気象予報士は転職に有利?求人での評価と、資格が必須の仕事・なくても入れる仕事

「気象予報士を取れば、転職で有利になるのかな」
「合格率は5%前後と聞くけれど、取っても気象の仕事に就けなかったらどうしよう」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、気象予報士は、気象会社の予報業務や、放送・防災の現場で気象の知識を仕事にしたい人には、転職で強い武器になる資格です。気象庁の制度で、予報業務を行う事業者は気象予報士に予想をさせなければならず、求人にも「気象予報士資格保有が必須」と書かれる職種があります。

一方で、気象に関わる仕事のすべてが資格を求めているわけではなく、資格だけで就職先が決まるわけでもありません。同じ会社の採用ページに、資格が必須の職種と、資格を問わない職種が並んでいるからです。

この記事では、気象業務支援センター・気象庁の公表データと、気象会社や放送局の求人の記載をもとに、気象予報士が転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:気象予報士は転職に有利?

結論は「予報そのものを作る仕事では有利、それ以外の気象関連の仕事では資格以外の力も問われる」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
気象会社の予報業務に就きたい
+
資格あり(登録済み)
◎ 「資格必須」の求人に応募できる 予報業務の経験や、夜勤・休日勤務への対応を整理して応募する
気象会社の予報業務に就きたい
+
学科に合格、または勉強中
○ 学科合格でも応募できる求人がある 実技に合格して登録まで進めながら、応募できる求人を探す
システム開発・データ解析の経験あり
+
資格なし
○ 資格を問わない気象関連の求人がある 資格がなくても応募できる求人を探し、入社後に取得を狙う
気象と関係のない仕事を続ける
+
資格あり
△ 本業の職場では評価されにくい 放送・教育・防災など、気象を使える職場を探す

気象予報士の求人は、気象会社・放送・防災など限られた分野に集まっています。取る前に「どの仕事に使うのか」を決めておくと失敗しにくくなります。

気象予報士とは?1分でわかる基本情報

気象予報士は、気象庁長官の許可を受けて天気などの予報業務を行う事業者が、予想を任せなければならない国家資格です。試験は、気象庁長官の指定を受けた一般財団法人 気象業務支援センターが行っています。合格しただけでは名乗れず、気象庁長官の登録を受けて、はじめて気象予報士になります。

制度の目的は、気象庁が出す数値予報などの高度なデータを、民間の事業者が正しく使える技術者を確保することです。そのため、気象会社で予報を出す仕事には、この資格が必要になります。

2026年度(令和8年度)試験の概要

項目 内容
実施 一般財団法人 気象業務支援センター(気象庁長官の指定試験機関)
受験資格 制限なし(気象業務法による処分を受けた場合を除く)
試験の形式 学科試験(マークシートの多肢選択式)と実技試験(記述式)。学科2科目と実技2科目は同じ日に行われる
学科試験 予報業務に関する一般知識(60分・15問)、予報業務に関する専門知識(60分・15問)
実技試験 実技1・実技2(各75分)。気象概況とその変動の把握、局地的な気象の予想、台風等緊急時における対応
合格基準 学科は各科目15問中11問以上の正解。実技は総得点が満点の70%以上。難易度により調整する場合がある
受験手数料 免除なし11,400円/学科1科目免除10,400円/学科2科目免除9,400円
第1回の日程 申請 2026年6月15日〜7月3日、試験 2026年8月23日、合格発表 2026年10月9日
第2回の日程 申請 2026年11月16日〜12月4日、試験 2027年1月31日、合格発表 2027年3月19日(暫定の日程のため変更の可能性あり)
登録 合格後に気象庁へ登録申請。登録手数料は書面3,600円、オンライン2,900円
登録者数 12,921人(2026年3月31日時点)

出典:気象業務支援センター 試験概要、試験日程、令和8年度第1回 受験案内(PDF)、気象庁 気象予報士について、気象庁 気象予報士の登録の申請 (2026年10月3日確認) ※受験前に必ず気象業務支援センターの最新の受験案内を確認してください。

学科は「合格した科目」と「業務経歴」で免除される

学科試験には、免除の仕組みが2つあります。

  • 学科に合格した科目の免除:一般知識・専門知識のどちらか、または両方に合格すると、申請により、合格発表日から1年以内に行われる試験で、合格した科目が免除されます。合格発表後に年2回の試験があるので、学科を先に仕上げ、次の1年で実技に絞る進め方ができます
  • 気象業務の業務経歴による免除:予報業務に、養成課程の修了や技術士(応用理学部門)の登録とあわせて3年以上、または国の行政機関で7年以上従事した人は、証明書を添えて申請すると、学科の一般知識と専門知識の両方が免除されます。観測業務に従事した人は、一般知識が免除されます

どちらの免除も、実技試験は対象外です。気象予報士になるには、最後に実技試験に合格する必要があります。

出典:令和8年度第1回 受験案内(PDF)の「科目免除」「業務経歴による免除の詳細」 (2026年10月3日確認)

合格率は5%前後で、1回の合格者は200人台

試験日 通算回 受験者数 合格者数 合格率
2023年8月27日 第60回 4,290人 206人 4.8%
2024年1月28日 第61回 3,928人 242人 6.2%
2024年8月25日 第62回 4,268人 248人 5.8%
2025年1月26日 第63回 4,034人 244人 6.0%
2025年8月24日 第64回 4,048人 210人 5.2%
2026年1月25日 第65回 3,932人 208人 5.3%

合格率は、受験者に対する合格者の割合です。第1回(1994年)から第65回までの通算では、受験者243,940人に対して合格者13,433人で、平均の合格率は約5.5%でした。受験資格に制限がないため、学科に初めて挑む人から、免除を使って実技だけに臨む人まで、さまざまな人が同じ試験を受けています。気象業務支援センターは、学科だけの合格率を公表していません。

出典:気象業務支援センター 気象予報士試験 実施状況(統計情報PDF・2026年3月13日掲載)の各回の行(受験者数・合格者数・合格率の列) (2026年10月3日確認)

転職で気象予報士が評価される理由

予報そのものを作る仕事では、資格が応募の条件になる

気象会社の採用ページを開くと、予報を作る職種には資格の条件がはっきり書かれています。

  • 日本気象協会の気象予報(予測)業務(契約職員):特定のお客様を対象にした気象予測と、電話・Webでのコンサルティングを担当します。募集ページに「気象予報士資格保有が必須」と書かれています
  • 日本気象協会の道路・鉄道事業者向けの気象予測・コンサルティング業務(契約職員):応募資格は「気象予報士資格を保有すること」で、「気象予報士資格を目指す方もご相談ください」と添えられています
  • アース・ウェザーの予報部(正社員):国内外の陸上・海上の予報を行う仕事で、「気象予報士資格 必須」と書かれています
  • 気象サービスの気象予報士(正社員または契約社員):「気象予報士資格を持ち、気象事業団体での予報業務経験者」が条件です

資格が必須になる理由は、制度にあります。予報業務を行う事業者は、予想を気象予報士に行わせなければならないため、資格がない人を採用しても、予報の仕事は任せられません。

「優遇」「望ましい」「学科合格でも可」と書く求人もある

予報に近い仕事でも、条件の書き方は求人によって違います。日本気象協会の「各地域での情報サービス業務」の募集は、勤務地ごとに次のように書き分けられています。

勤務地・業務 気象予報士資格の扱い
東京(気象予報(予測)業務) 保有が必須
東京(気象予報(解説)業務) 保有者を優遇
北海道(気象予報(解説)業務) 保有者を優遇
関西(気象予報(解説・予測)業務) 保有者は優遇。学科試験のみ合格で気象予報士を目指す方の応募も可能
中部(気象予報(解説・予測)業務) 保有が望ましい。気象予報士・技術士の保有者を優遇

派遣の求人にも、同じ書き方があります。株式会社ヒューマントラストの大阪の派遣求人(時給1,800円)は、メディアへの気象解説や電話コンサルティングなどの業務で、「気象予報士の学科試験を合格し気象予報士を目指す方の応募OK」「気象予報士資格をお持ちの方、気象予報士業務の経験者歓迎」と書かれています。

つまり、学科に合格した段階で応募できる求人が、実際にあります。実技に合格して登録するまで待たなくても、気象の現場に入る道が開ける場合があります。

資格を問わない仕事も、同じ会社に並んでいる

気象会社には、予報を作る人以外の仕事もあります。気象データを配信するシステムを動かす人、データを解析する人、観測機器を点検する人などです。

  • 日本気象協会の気象ビッグデータ解析・システム関連の募集は、再生可能エネルギー(太陽光発電出力など)の予測技術の開発と、気象情報を配信するシステムの運用・保守を募集しており、応募資格は「資格要件なし」です
  • 日本気象協会 関西支社の情報システム業務は、「気象予報士資格は問いません」と書かれています
  • 気象サービスの運用オペレーター(アルバイト)は、資格の欄にPCの基本操作と、地道な作業が苦にならないことが書かれています。業務は、気象データを配信する社内システムの監視と技術サポートです
  • サニースポットのシステム部(正社員)は、気象・予測業務に関わるシステムの企画・開発・運用で、気象予報士資格は「優遇」、募集職種の経験は「未経験OK」です

日本気象予報士会の求人案内を整理した資料(2024年9月〜2025年8月)でも、求人は基本的に有資格者を前提にしたものが中心ですが、資格が明記されていない求人もあります。実務経験を優遇する求人が目立つ一方で、新規の人を歓迎する求人も増えてきたと整理されています。

気象の仕事に就くことと、気象予報士であることは、同じではありません。資格が必要な職種に就きたいなら取得が先ですが、システムやデータの力があれば、資格より先に気象会社へ入る道もあります。

気象予報士の資格手当は、今回開いた気象会社の採用ページには書かれていませんでした。給与は「経歴により応相談」「技術、経験、能力を考慮の上、決定」といった書き方です。手当が見つかった例は、北海道文化放送の報道記者の募集で、「報道記者で気象予報士を持っていると、月5000円」とあります。対象や金額は会社ごとに違うため、応募前に確認が必要です。

出典:日本気象協会 気象予報(予測)業務、日本気象協会 気象予測・コンサルティング業務、日本気象協会 各地域での情報サービス業務、日本気象協会 気象ビッグデータの解析・システム関連、気象サービス 採用情報、アース・ウェザーの求人(求人ボックス)、サニースポットの求人(求人ボックス)、大阪の派遣求人(求人ボックス)、北海道文化放送の求人(求人ボックス)、日本気象予報士会の求人案内の資料(日本気象学会関西支部) (2026年10月3日確認。求人は掲載の終了や条件の変更があります)

気象予報士が転職で有利にならないケース

ここまで読むと頼もしい資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。

(1)気象と関係のない仕事に転職する場合

気象庁が令和2年度に気象予報士を対象に行った調査では、資格が仕事や社会活動に「役立った」と答えた人は全体の58%でした。勤務先で分けると、予報業務許可事業者、テレビ局・新聞社などの報道関係、地方自治体(防災関係)では約8割以上が「役立った」と答えた一方、製造関係と飲食関係では3割未満でした。気象を扱わない職場では、活かす場面がほとんどありません。

(2)予報の実務経験がなく、資格だけで勝負する場合

気象サービスの気象予報士の募集は、資格に加えて「気象事業団体での予報業務経験者」を求めています。日本気象予報士会の資料でも、実務経験を優遇する求人が目立つと整理されています。資格は応募の入口になりますが、経験者との競争では、経験の有無が選考に響きます。

未経験で入るなら、学科合格者や資格を目指す人を受け入れている求人、資格を問わないシステム・データ職を選ぶ方が現実的です。

(3)学科に受かっただけで、登録をしていない場合

学科試験に合格しても、気象予報士にはなりません。気象予報士になるには、実技試験にも合格し、気象庁へ登録することが必要です。学科合格は、気象予報士の資格としては書けません。「学科試験合格(実技試験に挑戦中)」のように、事実のとおりに書きましょう。

(4)資格を取れば仕事が見つかると考えている場合

同じ調査で、気象予報士の資格に不満を感じた人が挙げた理由で最も多かったのは、「気象予報士資格を活用できる場が少なかった」(79%)でした。「就職や転職、起業につながらなかった」も38%です。調査は令和2年度のもので、登録者数は当時の10,880人から、2026年3月には12,921人へ増えています。

とはいえ、「取っても意味がない」という話ではありません。気象予報士の資格に満足している人も、全体の8割いました。使える職場を選んで取れば役立つ資格だということです。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。

出典:気象庁 令和2年度 気象予報士の現況に関する調査(概要)(登録者10,880人を対象に、回収5,226通)、気象庁 気象予報士の統計データ (2026年10月3日確認)

【タイプ別】あなたの場合、気象予報士は武器になる?

気象会社の予報業務に就きたい人は、学科合格から動ける

もっとも有利になるのが、予報や解説を仕事にしたい人です。気象会社の予報業務は夜勤や休日出勤がある仕事で、日本気象協会の予測業務の募集にも「休日・夜間勤務あり」と書かれています。

求人の業務内容から、評価されやすいのは次のような点です。

  • 特定のお客様向けに、気象の予測を出せる
  • 電話やWebで、お客様に気象の見通しと判断材料を説明できる
  • 天気図の作画や原稿作成など、続いている業務を任せられる。日本気象予報士会の資料では、WordやExcelなどPCの基本操作を必須とする求人が多いと整理されています

実技までまだ時間がかかる人は、学科合格の段階で応募できる求人を探しましょう。関西支社の募集や大阪の派遣求人のように、学科合格者や資格を目指す人を受け入れている求人は、現場の仕事を覚えながら実技に挑む道になります。

システム開発・データ解析ができる人は、資格がなくても気象会社に入れる

気象会社には、気象データを加工・配信するシステムや、再生可能エネルギーの発電量を予測する技術を支える仕事があります。日本気象協会の気象ビッグデータ解析・システム関連の募集は資格要件なしで、AIや機械学習による解析、気象モデルを使った数値シミュレーションなどが仕事の内容です。気象サービスのシステム技術者の募集は、Perl・SQL・JavaScriptの知識と経験を求めています。

ITやデータの経験を気象に活かすなら、気象会社の採用ページと並べて、IT・データ職に強いエージェントでも求人を探すと、選べる会社の幅が広がります。

放送・教育・自治体の防災で、今の仕事に気象を足したい人は、役立つ場面が決まっている

気象庁の調査では、資格が役立ったと答えた人のうち、「気象の現象の予想の業務」が38%、「気象や天気予報等の解説の業務」が37%、「教育活動」が33%でした。報道関係では気象や天気予報の解説に、自治体では防災の職場対策に、教育関係では教育活動に役立てている人が多いと整理されています。

求人の例では、放送局の報道記者に気象予報士の資格手当(月5,000円)がある募集や、気象予報士の資格講座の講師(業務委託)を募集する求人があります。気象庁は、地方公共団体で地域の気象と防災に詳しい専門家として活動する「気象防災アドバイザー」を増やすため、気象予報士を対象にした育成研修を実施しています(令和8年度の募集は終了し、来年度の実施は未定と案内されています)。

今の仕事が放送・教育・自治体にあるなら、転職しなくても、資格を取ることで担当できる仕事が広がる場合があります。

気象と関係のない仕事を続ける人は、転職の武器というより自己研鑽になる

製造や営業など、気象を使わない仕事の人が取っても、転職の場面で評価されるとは限りません。気象庁の調査でも、受験の動機で最も多かったのは「気象に関する知識を得たかったから」(61%)で、「就職や転職、起業に有効と考えたから」は29%でした。転職を目的にするなら、上の3つのうち、どの仕事を狙うのかを先に決めましょう。

出典:気象庁 令和2年度 気象予報士の現況に関する調査(概要)、気象庁 気象予報士について、気象庁 気象防災アドバイザー、アガルート 気象予報士講座の講師の求人(求人ボックス) (2026年10月3日確認)

気象予報士を活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 求人の記載
気象会社の予報業務(正社員) 国内外の陸上・海上予報(アース・ウェザー) ◎ 資格必須 月給25万〜35万円(想定年収300万〜420万円。試用期間を含む)
気象会社のシステム部門(正社員) 気象・予測業務のシステムの企画・開発・運用(サニースポット) ○ 資格は優遇、未経験OK 月給33万〜50万円(想定年収400万〜600万円)
気象解説・電話コンサルティング(派遣) メディアへの気象解説、電話コンサルティング、調査・解析の補助(大阪) ○ 学科合格で目指す人も応募可 時給1,800円(22時〜5時は夜勤割増)
気象データの運用オペレーター(アルバイト) 気象データ配信システムの監視・技術サポート(気象サービス) ― 資格の条件なし 時給1,200円、宿直は1回10,400円
放送局の報道記者 取材・原稿・生放送への立ち会い(北海道文化放送) ○ 持っていれば資格手当 月給25万〜54万円(想定年収500万〜850万円)。気象予報士の資格手当は月5,000円
気象予報士講座の講師(業務委託) 受講生の質問対応、講義(アガルート) ◎ 資格保有者が対象 常勤講師は月額報酬25万〜35万円など。完全成果報酬で、非常勤は講義時給制

出典:上の表の各求人(アース・ウェザー、サニースポット、大阪の派遣求人、気象サービス、北海道文化放送、アガルート) (2026年10月3日確認。金額は各求人の記載で、勤務地・経験・勤務形態により異なります。資格保有者の平均年収ではありません)

日本気象予報士会の求人案内を整理した資料では、待遇は月22万〜40万円、時給制や賞与の有無もさまざまで、一般的な業界と大きく変わらないという印象が書かれています。気象予報士の資格があるからといって、年収が大きく上がるとは限りません。年収を左右するのは、資格より職種・勤務形態・経験です。

あわせて取得すると強い資格

防災士

特定非営利活動法人 日本防災士機構が認証する資格で、防災の知識と技能を身につけた人に与えられます。気象庁の調査では、気象予報士の資格と組み合わせて活用できると考える資格として、「防災士」が63%で最も多く挙げられました。気象の予想に、避難や備えの知識が加わるため、自治体の防災や地域活動の場で説明に説得力が出ます。

データ分析・情報処理系の資格

統計検定や情報処理技術者試験のような資格です。気象庁の調査では、組み合わせて活用できると考える資格として2割ほどが挙げています。また、これから維持・向上が必要な技術として、気象データとほかのデータを組み合わせて分析する技術が5〜6割の人に挙げられました。気象庁は、気象・データサイエンス・ビジネスの3領域を学べる「気象データアナリスト育成講座」の認定制度も設けています。

出典:気象庁 令和2年度 気象予報士の現況に関する調査(概要)、日本防災士機構、気象庁 気象データアナリスト育成講座の認定制度 (2026年10月3日確認)

気象予報士に合格するには

学科と実技は、勉強の中身がまったく違う

気象予報士試験は、同じ日に、学科2科目と実技2科目が行われます。

  • 学科:マークシートの多肢選択式です。一般知識(大気の構造、熱力学、降水過程、力学、気象現象、気象業務法などの法規)と、専門知識(観測の成果の利用、数値予報、各種予報、気象災害、予想の精度の評価など)が出ます。どちらも15問中11問以上の正解が必要で、片方だけ取れても学科は合格になりません
  • 実技:記述式です。気象概況の把握、局地的な気象の予想、台風など緊急時の対応について、資料を読み取って答えます。総得点で満点の70%以上が基準です

学科は知識の暗記と理解で点が取れます。実技は、資料を読んで自分の言葉で書く練習が必要です。学科の勉強だけでは、実技の対策にはなりません。

公式の過去問で、学科も実技も練習できる

気象業務支援センターの試験問題のページでは、令和3年度第2回(第57回)から令和8年度第1回(第66回)までの試験問題と解答例が公開されています。個人利用を目的としたもので、ZIP形式でダウンロードできます。直近の問題を解くことで、出題の形式や時間配分に慣れられます。

独学でつまずきやすいのは、次の2点です。

  • 学科は、定義や数値の取り違えで点を落とす
    乾燥断熱減率と湿潤断熱減率の大小や、適中率とスレットスコアの定義のように、似た用語を入れ替えた選択肢が出ます。2択まで絞れても、残りの2択で迷いやすくなります
  • 実技は、学科の知識を使って書く力が別に必要になる
    学科に合格していても、実技の記述で基準に届かない人がいます。時間を計って過去問を解き、解答例と見比べて、足りない書き方を直しましょう

直前期は、学科の頻出論点を○×で一周する

試験前の1〜2か月は、新しい分野を増やすより、学科の頻出論点を迷わず選べる状態にすることが効率的です。実技は、学科を固めたあとに過去問で書く練習を重ねます。

  • 定義・数値・用語の取り違えやすいところを○×で確認する
  • ×にした問題だけを見直し、なぜ誤りなのかを説明できるようにする
  • 学科に合格できたら、免除を使って実技の練習に時間を回す

気象予報士の学科(一般知識・専門知識)の直前確認には、noteのページに○×の問題集があります。学科一般50問・学科専門50問の計100問を、解答・ポイント・根拠つきで一周できます。2問の無料サンプルで中身を先に確かめられます。この教材は学科のみが対象で、実技の記述・作図の練習には使えません。実技は、上の公式の過去問で別に準備してください。

出典:気象業務支援センター 試験問題・解答例、試験概要、直前ノート「【気象予報士】学科 出るとこだけ100問」 (2026年10月3日確認)

気象予報士を活かして転職を成功させる進め方

資格が評価される求人を探す

気象会社の求人は、会社の採用ページに掲載されているものがあります。日本気象協会、気象サービスなど、気象会社の採用ページを直接確認しましょう。日本気象予報士会にも、毎年一定数の求人案内が届いています。

求人検索サイトでは、「気象予報士」だけでなく、「気象 予報業務」「気象データ」「防災」「気象 システム」といった言葉でも探してみましょう。資格が「必須」「優遇」「不問」のどれかによって、応募できる人が変わります。求人票の資格の欄は必ず確認してください。

職務経歴書で資格と経験をつなげる

「気象予報士 取得」と書くだけでは、何ができる人かが伝わりません。次の3点を、事実のとおりに書きましょう。

  • 登録済みか、学科のみ合格か(学科のみ合格なら、免除が使える期間と実技の受験予定)
  • 予報や解説の実務経験、またはシステム・データ解析の経験(使った言語やツール、扱ったデータ)
  • 夜勤・休日勤務やシフト制の経験(気象会社の予報業務は夜勤や休日出勤があるため)

実務経験がないなら、資格の勉強で何を扱ったかよりも、前職でどんなデータや資料を読み、誰に何を説明したかを具体的に書く方が伝わります。普通自動車免許を必須にしている求人(観測機器の点検や派遣の求人)もあるため、持っていれば書いておきましょう。

転職エージェントを味方につける

気象会社の求人は、採用ページから直接応募を受け付けている会社が多くあります。それでも転職エージェントを使う価値があるのは、気象予報士の知識を活かせる職場が、気象会社の外にもあるからです。気象データを使うIT企業、防災に関わる会社、データ分析の職種など、求人票に「気象予報士」と書かれていなくても、気象の知識が評価される仕事があります。

気象会社は採用ページから直接応募、そのほかの選択肢はエージェントで広げる、という2本立てで進めると、取りこぼしが減ります。

転職エージェントを使うメリットは?

相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や条件を相談できる

気象会社の求人は、給与が「経歴により応相談」と書かれているものが多く、募集の段階では水準が見えません。エージェントは企業との間に入り、年収や勤務条件を調整してくれます。「学科に合格している」「データ解析の経験がある」といった強みも、企業が評価しやすい形で伝えてもらえます。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「気象の知識を活かしたい」「システムの仕事に移りたい」と希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあり、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えます。

入社前に職場の実情を確認できる

予報の仕事は夜勤や休日勤務があるため、シフトの組み方、夜勤の回数、リモートワークの可否は応募前に知っておきたい情報です。求人票からは見えにくい勤務の実態を、担当者を通じて確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

資格の書き方、学科合格の段階の説明のしかた、気象の知識を仕事につなげて話す方法を、転職の支援に慣れた担当者が書類の添削や面接の対策で手伝ってくれます。

面接の日程調整を任せられる

日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、勉強や今の仕事を続けながらでも転職活動を進めやすくなります。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • どの職種を狙うか、まだ決まっていない
  • システムやデータ解析の経験を、気象の分野で活かしたい
  • 気象会社の求人は少ないので、ほかの選択肢も知っておきたい
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の経験がどんな求人につながるのか知りたい

1つでも当てはまるなら、相談してみましょう。あなたの経験と気象の知識で、どんな職種の求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
マイナビ転職ITエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(IT・Web・データ) IT・Web業界に特化。求人紹介、書類添削、面接対策、日程調整、年収交渉に対応 システム開発・データ解析の経験を、気象データを扱う仕事で活かしたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 公開求人・非公開求人とも多く、幅広い業界から比べられる 気象の知識を活かせる業界を、まだ絞りきれていない人

迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験がどの分野で評価されるのかがより正確にわかります。

出典:マイナビ転職ITエージェント、リクルートエージェント (2026年10月3日確認)

よくある質問

気象予報士は意味ない資格ですか?

気象会社の予報業務のように、資格が必須になる仕事では意味のある資格です。一方で、気象庁の調査では、不満の理由として「活用できる場が少なかった」が最も多く挙がっています。使う職場を決めてから取ると、意味のある資格になります。

受験資格はありますか? 未経験でも受けられますか?

受験資格に制限はありません。学歴や実務経験がなくても受験できます(気象業務法による処分を受けた場合を除く)。

学科に合格しただけで、転職に使えますか?

気象予報士にはなれませんが、学科試験のみ合格で気象予報士を目指す方の応募も可能とする求人があります。履歴書には、「学科試験合格(実技試験に挑戦中)」のように、事実のとおりに書いてください。合格した科目は、合格発表日から1年以内の試験で免除されます。

資格手当はいくらくらいですか?

今回開いた気象会社の採用ページには、金額の記載はありませんでした。放送局の報道記者の求人では、気象予報士の資格手当として月5,000円の記載があります。金額や対象かどうかは会社により異なるため、応募前に確認しましょう。

資格の更新は必要ですか?

気象庁の登録案内には、更新の手続きや有効期限は書かれていません。氏名や住所が変わったときは、気象庁へ届出が必要です。最新の案内は気象庁のページで確認してください。

独学で合格できますか?

気象業務支援センターが、過去の試験問題と解答例を公開しているため、独学で挑戦する人もいます。ただし合格率は5%前後で、実技には記述の練習が欠かせません。学科の直前確認には直前ノートもご活用ください。実技は対象外です。

まとめ:あなたの次の一手

気象予報士は、予報業務を仕事にしたい人にとって、応募の条件になる資格です。一方で、気象の仕事の中には、資格を問わない職種もあります。資格を取ること自体が目的にならないよう、どの職種で使うのかを決めて進めましょう。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。