール・クリエートの求人の仕事内容より)。その判断を「前からこうしてきた」という経験談だけでなく、プロジェクトマネジメントやリスクマネジメントの考え方にそって説明できるようになります。

公式テキストの第2章はプロジェクトマネジメントとリスクマネジメント、第3章はマーケティングとメディアビジネス、地域活性化を扱います。協賛企業との調整や、自治体・関係団体との連携など、大会の運営事務局の仕事(長野日報社の求人の仕事内容より)と重なるところを、面接や提案の場で言葉にできます。

スポーツ好きの未経験者は、「好き」を運営の言葉に置き換える入口になる

スポーツイベントの仕事に興味があっても、応募書類に「スポーツが好き」としか書けないと、他の応募者との違いが出ません。JACEによると、この検定は実務経験を問わず誰でも受験できます。公式テキストを読むと、大会がスポンサーやメディアとどう結びついて成り立つのか、安全を守るための考え方、地域とのつながりを知ることができます。

未経験可の求人は、今回確認した3件のうち2件で確認できました。そのうえで、面接では「大会の裏側を学んだ」で終わらせず、「どの仕事の、どの場面に関わりたいか」まで話せるようにしましょう。

スポーツ団体・自治体・企業でスポーツイベントを主催・発注する担当者は、業者への依頼と確認に使える

JACEのFAQは、検定の知識は「実際の業務や発注の際に役に立つ」と案内しています。大会を自分たちで運営しなくても、運営会社に依頼する側の担当者が、警備や救護、協賛、集客の考え方を知っていれば、見積書や運営計画のどこを確認すればよいかが分かります。社内の異動でこうした担当になる人が多いため、この立場の求人例は挙げていません。

スポーツイベント検定を活かせる仕事と年収の目安

資格名で募集される仕事はないため、ここでは「学んだ運営の知識を日々の仕事で使える職種」として整理します。

仕事 主な内容 資格の効き方 求人に書かれた給与の例
スポーツイベントの企画・運営(運営会社) 大会の企画、会場設営の計画、当日の進行・安全管理、報告書の作成 ○ 運営の全体像と安全管理の考え方に使える エール・クリエート:月給23万円〜、想定年収300万〜400万円(1年目の想定額)
市民マラソンなど大会の企画・運営 コース設計、給水所の計画、警備・会場案内、送迎・輸送計画、当日の運営管理 ○ 計画の抜けを探す視点になる ランナーズウェルネス:月給243,480〜420,000円(33時間分の固定残業代50,540〜87,170円を含む)、賞与は前年度実績で計2.7か月分
大会の運営事務局 参加者への案内・問い合わせ対応、協賛企業や関係機関との調整、資料作成、当日の運営準備 ○ 協賛・メディア・地域の知識が会話の土台になる 長野日報社:月給22万円以上、賞与年2回
イベント会社のプロデューサー・ディレクター 企画提案から準備、運営、進行管理まで △ 採用は実務経験で決まる JTBコミュニケーションデザイン:年収400万〜800万円程度(見込み残業手当を含む)。必須は業界の実務経験

出典:求人ボックスの各求人ページ、JACEジョブチャレンジ情報掲示板(2026年10月3日確認)。給与は会社・勤務地・経験で大きく変わり、資格の有無で決まる金額ではありません。固定残業代や休日の条件は、求人ごとに違います。

イベントの開催日に出勤する働き方になる点は、応募前に確認しておきましょう。たとえばランナーズウェルネスは「原則、土・日・祝休み。イベントがある場合は出勤日」、エール・クリエートは「イベント開催に応じた勤務時間、休日の設定」と書いています。

あわせて取得すると強い資格

イベント検定(JACE)

イベントの目的設定から企画・運営までの基礎を、スポーツに限らず体系的に学ぶ検定です。JACEは、最初に取るなら「イベント検定」をすすめていて、そのあとに「スポーツイベント検定」と「ユニバーサルイベント検定」のテーマ検定へ進む順番を案内しています。ただし、目的やテーマがはっきりしているなら、テーマ検定から受けてもよいとも書いています。

スポーツイベントに絞って学びたい人は、この検定から受けて問題ありません。スポーツ以外のイベントにも関わる可能性があるなら、あとからイベント検定を足すと、広い範囲の基礎がそろいます。公式FAQに、3つの検定は同じ試験期間の中で複数を受験できるとあります。

イベント業務管理士(JACE)

イベントの企画から制作までの実務知識を認定する、同じ団体の資格です。2級の受験資格は、イベントの実務経験2年以上(アルバイトの経験も含む)で、1級は2級の登録者で実務経験5年以上です。受験資格に書かれているのは実務経験で、検定の合格は条件に入っていません。

イベント関連の求人で資格名を目にするのは、こちらです。たとえば株式会社一旗の「ディレクター」(名古屋市)は、歓迎資格に「イベント業務管理士」を挙げています。実務経験を積んだあとの次の目標として、頭に入れておくとよい資格です。

公認スポーツ施設管理士(公益財団法人日本スポーツ施設協会)

体育館やプールなどのスポーツ施設の維持管理・運営の知識を認定する資格です。施設運営の仕事に進みたい人に向いています。令和7年度の大阪開催の要項では、養成講習会(3日間)の受講と資格認定試験の合格が必要で、受講料28,000円・受験料15,000円・登録料20,000円とされています。開催地や年度によって、日程や費用は変わります。

出典:イベント業務管理士資格試験|JACE、一旗の求人(求人ボックス)、令和7年度 公認スポーツ施設管理士養成講習会・資格認定試験 開催要項(2026年10月3日確認)

スポーツイベント検定に合格するための勉強法

公式テキスト1冊を、章ごとに読み切る

出題は主に公式テキストからと案内されているので、勉強の中心はこの1冊です。JACEのホームページから、3,300円(税込)で買えます。書店での取り寄せやAmazon、デジタル版もあります。

受験料11,000円とテキスト3,300円を合わせて、14,300円(送料を除く)が基本の費用です。JACEの会員は、受験料7,700円とテキスト2,970円で、合わせて10,670円です。

独学が不安なら、JACEが配信するオンデマンドのオンラインセミナー(一般7,700円・税込)もあります。テキストにそって重要項目を解説する内容で、配信期間中は何度でも視聴できます。公式ページには、セミナーは昨年配信したものと同じ内容と書かれています。

学習時間の目安は、公式に示されていません。目安として、テキストは4章15節なので、1日1節ずつ読めば15日で一巡できます。

合格率が低いのは、範囲が広く、種類の違う問題が混ざるため(見立て)

4割台の合格率の理由を、公式は説明していません。以下は、テキストの章立てから考えた勉強上の見立てです。

  • 暗記で解く範囲と、考えて解く範囲が混ざる
    第1章の歴史・政策・広告産業は、用語や制度名を覚える範囲です。第2章のプロジェクトマネジメントとリスクマネジメントは、手順や考え方の違いを区別できるかが問われやすい範囲です
  • 話題が広く、1節ごとの分量は薄くなりがち
    メディアビジネス、ツーリズム、障がい者スポーツ、ボランティア、テクノロジー、SDGsまで続くため、節ごとに「何の話か」を一言で言えるようにしておく必要があります
  • テキストの発行は2021年4月
    スポーツ政策やテクノロジーの話題は、試験でもテキストに書かれた内容が基準になります。最新のニュースで上書きして覚えず、テキストの記載を優先します

直前期は、章ごとに「一言まとめ」を作り、間違えた節だけ読み返す

テキストを一通り読んだら、試験の1〜2か月前は、「分かったつもり」を洗い出す時期です。公式ページでは、過去問題集の案内は確認できませんでした。そのため、自分で確認用の材料を作ります。

  • 15節それぞれについて、見出しを見ただけで内容を一言で言えるかを確かめる
  • 用語・制度名・手順を並べた一覧を、章ごとに作る
  • 言えなかった節に印を付け、2周目は印を付けた節だけ読み返す

最後に、60分で50問を解く時間配分(1問あたり約1分)を意識しておきましょう。CBTSのサイトにはCBT体験試験があり、パソコンで解答する操作に慣れておけます。

スポーツイベント検定を仕事と転職に活かす進め方

仕事内容の言葉で、求人を探す

資格名では求人が見つかりません。求人サイトでは、「スポーツイベント 企画運営」「マラソン大会 運営」「大会運営 事務局」「スポーツ施設 運営管理」のような、仕事内容の言葉で探しましょう。

応募前には、次の3点を求人票で確認します。

  • 大会やイベントの開催日に出勤する働き方か(休日の取り方)
  • 固定残業代が何時間分含まれているか
  • 普通自動車免許が必要か(大会会場への移動に社用車を使う求人があります。ランナーズウェルネスは進行対応にハイエース等の社用車を使うと書いています)

職務経歴書・志望動機には、学んだ内容と場面を書く

資格欄に「スポーツイベント検定 合格」とだけ書いても、何ができる人なのかは伝わりません。経験がある人は業務内容の欄に、未経験の人は志望動機の欄に、次のように具体的に書きましょう。

  • 「スポーツイベント検定で学んだリスクマネジメントの考え方を使い、大会当日の救護・誘導の手順を見直した」
  • 「公式テキストで、協賛・メディア・地域との関わりを学び、大会の運営事務局の仕事に関心を持った」

数字や結果は、自分の実績に合わせて書きます。合格証は、試験日の翌日以降にCBTSの試験サイトのマイページから出力できます。合格者は、名刺などに検定のロゴと検定名を入れることもできます(JACEのFAQ)。

面接では、公式テキストの章と、応募先の仕事を結びつけて話す

面接では、「公式テキストの第2章で学んだ考え方を、この大会運営のどの場面で使いたいか」まで話せると、資格名を超えて伝わります。応募先が運営している大会や施設を調べ、地域活性化やボランティアなど、テキストの話と重なる点を1つ見つけておきましょう。

JACEのジョブチャレンジ情報掲示板は、イベント業界の経験者向けに、JACE会員社の採用情報を載せています。2026年10月3日時点の6社は、MICE・広告・映像・ディスプレイ関連の会社で、スポーツイベントを事業の中心に挙げた会社はありませんでした。スポーツ中心の求人は、求人サイトで探すほうが見つかりやすいでしょう。

よくある質問

スポーツイベント検定は意味ない資格ですか?

資格名を条件にした求人は確認できず、転職の決め手にはなりません。一方で、スポーツイベントの運営の仕組みを体系的に学べるため、運営の仕事に就きたい人が、志望動機を支える知識として使う意味はあります。

自宅のパソコンでオンライン受験できますか?

できません。全国のCBTSのテストセンターで、会場のパソコンを使って受験します。試験期間(2026年度の後期は11月1日〜30日)の中で、会場と日時を予約します。オンラインなのは、JACEが配信する試験対策セミナー(オンデマンド)のほうです。

合格率と難易度はどれくらいですか?

2025年度の合格率は46%(受験者302人)です。2020年度以降の6年間は40〜64%で、毎年、同じ団体の3つの検定のなかで最も低くなっています。受験資格はありませんが、公式テキストを通読して、50問中35問を取れる状態にしてから受けましょう。

イベント検定とスポーツイベント検定は、どちらから受けるべきですか?

JACEは、最初に取るならイベントの基礎を学ぶ「イベント検定」をすすめています。ただし、目的やテーマがはっきりしているなら、テーマ検定から受けてもよいとも書いています。スポーツイベントの運営に絞って学びたいなら、スポーツイベント検定から始めて構いません。

同じ団体のイベント業務管理士とは、何が違いますか?

イベント業務管理士は、イベントの実務経験(2級は2年以上)を受験資格とする資格で、求人の歓迎条件にも名前が出ます。スポーツイベント検定は、受験資格がなく、スポーツイベントに絞った検定です。どちらを先に受けるかは、実務経験の有無で決まります。

資格に有効期限や更新はありますか?

公式サイトの検定の案内に、有効期限や更新の制度は確認できませんでした。イベント業務管理士には登録・更新の案内ページがありますが、検定のページにはありません。履歴書に書く前に、気になる点はJACEのお問い合わせ(infojace@jace.or.jp)で確かめておくと安心です。

まとめ:あなたの次の一手

スポーツイベント検定は、資格名で転職が有利になる資格ではなく、スポーツイベントや施設の運営に関わりたい人が、仕事の仕組みを体系的に学び、説明できるようにするための資格です。確認できた求人は、資格名ではなく、仕事内容と人柄・意欲を見ていました。

スポーツイベントや施設運営の仕事をしている人は、公式テキストを通読して受験し、現場の判断を言葉にする材料にしましょう。未経験の人は、未経験可の求人に応募しながら、志望動機を支える学習として使うのが現実的です。合格率が低めの試験なので、テキストを一周して終わりにせず、章ごとの確認までやってから受けてください。

公式ページで試験日程と申込方法を確認する

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。