資格×転職
PR作業環境測定士(第二種)は転職に有利?登録までの流れと求人での評価、第一種との違い
「作業環境測定士を取れば、転職で有利になるのかな」 「試験に受かっても講習や登録が必要と聞いたけど、時間とお金をかけて取る価値はあるのかな」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、作業環境測定士は、化学・分析・工場の安全衛生の経験がある人が、作業環境測定機関や工場の安全衛生の部署で働くときに評価される国家資格です。有機溶剤や粉じんなどを扱う作業場の測定は作業環境測定士でなければ行えないため、測定機関の求人では「第一種・第二種作業環境測定士」が応募条件や歓迎条件に書かれています。
一方で、試験に合格しただけでは作業環境測定士になれません。合格後に登録講習を修了し、登録を受けて初めて、この資格で仕事ができます。また、資格だけで未経験から採用が決まるとは限らず、実務経験を条件や歓迎条件に挙げる求人もあります。
この記事では、安全衛生技術試験協会・日本作業環境測定協会の公表情報と実際の求人をもとに、作業環境測定士が転職でどう評価されるのかを、第二種を中心に解説します。
結論:作業環境測定士は転職に有利?
結論は**「経験と登録がそろえば有利。試験の合格だけでは働けず、資格単体でも決め手になりにくい」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 転職での有利さ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 化学・分析・工場の安全衛生の経験あり + 登録まで完了 |
◎ 測定機関や工場の安全衛生部門で、応募条件を満たせる求人が増える | 資格を条件や歓迎条件に書いた求人を探す |
| 同じ経験あり + 試験に合格しただけ(登録講習は未受講) |
○ 登録講習を修了して登録すれば、同じ立場になれる | 登録講習の日程を決める(合格後の期限はない) |
| 同じ経験あり + 未受験 |
○ 取得すれば、経験に国家資格の裏づけが加わる | 次の試験に向けて準備する |
| 測定や安全衛生の仕事は未経験 + 取得済み(または取得予定) |
△ 意欲の証明にはなるが、実務経験を求める求人では決め手にならない | 実務を積める職場を選ぶ |
受験そのものに実務経験は必要ありません。高校を卒業していれば、学科を問わず受けられます。詳しくは次の章で解説します。
作業環境測定士とは?1分でわかる基本情報
作業環境測定士は、作業環境測定法に基づく国家資格です。厚生労働省は、有機溶剤・特定化学物質・金属類・鉱物性粉じん・放射性物質を取り扱う作業場の作業環境測定は、作業環境測定士でなければ行えないと説明しています。
作業環境測定は、測定計画を立てる「デザイン」、計画に基づいて試料を採取する「サンプリング」、採取した試料を分離・定量する「分析」の3つでできています。職場の空気中にどれだけ有害な物質があるかを測り、その結果から作業環境を良くしていく仕事です。
第二種と第一種の違いは「機器を使った分析ができるか」
試験は第二種と第一種の2種類です。第二種は、デザインとサンプリングに加えて、検知管やデジタル粉じん計などの簡易な測定機器を使った分析ができます。第一種は、これに加えて、登録を受けた作業場(粉じん・放射性物質・特定化学物質・金属類・有機溶剤)の機器分析ができます。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| できる仕事 | デザイン、サンプリング、簡易測定機器による分析 | 第二種の仕事に加えて、登録を受けた作業場の機器分析 |
| 試験科目 | 共通4科目 | 共通4科目+選択科目(1〜5科目) |
| 受験手数料 | 11,800円 | 13,900円〜27,100円(共通科目も受ける場合。選択科目の数で変わる) |
| 登録講習 | 共通科目(3日間・18時間) | 先に第二種の共通科目を修了し、選択科目は科目ごとに2日間・12時間 |
| 登録免許税 | 15,000円 | 30,000円 |
出典:安全衛生技術試験協会 第二種の紹介、第一種の紹介、試験手数料、登録免許税、日本作業環境測定協会 作業環境測定士講習 (2026年10月3日確認)
第一種を受ける人も、共通4科目は第二種と同じ試験です。第二種に合格していなくても、最初から第一種を受験できます。ただし登録講習は、第二種の共通科目を先に修了する決まりです。
2026年度(令和8年度)の第二種試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施 | 公益財団法人 安全衛生技術試験協会(国家試験) |
| 試験日 | 第1回:2026年8月19日(実施済み。合格者の発表は9月29日) 第2回:2027年2月16日 |
| 申込期間(第2回) | 書面申請:2026年11月2日〜11月16日 オンライン申請:2026年11月2日〜11月30日 |
| 合格発表(第2回) | 2027年3月23日 |
| 試験地 | 北海道・宮城・千葉・東京・愛知・大阪・兵庫・広島・福岡の各試験場 |
| 試験科目と時間 | 労働衛生一般、労働衛生関係法令、デザイン・サンプリング、分析に関する概論の4科目。1科目1時間(10:00〜16:00に4科目) |
| 出題形式 | 五肢択一式、各科目20問(令和8年度第1回の公表問題で確認) |
| 合格基準 | 4科目すべてで60%以上 |
| 受験手数料 | 11,800円(非課税) |
出典:第二種の日程、第二種の紹介、令和8年度第1回の公表試験問題、試験手数料(2026年10月3日確認) ※申込前に、必ず協会の最新の試験案内を確認してください。
4科目すべてが60%以上でなければ不合格で、合計点で挽回する仕組みはありません。ただし、合格点に達した共通科目は2年間免除されます。
受験資格は、高校卒業なら学科を問わない
受験資格は、学歴や資格で決まります。実務経験が条件になるのは、学歴のルートに当てはまらない人の「8年以上の労働衛生の実務」のルートです。協会の紹介ページに載っている主なルートは次のとおりです。
- 高校(中等教育学校)を卒業した人。理科系の学科でなくてもよい
- 高等学校卒業程度認定試験に合格した人
- 大学(短大を含む)・高等専門学校を卒業した人
- 職業訓練(理科系統の課程)の修了者や、一級・二級の技能検定(理学・工学の知識を必要とする職種)の合格者
- 8年以上、労働衛生の実務に従事した経験がある人
合格したあとは、登録講習を修了して登録する
作業環境測定士になるには、試験の合格だけでは足りません。日本作業環境測定協会は、試験合格後に登録講習を受けて修了試験に合格し、そのあとで登録を受けて初めて作業環境測定士としての仕事ができると案内しています。
| 手順 | 内容 | 費用・期間 |
|---|---|---|
| 1. 試験に合格する | 合格証が届く | 受験手数料11,800円 |
| 2. 登録講習を受ける | 労働衛生管理の実務、デザイン・サンプリングの実務、実習、最終日に修了試験(筆記・実技)。日本作業環境測定協会の場合は東京都港区で開催 | 3日間・18時間、受講料93,500円(税込) |
| 3. 登録を申請する | 申請書に、合格証の写し、講習修了証の写し、住民票、写真を添える(合格証の住所から変わっていなければ住民票は不要) | 登録手数料20,000円+登録免許税15,000円。登録証は申請書の受理から2週間程度で発送 |
受験手数料から登録免許税までを合計すると、第二種で約14万円(11,800円+93,500円+20,000円+15,000円=140,300円)です。テキスト代、東京までの交通費、受験準備の講座は含みません。
日本作業環境測定協会の令和8年度の登録講習は、2026年5月から2027年3月までに計7回、会場はすべて東京都港区です。実技基礎講習Aコースを修了していると、修了試験の実技が免除されます。登録講習は同協会以外の機関も実施しており、受講料は機関ごとに異なります。
協会は、試験に合格したあとの登録講習・登録申請に期限はないと案内しています。合格してすぐ仕事に使わなくても、必要になったときに講習を受けて登録できます。
出典:日本作業環境測定協会 国家試験を合格したあと、登録講習(第2種 共通科目)受講案内(令和8年4月版)、安全衛生技術試験協会 新規登録の手続き、登録手数料、登録のよくある質問(2026年10月3日確認)
合格率は第二種で14.3%(2025年度)
| 試験の種類 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第二種 | 1,832人 | 262人 | 14.3% |
| 第一種 | 953人 | 441人 | 46.3% |
出典:安全衛生技術試験協会 統計(令和7年度)(2026年10月3日確認)
第二種は7人に1人ほどしか受からない試験です。第一種の合格率が高く見えますが、第一種は共通科目をすべて免除されて選択科目だけを受ける人も受験できるため、第二種の数字と単純には比べられません。
転職で作業環境測定士が評価される理由
指定された作業場の測定は、作業環境測定士にしか任せられない
作業環境測定法は、事業者が指定作業場の作業環境測定を行うときは、その事業者が使用する作業環境測定士に実施させなければならないと定めています。自社で行えない場合は、作業環境測定機関に委託します。作業環境測定士が働く場所は、この2つに分かれます。
- 作業環境測定機関:顧客の工場や事業所を訪ねて測定を請け負う会社や団体
- 測定を自社で行う工場:自社の安全衛生・環境管理の部署で、自社の作業場を測る
出典:作業環境測定法(厚生労働省)第3条(2026年10月3日確認)
測定機関の求人では、資格が応募条件や歓迎条件に書かれている
作業環境測定機関の求人を見ると、資格が応募条件や歓迎条件の中心に置かれています(いずれも2026年10月3日確認)。
- 一般社団法人 静岡県産業環境センター:第1種・第2種作業環境測定士の資格を持つ人を正社員として常時募集。顧客先の工場で作業環境測定の調査を行う。月給20万〜30万円、資格手当は月3,000円〜
- 株式会社オオスミ(神奈川県):「第二種作業環境測定士以上の国家資格保有者で実務経験者歓迎」。年収300万〜650万円(経験に応じて)。受験料・登録料の一部を支給する資格取得支援制度がある
- 株式会社日立産機グリーンテック(千葉県習志野市):工場・事業所の水質・排ガス・作業環境等の測定とサンプリング。必須は「理系(化学)の知識」と「計量証明事業・作業環境測定の業務経験」。歓迎に第一種・第二種作業環境測定士、公害防止管理者、環境計量士
測定機関が登録を受けるには、分析を行う作業場の種類ごとに登録を受けた第一種作業環境測定士を置くことなどが国の基準になっています(作業環境測定法施行規則第54条)。第二種の資格者も、オオスミのように「第二種以上」を条件にする募集があり、デザインとサンプリングを担える人として応募できます。
工場の安全衛生の求人では、歓迎資格の1つとして扱われる
今回確認した工場の求人では、測定だけを担当する職種ではなく、安全衛生や環境管理の仕事の1つとして測定が書かれていました。作業環境測定士は、歓迎される資格の1つとして並んでいます(いずれも2026年10月3日確認)。
- 株式会社デンソー(愛知県刈谷市・安全衛生):業務に「作業環境測定等」の現場調査・解析が含まれる。必須は安全衛生業務の経験3年以上と工学系の知識。歓迎資格に作業環境測定士、衛生管理者、労働衛生コンサルタントなど。想定年収550万〜1,100万円
- 株式会社バルカーシールソリューションズ(奈良県五條市・安全衛生管理担当):工場の安全管理体制の構築、安全衛生教育、化学物質管理など。尚可に衛生管理者、危険物取扱者、作業環境測定士など。月給29万〜35万円
資格手当は、数千円からの記載が見られる
静岡県産業環境センターは資格手当を月3,000円〜、オオスミは国家資格〜30,000円/月と書いています(オオスミは資格ごとの内訳を載せていません)。金額も対象の資格も会社によって違うので、応募前に確認が必要です。
月3,000円なら年3.6万円です。登録まで約14万円かかることを考えると、手当だけで元を取る資格ではありません。会社が受験料や登録料を支援してくれるか、資格が採用や配属の条件になるか、という点を含めて判断しましょう。
個人ばく露測定の制度改正で、追加の講習で広げられる業務ができた
日本作業環境測定協会は、令和8年10月1日から、作業環境の改善が難しい第3管理区分の作業場での個人サンプリング測定など一部の業務を、個人ばく露測定講習を修了し、登録証にその登録を受けた作業環境測定士が行うことになったと案内しています。第一種・第二種の区別はありません(個人ばく露測定講習、2026年10月3日確認)。
作業環境測定士が転職で有利にならないケース
ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。
(1)試験に合格しただけで、登録を済ませていない場合
合格証だけでは、作業環境測定士として測定の仕事はできません。登録講習(日本作業環境測定協会なら3日間・93,500円)を修了し、登録を受けて初めて資格が使えます。
登録前の履歴書には「作業環境測定士試験 合格」と書き、登録が済んでから「作業環境測定士(第二種)登録」と書きましょう。作業環境測定法は、作業環境測定士でない人が名称に「作業環境測定士」という文字を使うことを禁じています。
(2)分析の担当を希望するのに、第二種しか持っていない場合
第二種ができる分析は、検知管やデジタル粉じん計などの簡易測定機器によるものだけです。ガスクロマトグラフなどの機器を使う分析を任されたいなら、第一種が必要です。分析室で働きたい人は、第二種を最初の1歩として、第一種の選択科目まで進む計画を立てましょう。
(3)実務経験を条件にする求人に、資格だけで応募する場合
日立産機グリーンテックの必須条件は、資格ではなく測定の業務経験でした。デンソーも、必須は安全衛生業務の経験3年以上で、作業環境測定士は歓迎資格です。オオスミは「実務経験者歓迎」と書いています。資格は応募条件を満たす材料にはなりますが、経験を求める求人では、経験の中身が評価の中心になります。
(4)有害な物質を扱う作業場のない職場に移る場合
測定の仕事が生まれるのは、有機溶剤や特定化学物質、粉じんなどを扱う作業場がある職場です。こうした作業場のない業種へ移る場合、この資格が使える場面はほとんどありません。
とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。経験とセットで見せれば、測定機関や工場の安全衛生部門では他の応募者との差になる資格です。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。
【タイプ別】あなたの場合、作業環境測定士は武器になる?
化学・分析・品質管理の経験者は、測定機関の測定員・分析担当を狙える
もっとも有利になるのがこのタイプです。化学の知識や、試料の採取・分析の経験があれば、測定機関が求める「理系の知識」と「測定・分析の経験」を満たしやすくなります。日立産機グリーンテックのように計量証明事業の経験者を求める会社では、環境計量士や公害防止管理者と並んで評価されます。
評価されやすいポイントは次の通りです。
- 測定計画を立て、現場でサンプリングし、結果を報告書にまとめる一連の仕事を任せられる
- 化学物質の性質や、分析の原理を理解している
- 第一種まで取れば、機器分析の担当として配属先が広がる
どの測定機関が資格を評価し、入社後にどんな作業場を担当させてもらえるかは、求人票だけでは見分けにくいものです。環境分野に特化した転職エージェントなら、測定機関や環境分析会社の求人をまとめて比べながら、資格の扱いを確認できます。
工場の安全衛生・環境管理の担当者は、自社で測れる人として評価される
自社の工場で安全衛生や環境管理を担当している人は、自社の作業場の測定を自分で行える人材として評価されます。指定作業場の測定は、自社の作業環境測定士に実施させるのが原則で、自社でできないときに測定機関へ委託する決まりだからです。
すでに第一種衛生管理者を持っている人は、試験科目の一部免除を使えます。免許があり、5年以上労働衛生の実務に従事した経験があって、免除講習(1日)を修了すると、第二種の試験のうち労働衛生一般と労働衛生関係法令が免除されます。残るのは、デザイン・サンプリングと分析に関する概論の2科目です。
デンソーのように大手メーカーの安全衛生部門へ移る場合は、資格より安全衛生業務の経験年数が先に見られます。資格は、その経験を測定の面から裏づける材料として使いましょう。
出典:日本作業環境測定協会 資格を取るまでのプロセス、安全衛生技術試験協会 第二種の紹介(免除科目)(2026年10月3日確認)
測定や安全衛生が未経験なら、実務を積める職場を選ぶのが先
高校を卒業していれば受験できるので、未経験でも資格そのものは目指せます。ただし、合格から登録まで進んでも、実務経験を求める求人では決め手になりにくいのが現実です。
測定機関の求人には、「未経験歓迎・国家資格取得支援」を掲げながら、必須条件の欄に作業環境測定士の資格を書いているものもあります(株式会社環境技研・東京都板橋区の求人、2026年10月3日確認)。同じ求人に「働きながら資格取得を目指せる」「合格時の祝金や手当を支給」とも書かれており、タイトルと必須条件が一致していません。こうした求人は、資格がなくても応募できるのかを応募前に確認する必要があります。
未経験者を対象にしている求人かどうかを確認し、そのうえで、資格取得の費用を会社が支援してくれるか、入社後にサンプリングなどの現場で経験を積めるかを選ぶ基準にすると、資格を実務につなげやすくなります。
作業環境測定士を活かせる仕事と年収の目安
| 仕事 | 主な内容 | 資格の効き方 | 年収の目安(求人記載) |
|---|---|---|---|
| 測定機関の測定員(サンプリング) | 顧客の工場で測定計画の立案、試料採取、報告書の作成 | ◎ 応募条件・歓迎条件に書かれる | 静岡県産業環境センター:月給20万〜30万円、モデル年収は25歳400万・35歳500万・45歳580万円 オオスミ:年収300万〜650万円(経験に応じて) |
| 測定機関の測定員・分析担当 | 水質・排ガス・作業環境の測定、サンプルの分析、報告書の作成 | ◎ 第一種があると分析まで担当できる | 日立産機グリーンテック:月給20万5,800円〜28万7,000円、想定年収422万〜613万円 |
| 工場の安全衛生・環境管理 | 安全管理体制づくり、教育、点検、作業環境測定を含む現場調査 | ○ 歓迎・尚可の資格として評価される | デンソー:想定年収550万〜1,100万円(経験3年以上が必須) バルカーシールソリューションズ:月給29万〜35万円、想定年収460万〜550万円 |
出典:上記の各求人ページ(2026年10月3日確認)。年収は会社・地域・経験・職務内容で大きく変わり、資格保有者の平均ではありません。
あわせて取得すると強い資格
第一種作業環境測定士
機器を使った分析まで担当できるようになります。測定機関が登録を受けるときの基準にも「第一種を置くこと」が入っているので、測定機関で長く働くなら、いずれ取りたい資格です。第二種の登録を済ませていれば、第一種は登録の書換で切り替えられます。
環境計量士(濃度関係)
環境計量士(濃度関係)の登録を受け、高校以上を卒業している人は、2日間の免除講習を修了すると、第二種の試験科目がすべて免除扱いになり、登録講習へ進めます。日立産機グリーンテックでも歓迎資格に挙がっており、「測る」仕事の幅が広がる組み合わせです。
衛生管理者・公害防止管理者
工場の安全衛生を担当する人にとって、衛生管理者は作業環境測定士とセットで求められる資格で、デンソーの求人でも歓迎資格に並んでいます。公害防止管理者試験(騒音・振動を除く)に合格している人は、第二種の試験のうち分析に関する概論が免除されます。
出典:日本作業環境測定協会 資格を取るまでのプロセス、安全衛生技術試験協会 第二種の紹介(免除科目)、登録のよくある質問(2026年10月3日確認)
作業環境測定士(第二種)に合格するには
公式の公表問題で、出題の形をつかむ
安全衛生技術試験協会のサイトでは、共通4科目の直近2回分の試験問題と正答が公開されています(解説はありません)。令和8年度第1回の公表問題には、次のような問題がありました。
- 労働衛生一般:化学物質とそれによって生じる主要ながんの組合せの正誤
- 労働衛生関係法令:定期に測定すべき作業環境、測定の頻度、記録の保存期間の組合せの正誤
- デザイン・サンプリング:メタノールの質量濃度130 mg/m³を体積分率(ppm)に直す計算
- 分析に関する概論:0.5 mol/Lの水酸化ナトリウム溶液の質量パーセント濃度を求める計算
出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題(2026年10月3日確認)
独学でつまずきやすいのは、計算と「似た数値の取り違え」
- 計算が必要な科目がある
デザイン・サンプリングの濃度換算や、分析に関する概論のモル濃度・質量パーセント濃度の計算は、公式を覚えるだけでは解けません。手を動かして解き直す必要があります - 4科目すべてで60%が必要
得意な科目で高得点を取っても、1科目でも60%未満なら不合格です。苦手科目を作らない配分が大切です
市販の問題集では、オーム社の「2026年版 第1種・第2種作業環境測定士試験 攻略問題集」が、令和5年8月から令和7年2月までに実施された4回分(第二種4回分、第一種2回分)の全試験問題を出題内容ごとに整理して解説しています。講義で学びたい人には、日本作業環境測定協会の受験準備講習もあります。令和8年度の第2回(2026年12月)は、第二種の4科目を会場・オンライン・動画配信から選べ、一般料金は分析に関する概論が33,000円、ほかの3科目が各16,500円(税込・テキスト代別)です。
出典:オーム社 攻略問題集、日本作業環境測定協会 令和8年度第2回 受験準備講習のご案内(2026年10月3日確認)
直前期は○×で4科目を総点検し、迷った論点を公式の問題で確かめる
試験前の1〜2か月は、新しい知識を増やすより、4科目をまんべんなく仕上げることに集中するのが効率的です。
- 4科目それぞれで60%を超えられるか、科目ごとに確認する
- 物質と標的臓器、測定の頻度、保存年数のような「対象・区分・数値の取り違え」を○×で素早く判断できるか試す
- 迷った論点は、公式の公表問題に戻って、五肢択一の形でも解けるか確かめる
noteの「【作業環境測定士】出るとこだけ100問で直前に第二種4科目を1周!2026年度版」は、第二種の共通4科目を各科目25問ずつ、○×形式で100問に絞った問題集です。全問に解答とポイント・根拠が付いていて、無料サンプルは2問です。本番は五肢択一式なので、公式の過去問と組み合わせて使ってください。共通4科目は第一種でも同じ試験のため、第一種を受ける人の共通科目の総点検にも使えます(第一種の選択科目は含みません)。
作業環境測定士を活かして転職を成功させる進め方
資格が評価される求人を探す
求人検索では、「作業環境測定士」だけでなく、「作業環境測定」「環境測定」「環境分析」「サンプリング」「安全衛生」などの言葉でも探してみましょう。資格名が必須の欄になくても、測定の経験者を求めている求人は多くあります。
応募前に、求人票の必須条件に資格が入っているか、実務経験が条件になっているかを読み分けます。未経験歓迎と書いてあっても、条件欄に資格が必須と書かれている求人があるからです。
職務経歴書で資格と経験をつなげる
「作業環境測定士(第二種)取得」と書くだけでは、何ができる人なのかが伝わりません。登録を済ませているなら登録した種別と時期を書き、扱った物質、測定の種類、担当した範囲を具体的に書きましょう。たとえば「有機溶剤を使う塗装ラインで、測定点を決めてサンプリングし、評価結果を報告書にまとめた」のような書き方です。登録前の人は、「試験合格」と書いたうえで、登録講習の受講予定を添えます。
転職エージェントを味方につける
ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、作業環境測定士を持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。
理由はシンプルで、どんな作業場を担当するのか、資格がどう評価されるのかといった事情は、求人票に書かれにくいからです。
転職エージェントを使うメリットは?
求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
年収や資格手当、取得費用の条件を相談できる
「資格手当は付きますか」「登録講習や登録の費用は会社が支援してくれますか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントは企業との間に入り、条件の確認や相談に乗ってくれます。
希望に合う求人を紹介してもらえる
「測定の現場を経験したい」「分析まで担当したい」「工場の安全衛生の仕事に移りたい」。希望を伝えると、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。
入社前に職場の実情を確認できる
担当する作業場は有機溶剤か粉じんか、出張や社用車での移動はどれくらいか、第一種の担当者は何人いるか、未経験の場合に実務経験をどう積ませてもらえるか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。
書類や面接の対策をしてもらえる
測定の経験を職務経歴書にどう書けば伝わるか、面接で作業環境測定の知識をどう話せばいいかを、担当者がアドバイスしてくれます。
内定後の年収や入社日の調整を任せられる
内定が出たあとの年収の交渉や、入社日の調整を、エージェントがサポートしてくれます(リクルートエージェントの場合)。今の仕事を続けながらでも、条件のすり合わせを進められます。
さらに、比較表で紹介する2社は、どちらも求職者は無料で利用できます。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 作業環境測定士を取ったのに、今の会社では手当も役割も変わらない
- 今の年収や、出張・現場作業の多さに満足していない
- 測定機関の測定員から、分析の担当や工場の安全衛生の仕事に移りたい
- 資格は取りたいが、未経験で採用してくれる職場があるのか知りたい
- 転職するかはまだ決めていないが、自分の経験と資格でどんな求人があるか知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格なら、どんな条件の求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| EcoJob(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(環境分野) | 環境分野専門の人材紹介会社。環境測定分析を含む環境分野の求人を扱い、求人企業の実情の共有や、書類・面談審査の対策がある(会員登録が必要) | 測定機関や環境分析会社で、測定・分析の経験を活かしたい人 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 求人数が多く、メーカーの安全衛生など業界をまたいで比較できる。書類添削・面接対策、内定後の年収交渉・入社日の調整まで支援 | 工場の安全衛生部門も含めて、幅広く比べたい人 |
迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験と資格がどう評価されるかがより正確にわかります。
出典:EcoJob ご利用方法、リクルートエージェント(2026年10月3日確認)
よくある質問
- 試験に合格すれば、作業環境測定士を名乗れますか?
名乗れません。試験に合格したあとで登録講習を修了し、登録を受けて初めて作業環境測定士になります。登録講習・登録申請に期限はありません。
- 受験資格に実務経験は必要ですか?
高校を卒業していれば、学科を問わず受験できます。大学・短大・高専の卒業者や、高等学校卒業程度認定試験の合格者も受けられます。実務経験が条件になるのは、学歴などのルートに当てはまらず、「8年以上の労働衛生の実務」で受験する場合です。
- 合格したあと、登録までにいくらかかりますか?
第二種では、受験手数料11,800円、登録講習93,500円(日本作業環境測定協会の場合)、登録手数料20,000円、登録免許税15,000円で、合計140,300円です。テキスト代や交通費は別です。受講料は登録講習の機関によって異なります。
- 第二種に合格しないと、第一種は受けられませんか?
最初から第一種を受験できます。ただし、第一種と第二種の同時受験はできません。共通科目だけを受ける人は第二種、共通科目と選択科目を受ける人は第一種で申請します。登録講習は、第二種の共通科目を先に修了する必要があります。
- 資格手当はいくらくらいですか?
測定機関の求人では、月3,000円〜や、国家資格〜30,000円/月といった記載が見られます。金額や対象の資格は会社により異なるため、応募前に確認しましょう。
- 独学で合格できますか?
公式サイトで共通4科目の過去問と正答が公開されているため、独学でも挑戦できます。ただし第二種の合格率は14.3%(2025年度)で、計算が必要な科目もあります。直前期の総仕上げには、直前ノートもご活用ください。
まとめ:あなたの次の一手
作業環境測定士は、化学・分析・工場の安全衛生の経験がある人にとって、作業環境測定機関や工場の安全衛生部門で評価される資格です。一方で、試験に合格しただけでは働けず、登録講習と登録が必要です。実務経験を求める求人もあるため、資格単体で採用が決まるわけではありません。
あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。
参考
- 第二種作業環境測定士の紹介|安全衛生技術試験協会
- 第一種作業環境測定士の紹介|安全衛生技術試験協会
- 第二種作業環境測定士の日程|安全衛生技術試験協会
- 作業環境測定士試験手数料|安全衛生技術試験協会
- 統計(令和7年度)|安全衛生技術試験協会
- 公表試験問題 作業環境測定士試験|安全衛生技術試験協会
- 作業環境測定士試験についてよくあるご質問|安全衛生技術試験協会
- 作業環境測定士 資格登録申請(新規登録)|安全衛生技術試験協会
- 作業環境測定士 登録手数料|安全衛生技術試験協会
- 作業環境測定士 登録免許税|安全衛生技術試験協会
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